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地獄はすぐ側に
しおりを挟む最初は良かったんだ。
どんなに勉強しても集中力は底がないように思えて、永遠と勉強していた。
模試の手応えもバッチリだった。
戻ったんだ。
中学生の頃に。
私の最盛期に。
本気でそう思えた。
毎朝9時には登校、22時まで学校で勉強した。
2週間ほどこの感覚は続いた。
ある日、いつも通り学校で勉強をしていると、突然、心臓が跳ね上がった。
ドクン!!!バクン!!!
瞼も痙攣し始め、呼吸も苦しくなっていく。
あー、また来ちゃった…
うつが酷い時によくあるんだ。
こういう症状。
この症状が現れるのは、無理しすぎてるよ、って自分にブレーキをかける為なんだって、お医者さんが言ってた。
私は無理なんかしてないのに。
なんで。
症状が収まってから勉強を再開すると、シャープペンを持った手が震え出した。
教科書をめくる手は汗まみれなのにギンギンに冷えている。
教科書の文章は文字の羅列にしか見えない。
読めることは読めるけど、文の意味がわからない。
私はまた、地獄におとされたようだった
家に引きこもるようになった。
朝の11時ぐらいまで寝て、ご飯食べて、寝て、お風呂はいって、ご飯食べて、夜の8時には寝ていた。
寝るか、ご飯食べるか。
本当にそれだけの生活をおくっていた。
ご飯も食べられなくなっていった。
喉の奥になにか詰まっているような感じがした。
水を飲み込むのも辛かった。
食べられるものはお粥とアイスぐらい。
廃人のようだった。
身体は鉛が入っているかのような重さで、動かすのもつらい。
立ち上がるのでさえ億劫になっていった。
これを読んでいるあなたが川に流されているとしよう。
最初は川辺で友達とキャンプを楽しんでいた。
暑くなってきて、爽快感を求めて川に入ってみた。
最初は穏やかだった流れは、嘘のように早く、激しくなっていく。
足はつかない。
どんどん水にのまれていく。
そんな時、あなたはどう思う?
死んだ方が楽なんじゃないか…
って思わない??
鬱で死ぬなんて。
人生が思い通りにならないから死ぬなんて。
精神病なんて甘えだ。
精神科に通ってるなんて、やばい人だ。
そう言う人も最近は沢山いる。
でも、その人たちは精神病になった事がないからそんな事言えるんだ、って思う。
はたから見たらこんなんで死ぬのは馬鹿馬鹿しいかもしれないが、本人は抜け出し用のない暗闇に飲み込まれ続けている感覚なんだ。
死にたくもなるよ。
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