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22 悪役令嬢様はいらっしゃらない
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(この人、転生者なんだわ……)
メリーの目の前で、何枚も何枚も。五十音の書かれた儀式用の紙を書いていく理事長。先ほどから、呼び出しに失敗しては紙を変えて、を繰り返している。
迷いなく書かれていく文字にメリーは確信した。
ダンスパーティー会場から連れ出され。理事長室に連れて来られたメリーはずっと『悪役令嬢様』を理事長と共にやらされている。
しかし、金貨が動くことはなかった。隙をみて逃げ出したくても薄暗い理事長室の中、光る糸のような何かでメリーは椅子に括り付けられていて、立ち上がることさえできない。
「くそっ! 何でだ! 何で来てくれない!?」
使われているワインは部長が隣国のオークションで入手した物。ワインの位置も、書かれた紙の内容も、メリーの記憶している物と違いはない。条件はそろっているように見える。
……見えるものだけは。
「もう一度だ!!」
理事長は机の上に新しく書き上げた紙を広げ、ワインをセットして金貨の上に指を置く。ギロリと睨まれ、慌ててメリーも金貨に指を置いた。
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
何度も何度も。
儀式を始めようと声を上げるが無視される。
その度に、理事長は儀式用のワインに口をつけ、徐々に気性が荒くなっていく。メリーはそれが怖かった。
理事長の顔は知っていた。入学の際も面接で顔を合わせたし、学園中に肖像画が飾られているから。あまり人前には出てこないが、生徒思いの穏やかな優しい人のイメージだった。
それが、今は目が淀んでいて、まるで何かに取り憑かれているようだ。確実に悪役令嬢様に取り憑かれているメリーが言えたことではないのだが。
「私が呼び出しても現れないクセに、禁止しても禁止しても生徒の間で流行って現れる。何故だ! お前なんだろう!? アリッサ!」
ガシャン!!
叫んだ理事長がワインを呷り、空になったワイングラスを壁に叩きつける。恐怖から、メリーは耳を抑えた。
「くそっ残り2杯もないな。このワインなら呼び出せると言っていたのに……聞き間違いか……? いや! 確かに聞いた。中庭で聞いたんだ! あれは、オカルト研究会の部室だった!! 間違いない。ワインだって手に入れたんだ。今度こそ呼び出せるはずなんだ。それともまだ何かが足りないのか……?」
理事長が棚から新しいワイングラスを取り出して机の上へと置いた。ボトルから赤いワインを注いだ理事長が割れたワイングラスの破片へと目をやって、にやあ、と笑った。
「いっそ、血でも混ぜてみるか……? オカルト好きの子供が考えそうなことだ。やってみる価値はある」
理事長はフラフラと立ち上がり、床から破片を拾うと定まらない視線をメリーへと向けた。メリーは逃げないと、と思うものの立ち上がれない。
一歩。また一歩。理事長がメリーへと近づいてくる。
「真実の愛の子の血ならば、供物としてアレも文句はないだろう」
そう言って笑う理事長から逃げるために体ごと動かそうとしてもガタガタと、光の糸で括り付けられた椅子ごと揺れるだけ。足も、上半身も動かない。
メリーの自由になるのは『悪役令嬢様』の儀式をやるのに必要だった手と……。ソレに気が付いてメリーは大きく息を吸い込んだ。
そして。
「……っ……けてっ! 助けて!! 助けて部長! リキッド様あぁあ!!」
「メリー!! 大丈夫か!!」
ゴウオオオオオオオオオオオオオォォォオオ!!!
部長の声と共に理事長室のドアが開いたと思ったら。メリーの前でワイングラスの破片を振り上げていた理事長が突風で吹っ飛ばされた。
リキッドが風魔法を発動させたらしい。
「光糸拘束解除っ」
部長のつぶやきと共に理事長室が一瞬明るい光に包まれて、それに溶けるようにメリーを拘束していた物が消え去った。
「部長……っ! 部長、部長、部長、部長、部長……」
ふらつく足で駆け出して、メリーは部長の胸へと飛び込んだ。足に力が入らず今にも崩れ落ちそうだが、部長がしっかりと抱えてくれたのでメリーは遠慮なくしがみついた。
「光糸拘束」
部長が何かをつぶやくと、薄暗い室内に光の糸が現れて床に蹲る理事長を拘束していく。よほど強く握りしめていたのだろう。手にはワイングラスの破片を持ったままだ。
血が出ていて痛そうだが、「生徒を傷つけようとした証拠だ」と言って、部長はその手もそのまま光の糸で固定した。
「な……なんで、お前が光魔法を使えるんだ! これは、王家」
「お口にガムテープ」
「……むぐっ」
部長の一言で、理事長の口が光る何かで閉ざされる。もごもごと、まだ何か叫ぼうとしているが何を言っているのかメリーにはさっぱり聞き取れなかった。
「さあね、転生者だからじゃないか? 大丈夫かメリー嬢。遅くなってすまなかった」
「だ……大丈夫です。あっ、それよりもワインが……ああつ!」
テーブルの上から落ちそうなワインボトルに気が付いて、メリーは慌てて駆け寄りキャッチした。ふらついて座りこんでしまったが、ボトルは無事だ。
風で倒れて転がったのだろう。ただでさえ減っていたワインが残り僅かになっている。
「どこだ!? すごい音がしたぞ」
遠くから警備の人らしき声が聞こえてくる。騒ぎに気付き、駆けつけてきたようだ。そのうちここにも来るだろう。
「まずい。騒ぎになったら身動きが取れなくなる。リキッド、悪いが後は頼む。メリー嬢、俺達はとにかく儀式を終わらせよう。悪いが、急ぐぞ」
部長はメリーに駆け寄ると横抱きに持ち上げて走り出した。足が言うことを聞かない今、この方が早いだろう。
メリーはワインボトルを落とさないように、部長の腕の中でしっかりと胸に抱え込んだ。
メリーの目の前で、何枚も何枚も。五十音の書かれた儀式用の紙を書いていく理事長。先ほどから、呼び出しに失敗しては紙を変えて、を繰り返している。
迷いなく書かれていく文字にメリーは確信した。
ダンスパーティー会場から連れ出され。理事長室に連れて来られたメリーはずっと『悪役令嬢様』を理事長と共にやらされている。
しかし、金貨が動くことはなかった。隙をみて逃げ出したくても薄暗い理事長室の中、光る糸のような何かでメリーは椅子に括り付けられていて、立ち上がることさえできない。
「くそっ! 何でだ! 何で来てくれない!?」
使われているワインは部長が隣国のオークションで入手した物。ワインの位置も、書かれた紙の内容も、メリーの記憶している物と違いはない。条件はそろっているように見える。
……見えるものだけは。
「もう一度だ!!」
理事長は机の上に新しく書き上げた紙を広げ、ワインをセットして金貨の上に指を置く。ギロリと睨まれ、慌ててメリーも金貨に指を置いた。
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
「「悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――」」
何度も何度も。
儀式を始めようと声を上げるが無視される。
その度に、理事長は儀式用のワインに口をつけ、徐々に気性が荒くなっていく。メリーはそれが怖かった。
理事長の顔は知っていた。入学の際も面接で顔を合わせたし、学園中に肖像画が飾られているから。あまり人前には出てこないが、生徒思いの穏やかな優しい人のイメージだった。
それが、今は目が淀んでいて、まるで何かに取り憑かれているようだ。確実に悪役令嬢様に取り憑かれているメリーが言えたことではないのだが。
「私が呼び出しても現れないクセに、禁止しても禁止しても生徒の間で流行って現れる。何故だ! お前なんだろう!? アリッサ!」
ガシャン!!
叫んだ理事長がワインを呷り、空になったワイングラスを壁に叩きつける。恐怖から、メリーは耳を抑えた。
「くそっ残り2杯もないな。このワインなら呼び出せると言っていたのに……聞き間違いか……? いや! 確かに聞いた。中庭で聞いたんだ! あれは、オカルト研究会の部室だった!! 間違いない。ワインだって手に入れたんだ。今度こそ呼び出せるはずなんだ。それともまだ何かが足りないのか……?」
理事長が棚から新しいワイングラスを取り出して机の上へと置いた。ボトルから赤いワインを注いだ理事長が割れたワイングラスの破片へと目をやって、にやあ、と笑った。
「いっそ、血でも混ぜてみるか……? オカルト好きの子供が考えそうなことだ。やってみる価値はある」
理事長はフラフラと立ち上がり、床から破片を拾うと定まらない視線をメリーへと向けた。メリーは逃げないと、と思うものの立ち上がれない。
一歩。また一歩。理事長がメリーへと近づいてくる。
「真実の愛の子の血ならば、供物としてアレも文句はないだろう」
そう言って笑う理事長から逃げるために体ごと動かそうとしてもガタガタと、光の糸で括り付けられた椅子ごと揺れるだけ。足も、上半身も動かない。
メリーの自由になるのは『悪役令嬢様』の儀式をやるのに必要だった手と……。ソレに気が付いてメリーは大きく息を吸い込んだ。
そして。
「……っ……けてっ! 助けて!! 助けて部長! リキッド様あぁあ!!」
「メリー!! 大丈夫か!!」
ゴウオオオオオオオオオオオオオォォォオオ!!!
部長の声と共に理事長室のドアが開いたと思ったら。メリーの前でワイングラスの破片を振り上げていた理事長が突風で吹っ飛ばされた。
リキッドが風魔法を発動させたらしい。
「光糸拘束解除っ」
部長のつぶやきと共に理事長室が一瞬明るい光に包まれて、それに溶けるようにメリーを拘束していた物が消え去った。
「部長……っ! 部長、部長、部長、部長、部長……」
ふらつく足で駆け出して、メリーは部長の胸へと飛び込んだ。足に力が入らず今にも崩れ落ちそうだが、部長がしっかりと抱えてくれたのでメリーは遠慮なくしがみついた。
「光糸拘束」
部長が何かをつぶやくと、薄暗い室内に光の糸が現れて床に蹲る理事長を拘束していく。よほど強く握りしめていたのだろう。手にはワイングラスの破片を持ったままだ。
血が出ていて痛そうだが、「生徒を傷つけようとした証拠だ」と言って、部長はその手もそのまま光の糸で固定した。
「な……なんで、お前が光魔法を使えるんだ! これは、王家」
「お口にガムテープ」
「……むぐっ」
部長の一言で、理事長の口が光る何かで閉ざされる。もごもごと、まだ何か叫ぼうとしているが何を言っているのかメリーにはさっぱり聞き取れなかった。
「さあね、転生者だからじゃないか? 大丈夫かメリー嬢。遅くなってすまなかった」
「だ……大丈夫です。あっ、それよりもワインが……ああつ!」
テーブルの上から落ちそうなワインボトルに気が付いて、メリーは慌てて駆け寄りキャッチした。ふらついて座りこんでしまったが、ボトルは無事だ。
風で倒れて転がったのだろう。ただでさえ減っていたワインが残り僅かになっている。
「どこだ!? すごい音がしたぞ」
遠くから警備の人らしき声が聞こえてくる。騒ぎに気付き、駆けつけてきたようだ。そのうちここにも来るだろう。
「まずい。騒ぎになったら身動きが取れなくなる。リキッド、悪いが後は頼む。メリー嬢、俺達はとにかく儀式を終わらせよう。悪いが、急ぐぞ」
部長はメリーに駆け寄ると横抱きに持ち上げて走り出した。足が言うことを聞かない今、この方が早いだろう。
メリーはワインボトルを落とさないように、部長の腕の中でしっかりと胸に抱え込んだ。
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