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21 消えたメリー
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「荷物なら既に会場に届けましたよ」
受付でそう言われ、部長――エーサンは真っ青になった。
荷物の中身は高級ワインだ。もしかしたら、ダンスパーティー用だと勘違いをされて客に提供されてしまったのでは……そう考えてのことだったが、それは受付の者に即座に否定された。
「パーティーで提供される飲食物は特定の業者から仕入れ、安全確認をしたものだけですので、紛れることはございません」
エーサンはそれもそうか、と冷静さを欠いている自分を恥じた。
学園には高位貴族の子息も多く通っているし、パーティーともなればその保護者として社会的立場の高い者も多く参加する。そんな場に、安全確認もされていない正体不明の飲食物を出すことはないだろう。
過去に、あんな事件があった以上はなおのこと気を付けている筈だ。
経由国で荷物が止まっていたのはその過去の事件に関係してのことだった。過去に我が国が事件がらみでそのワインの回収を依頼しており、その依頼は後々撤回されたものの、その撤回要請がきちんと届いていなかったのだ。
その他の国に対しても同じような要請、撤回はされており、回収されたワインは無関係と分かり再び流通したものの、今回のような行き違いで少しずつ数を減らしていった。
曰くつきの、希少なワイン。それを使えば確実に呼び出せる悪役令嬢様。
エーサンは自身の出自もあり王家の醜聞ともいえるその事件をある程度は把握していた。その中で、悪役令嬢様の正体についても何となく察しがついていた。
「ちょっと待ってくださいね。受け取りは……ああ、理事長ですね。ちょうどそちらの会場へ向かうからと、運んでくれたようです」
「そうでしたか。ちょうど入れ違ってしまったのかもしれません。戻って確認してみます。ありがとうございました」
礼を言うと、受付を後にするエーサン。急いで中等部の受付に行ってリキッドを回収すると、慌てて校庭の会場へと戻った。
会場は何故だか歓声が起こり大盛り上がりだった。
エーサンは嫌な予感がした。それなのに、人だかりが出来ていて思うように前に進めない。焦るエーサンの耳にメリーの話題が入ってくる。
「初めて見たけど、流石『真実の愛の子』だな。素晴らしいダンスだ」
「一緒に踊っていたのは婚約者だろう?」
「それが、既に婚約は解消されたらしい」
「本当か! うちの息子にもチャンスがあるかも」
「元婚約者との仲は良さそうだ。白紙ということだから揉めた訳でもないらしい。まあ、転生者だからな。こちらとは感覚が違うのだろう」
「『真実の愛の子』と縁続きになれるのなら、一度や二度の婚約破棄などどうでもいい。嫁に来てくれるだけでどれだけ商売に利益が出るか」
吐き気を覚えるような噂が広がる中で、エーサンは見知った顔を見つけるたびにメリーの行方を聞いていく。噂は耳に入ってくるものの、肝心のメリーの姿が会場に見えないのだ。
既に人だかりは消えているというのに。
エーサンの嫌な予感が深まっていく。そして、部員の一人を見つけ、ようやく手がかりを手に入れるが予感が確信に変わっただけだった。
「メリー先輩なら、理事長先生と何か話していましたよ。すみません、ぼく、料理に夢中になっていてどこに行ったのかまでは見ていません」
「……くそっ、部室にもいないか」
ワインが手に入ったら部室で儀式をやる予定だったため、一縷の望みをかけてやってきたエーサンとリキッド。しかし部室に人の気配はない。
「落ち着いてください、部長。理事長先生なら変な事にはならないのでは?」
「逆だ。アイツは信用できない。くそっ、ただの名誉職だった筈なのに。最近、やたら学園で見かけると思ったら。理事長は何でメリー嬢に興味を持った? 何を考えている? アイツは――60年前の悲劇の当事者だ。無関係とは思えないっ」
カタンッ……。
エーサンの言葉に反応するように。窓際にある机の引き出しが音を立てた。中には、悪役令嬢様を呼び出すのに使った紙と金貨が入っている。
気になって開けてみれば、金貨がカタカタと何か言いたげに震えている。
エーサンは紙を取り出していつものように金貨に指を乗せてみた。しかし、金貨が熱を持っているのを感じるが動く様子はない。
エーサンは歯噛みする。婚約者のいない自分では駄目なのか。それとも、やはりワインがないと駄目なのか。
でも、悪役令嬢様は何かを伝えたがっているように感じる。無理ならば、そんなことはないはずだ。ワインは理事長が持って行ってしまった。ワインが無いとなると……。
「そうだ、お茶!」
エーサンは急いでお湯を沸かした。沸騰するまで待っていられず、それなりに温まったところで小分けにパック詰めされた茶葉をカップに入れてお湯を注ぐ。
この茶葉は、メリーが面倒くさがりのエーサンでも飲みたいときにお茶が飲めるようにと、部室に常備してくれたものだった。
いつもならワインを置く位置にいれたお茶をセットして、エーサンは一人でソレを始めた。
「『悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――お茶会をしませんか?』」
メリーが始めた『悪役令嬢様』の亜流の儀式。
メリーが言うにはワインと違って質問回数に制限はないのだという。恋愛相談ではなく、メリーは『お茶会』で悪役令嬢様との日常会話を楽しんだのだと言っていた。
そして、お茶ではワインを使った儀式を終わらせることはできない――と。
ならば、別の儀式として婚約者がいなくても反応があるのではないか。
ぐび。
お茶が減った。そして、エーサンの指がつりそうなほどの高速で金貨が動く。
『し・つ・も・ん・は』
「メリーはどこだ!」
『り・じ・ち・ょ・う・し・つ』
ぐびっ。
「お茶会終わり!」
『もちろんですわ』
ぐびっ!
ぬるいお茶は一気に飲み干されて金貨は動かなくなった。
オカルト研究会部長のエーサンと悪役令嬢様のお茶会は秒で終わった。
事務的だった。
受付でそう言われ、部長――エーサンは真っ青になった。
荷物の中身は高級ワインだ。もしかしたら、ダンスパーティー用だと勘違いをされて客に提供されてしまったのでは……そう考えてのことだったが、それは受付の者に即座に否定された。
「パーティーで提供される飲食物は特定の業者から仕入れ、安全確認をしたものだけですので、紛れることはございません」
エーサンはそれもそうか、と冷静さを欠いている自分を恥じた。
学園には高位貴族の子息も多く通っているし、パーティーともなればその保護者として社会的立場の高い者も多く参加する。そんな場に、安全確認もされていない正体不明の飲食物を出すことはないだろう。
過去に、あんな事件があった以上はなおのこと気を付けている筈だ。
経由国で荷物が止まっていたのはその過去の事件に関係してのことだった。過去に我が国が事件がらみでそのワインの回収を依頼しており、その依頼は後々撤回されたものの、その撤回要請がきちんと届いていなかったのだ。
その他の国に対しても同じような要請、撤回はされており、回収されたワインは無関係と分かり再び流通したものの、今回のような行き違いで少しずつ数を減らしていった。
曰くつきの、希少なワイン。それを使えば確実に呼び出せる悪役令嬢様。
エーサンは自身の出自もあり王家の醜聞ともいえるその事件をある程度は把握していた。その中で、悪役令嬢様の正体についても何となく察しがついていた。
「ちょっと待ってくださいね。受け取りは……ああ、理事長ですね。ちょうどそちらの会場へ向かうからと、運んでくれたようです」
「そうでしたか。ちょうど入れ違ってしまったのかもしれません。戻って確認してみます。ありがとうございました」
礼を言うと、受付を後にするエーサン。急いで中等部の受付に行ってリキッドを回収すると、慌てて校庭の会場へと戻った。
会場は何故だか歓声が起こり大盛り上がりだった。
エーサンは嫌な予感がした。それなのに、人だかりが出来ていて思うように前に進めない。焦るエーサンの耳にメリーの話題が入ってくる。
「初めて見たけど、流石『真実の愛の子』だな。素晴らしいダンスだ」
「一緒に踊っていたのは婚約者だろう?」
「それが、既に婚約は解消されたらしい」
「本当か! うちの息子にもチャンスがあるかも」
「元婚約者との仲は良さそうだ。白紙ということだから揉めた訳でもないらしい。まあ、転生者だからな。こちらとは感覚が違うのだろう」
「『真実の愛の子』と縁続きになれるのなら、一度や二度の婚約破棄などどうでもいい。嫁に来てくれるだけでどれだけ商売に利益が出るか」
吐き気を覚えるような噂が広がる中で、エーサンは見知った顔を見つけるたびにメリーの行方を聞いていく。噂は耳に入ってくるものの、肝心のメリーの姿が会場に見えないのだ。
既に人だかりは消えているというのに。
エーサンの嫌な予感が深まっていく。そして、部員の一人を見つけ、ようやく手がかりを手に入れるが予感が確信に変わっただけだった。
「メリー先輩なら、理事長先生と何か話していましたよ。すみません、ぼく、料理に夢中になっていてどこに行ったのかまでは見ていません」
「……くそっ、部室にもいないか」
ワインが手に入ったら部室で儀式をやる予定だったため、一縷の望みをかけてやってきたエーサンとリキッド。しかし部室に人の気配はない。
「落ち着いてください、部長。理事長先生なら変な事にはならないのでは?」
「逆だ。アイツは信用できない。くそっ、ただの名誉職だった筈なのに。最近、やたら学園で見かけると思ったら。理事長は何でメリー嬢に興味を持った? 何を考えている? アイツは――60年前の悲劇の当事者だ。無関係とは思えないっ」
カタンッ……。
エーサンの言葉に反応するように。窓際にある机の引き出しが音を立てた。中には、悪役令嬢様を呼び出すのに使った紙と金貨が入っている。
気になって開けてみれば、金貨がカタカタと何か言いたげに震えている。
エーサンは紙を取り出していつものように金貨に指を乗せてみた。しかし、金貨が熱を持っているのを感じるが動く様子はない。
エーサンは歯噛みする。婚約者のいない自分では駄目なのか。それとも、やはりワインがないと駄目なのか。
でも、悪役令嬢様は何かを伝えたがっているように感じる。無理ならば、そんなことはないはずだ。ワインは理事長が持って行ってしまった。ワインが無いとなると……。
「そうだ、お茶!」
エーサンは急いでお湯を沸かした。沸騰するまで待っていられず、それなりに温まったところで小分けにパック詰めされた茶葉をカップに入れてお湯を注ぐ。
この茶葉は、メリーが面倒くさがりのエーサンでも飲みたいときにお茶が飲めるようにと、部室に常備してくれたものだった。
いつもならワインを置く位置にいれたお茶をセットして、エーサンは一人でソレを始めた。
「『悪役令嬢様、悪役令嬢様。いらっしゃいましたら階段の所までお越しください――お茶会をしませんか?』」
メリーが始めた『悪役令嬢様』の亜流の儀式。
メリーが言うにはワインと違って質問回数に制限はないのだという。恋愛相談ではなく、メリーは『お茶会』で悪役令嬢様との日常会話を楽しんだのだと言っていた。
そして、お茶ではワインを使った儀式を終わらせることはできない――と。
ならば、別の儀式として婚約者がいなくても反応があるのではないか。
ぐび。
お茶が減った。そして、エーサンの指がつりそうなほどの高速で金貨が動く。
『し・つ・も・ん・は』
「メリーはどこだ!」
『り・じ・ち・ょ・う・し・つ』
ぐびっ。
「お茶会終わり!」
『もちろんですわ』
ぐびっ!
ぬるいお茶は一気に飲み干されて金貨は動かなくなった。
オカルト研究会部長のエーサンと悪役令嬢様のお茶会は秒で終わった。
事務的だった。
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