魔力ゼロの異世界転移者からちょっとだけ譲り受けた魔力は、意外と最強でした

淑女

文字の大きさ
上 下
31 / 99
第一章・夢はゲームで叶えよう花梨と芽衣と小百合の冒険譚

*三十一・VSダークシルフへ

しおりを挟む
  
 ミミはさらに研究を重ねその魔法式を、魔石に宿らせることに成功する。
 ドドはこの魔石があったら女の子のスカートめくり放題だと思った。
 ドドとミミは、“レレ”をも引き入れ手を組んだ。 

 ーーだけど現状は失敗。

 今や何故か、男の娘をやってパンチラ要員。ドドの能力は無効化され……
 ーー萌衣お姉さんはまともだと思っていたのに実は変態だった。しかも勝手に妹にされている何故だ! 
 ドドーー夕維は泣きたかった。

「ボクの妹は、ボクが守る!」

 萌衣は月の鈴から百均スコップ属性シリーズの火と水を取り出して。右の手に火属性を、左の手に水属性を握り構えた。
 
 エミリは笑う。

「あなた使う武器は、やっぱりそれなのね。ならわたしも」

 エミリは萌衣同様腰に結び付けている月の鈴から百均スコップを二本取り出す。
 エミリの百均スコップは、属性シリーズ風と土。右の手に風属性を、左の手に土属性を握り構えた。 

 萌衣は思う。

「ボクに合わせてわざわざ百均スコップを用意したのか? というか何故、ボクが百均スコップを武器に使うと知っている?」

「エロフィからマホデンがあって、聞いたからね。アナタはショタ娘悪戯大作戦を大好きなのを、その百均スコップで誤魔化していると聞いて。その本性暴きたくなっちゃって」

「違う……違う……ボクは、そんなもの読んだことはない」

「声が震えているけど、そうかしら? まあその夕維って男の娘に、たっぷりと悪戯をしたらアナタの本性が出るんじゃないかしら?」

「夕維はボクが守る! だって妹だから! 夕維……ボクが勝ったら女の子用の新しいお子様ぱんつをプレゼントしてあげるよ。服は固定されてるから無理だけど、せめてぱんつだけでもお洒落をしないと」

 この場にいる萌衣以外は、萌衣が変態だと気付いているが、いや気付かない訳がないが……萌衣は気付かない。
 
「本気でいくよボクは」

 萌衣は左右の百均スコップへ、血の力を付与された月属性の魔力を注ぎ込みーー背中へ微かに赤みを帯びた白く小さな翼を作り上げた。 
 エミリも百均スコップの風と地属性の魔力を合成。翼は作らずそれを自身の強化のみに使う。
 萌衣とエミリは同時に地を駆け、空をも駆け、百均スコップ同士が何度もぶつかり合う。
 
 萌衣は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、風属性。風よ鳴け」
 詠唱。魔法陣から緑色の突風を放つがエミリの百均スコップに簡単に弾き返され、荒れ狂う突風が夕維の周りを舞い。
 夕維はスカートを押さえた。

 エミリはニヤリと笑う

「あらなかなか器用ね」

「……もう一度だ」

 萌衣は何度も魔法陣を描き詠唱して突風を放つがそのたびにエミリに弾き返され、夕維の周りを突風が襲う。
 萌衣の狙いは、夕維のパンチラ・パンモロだ。ぱんつのゴムを切り、萌衣は萌衣の好みのぱんつを穿かせる絶対的な理由をも狙っていた。
 そして小百合を信用していた。絶対に夕維の素敵な姿を撮影してくれると。

 ーー芽衣は自身が思い切りパンモロを繰り返して、それを小百合に撮影されいることにもまったく気付かずにいた。

 ノリノリで突風を放ちーーそれを隠れみのにエミリの真っ正面へ。エミリの不意をつきその能天へ右の火属性の百均スコップを叩き付けた。
 クリティカルヒット。
 エミリの竜の水晶へ10000ダメージ。
 エミリの竜の水晶残り0HP。

「まさかボク自身がいきなり近付いてくるとは思わなかっただろ。この勝負ボクの勝ちだ!」

 ーーその頃。
 戦斧は落風の洞窟にいた。

 月の指輪。装備して自身の魔力を流すだけで武器が月属性を付与して、切れ味や破壊力がアップする。
 魔力量次第ではたとえ木刀だろうとその上に小石を落としただけで真っ二つになる程に強力で、地味だが斧を愛用する戦斧とは相性の良いスキルだ。

 戦斧はそれを自身のスキルにする為に、落風の試練への道チキチキトーナメント戦・二回戦目へいどんでいた。 
 対戦相手は黒いローブの上から上半身を覆い隠す鎧と、腰には鞘に収めれた大剣を装備している。竜の大剣使いだ。 
 
 「初めまして。わたしは最近ファイナドラゴンクエストを始めた瑠璃るりって言いますね。ランクは67です」

「俺は戦斧。ランクは35だ。だが、嘗めない方がいいぜ」

「その心配は無用です、前回それで負けましたから。だから最初から全力で行きます!」

 瑠璃は鞘に入った百合真夢柔竜に手を掛けギガ百合スラッシュの構えに入る。
 戦斧は深読みする。
 俺が動き出すその一瞬のすきを狙ってやがるな。

 先に動いたのは瑠璃だ。
 だが思ったより遅かった。 
 戦斧は瑠璃の背後に回り込み、斧による渾身こんしんの一撃を背中へ。
 ダメージ吸収の水晶が身代わりとなり砕けちった。

 瑠璃は距離をとり向き直り怒声を放つ。 

「背後から攻撃とはこの卑怯者! 正々堂々と正面から勝負をしなさい! ダメージ吸収の水晶を用意しといて良かったです」

 ……戦斧はすぐに上手く返せなかった。

「……いや普通だろ?」

 瑠璃は人差し指をビシッと向けた。

「言い訳ですか? 言い訳っ! 男が平気で言い訳を口にして、恥ずかしいと思わないのですか!」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

【完結】百年に一人の落ちこぼれなのに学院一の秀才をうっかり消去しちゃいました

平田加津実
ファンタジー
国立魔術学院の選抜試験ですばらしい成績をおさめ、百年に一人の逸材だと賞賛されていたティルアは、落第を繰り返す永遠の1年生。今では百年に一人の落ちこぼれと呼ばれていた。 ティルアは消去呪文の練習中に起きた誤作動に、学院一の秀才であるユーリウスを巻き込んでしまい、彼自身を消去してしまう。ティルア以外の人の目には見えず、すぐそばにいるのに触れることもできない彼を、元の世界に戻せるのはティルアの出現呪文だけなのに、彼女は相変わらずポンコツで……。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...