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第一章・夢はゲームで叶えよう花梨と芽衣と小百合の冒険譚
*三十一・VSダークシルフへ
しおりを挟むミミはさらに研究を重ねその魔法式を、魔石に宿らせることに成功する。
ドドはこの魔石があったら女の子のスカートめくり放題だと思った。
ドドとミミは、“レレ”をも引き入れ手を組んだ。
ーーだけど現状は失敗。
今や何故か、男の娘をやってパンチラ要員。ドドの能力は無効化され……
ーー萌衣お姉さんはまともだと思っていたのに実は変態だった。しかも勝手に妹にされている何故だ!
ドドーー夕維は泣きたかった。
「ボクの妹は、ボクが守る!」
萌衣は月の鈴から百均スコップ属性シリーズの火と水を取り出して。右の手に火属性を、左の手に水属性を握り構えた。
エミリは笑う。
「あなた使う武器は、やっぱりそれなのね。ならわたしも」
エミリは萌衣同様腰に結び付けている月の鈴から百均スコップを二本取り出す。
エミリの百均スコップは、属性シリーズ風と土。右の手に風属性を、左の手に土属性を握り構えた。
萌衣は思う。
「ボクに合わせてわざわざ百均スコップを用意したのか? というか何故、ボクが百均スコップを武器に使うと知っている?」
「エロフィからマホデンがあって、聞いたからね。アナタはショタ娘悪戯大作戦を大好きなのを、その百均スコップで誤魔化していると聞いて。その本性暴きたくなっちゃって」
「違う……違う……ボクは、そんなもの読んだことはない」
「声が震えているけど、そうかしら? まあその夕維って男の娘に、たっぷりと悪戯をしたらアナタの本性が出るんじゃないかしら?」
「夕維はボクが守る! だって妹だから! 夕維……ボクが勝ったら女の子用の新しいお子様ぱんつをプレゼントしてあげるよ。服は固定されてるから無理だけど、せめてぱんつだけでもお洒落をしないと」
この場にいる萌衣以外は、萌衣が変態だと気付いているが、いや気付かない訳がないが……萌衣は気付かない。
「本気でいくよボクは」
萌衣は左右の百均スコップへ、血の力を付与された月属性の魔力を注ぎ込みーー背中へ微かに赤みを帯びた白く小さな翼を作り上げた。
エミリも百均スコップの風と地属性の魔力を合成。翼は作らずそれを自身の強化のみに使う。
萌衣とエミリは同時に地を駆け、空をも駆け、百均スコップ同士が何度もぶつかり合う。
萌衣は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、風属性。風よ鳴け」
詠唱。魔法陣から緑色の突風を放つがエミリの百均スコップに簡単に弾き返され、荒れ狂う突風が夕維の周りを舞い。
夕維はスカートを押さえた。
エミリはニヤリと笑う
「あらなかなか器用ね」
「……もう一度だ」
萌衣は何度も魔法陣を描き詠唱して突風を放つがその度にエミリに弾き返され、夕維の周りを突風が襲う。
萌衣の狙いは、夕維のパンチラ・パンモロだ。ぱんつのゴムを切り、萌衣は萌衣の好みのぱんつを穿かせる絶対的な理由をも狙っていた。
そして小百合を信用していた。絶対に夕維の素敵な姿を撮影してくれると。
ーー芽衣は自身が思い切りパンモロを繰り返して、それを小百合に撮影されいることにもまったく気付かずにいた。
ノリノリで突風を放ちーーそれを隠れみのにエミリの真っ正面へ。エミリの不意をつきその能天へ右の火属性の百均スコップを叩き付けた。
クリティカルヒット。
エミリの竜の水晶へ10000ダメージ。
エミリの竜の水晶残り0HP。
「まさかボク自身がいきなり近付いてくるとは思わなかっただろ。この勝負ボクの勝ちだ!」
ーーその頃。
戦斧は落風の洞窟にいた。
月の指輪。装備して自身の魔力を流すだけで武器が月属性を付与して、切れ味や破壊力がアップする。
魔力量次第ではたとえ木刀だろうとその上に小石を落としただけで真っ二つになる程に強力で、地味だが斧を愛用する戦斧とは相性の良いスキルだ。
戦斧はそれを自身のスキルにする為に、落風の試練への道チキチキトーナメント戦・二回戦目へ挑んでいた。
対戦相手は黒いローブの上から上半身を覆い隠す鎧と、腰には鞘に収めれた大剣を装備している。竜の大剣使いだ。
「初めまして。わたしは最近ファイナドラゴンクエストを始めた瑠璃って言いますね。ランクは67です」
「俺は戦斧。ランクは35だ。だが、嘗めない方がいいぜ」
「その心配は無用です、前回それで負けましたから。だから最初から全力で行きます!」
瑠璃は鞘に入った百合真夢柔竜に手を掛けギガ百合スラッシュの構えに入る。
戦斧は深読みする。
俺が動き出すその一瞬の隙を狙ってやがるな。
先に動いたのは瑠璃だ。
だが思ったより遅かった。
戦斧は瑠璃の背後に回り込み、斧による渾身の一撃を背中へ。
ダメージ吸収の水晶が身代わりとなり砕けちった。
瑠璃は距離をとり向き直り怒声を放つ。
「背後から攻撃とはこの卑怯者! 正々堂々と正面から勝負をしなさい! ダメージ吸収の水晶を用意しといて良かったです」
……戦斧はすぐに上手く返せなかった。
「……いや普通だろ?」
瑠璃は人差し指をビシッと向けた。
「言い訳ですか? 言い訳っ! 男が平気で言い訳を口にして、恥ずかしいと思わないのですか!」
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