魔力ゼロの異世界転移者からちょっとだけ譲り受けた魔力は、意外と最強でした

淑女

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第一章・夢はゲームで叶えよう花梨と芽衣と小百合の冒険譚

*二十二・夕維のプライド完全敗北

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 小夜の乙女心は複雑で。

 シルフィは仲間を増やしたい。萌衣は同士だが、まだ防御が固い。それより今の状況なら、小夜をこちら側に引き込む方が楽だ。

「小夜ちゃん、変態だからって気にする事はないわよ。ショタ娘悪戯大作戦が好きなんでしょう。ショタ娘のエロエロが」

「ち、違う」

 シルフィは笑う。 

「本当に?」

 シルフィは笑顔のまま、夕維へ視線を移す。

「スカートの中は、ロマンだったわよね?」

「どこを見ている? 確かにロマンだがそれは対象が女の子の場合だ」

「いや。わたしはそうは思わないわ。対象が男の娘だからロマンがあると思うの」

「聞けエロフィ。そんな意味の分からない特殊な趣味をしているのはお前だけだ」

「それじゃ、訊いてみましょうか」
 シルフィは視線を移す。
「花梨ちゃん、夕維ちゃんのスカートの中に興味がある?」

「えっへへ。もちろんあるよ」

「何故だ。俺は男だぞ。というか何故、俺が夕維と呼ばれているのか意味が分からん。俺はドドだ」

 夕維へ、向けられている花梨の視線。瞳は何かをさとってるようだった。

「だって可愛いんだから、ドドなんて似合わないじゃん。それに夕維ちゃん、可愛いカッコいいに男女の差はないんだよ。んで夕維ちゃんは可愛い。めちゃ可愛い。スカートを中身を見たくなるのは当然じゃん。それにわたしのスカートをめくってるんだし……」

 夕維は思った。
 コイツは危ないヤツだ。あの意味の分からない不思議な指輪といい。危険人物だ。

「まあわたしは見たいだけで、見せてくれとは言わないからさ」

 シルフィは萌衣へ視線を移す。

「萌衣ちゃんの意見は」

「ボクは、夕維にスカートをめくられているんだ。ボクも同じ目に合わせてやりたい。だからボクは、めくる方に一票いれるよ」

 しかし本音は、男の娘で可愛いから見たいだった。 

 シルフィは小百合へ視線を移す。

「小百合ちゃんは?」

「わたしもめくられているんです。めくり返さないと気がすみません」

 しかし本音は萌衣と同じで、男の娘で可愛いから見たいだった。 

 シルフィはあきらに視線を移す。

「彰はどうかしら?」

「男のぱんつなんて俺は見たくない」

 シルフィは小夜に視線を移す。

「小夜ちゃんは?」

「わたしは…………花梨さんも小百合さんも、萌衣さんもめくられている。乙女の敵だ。自身も同じ目に合わせた方がいい」

 だけど本音は萌衣と同じで、男の娘で可愛いから見たいだった。

 シルフィはとっても素敵な笑みだ。

「ほとんどの人が見たいって、んじゃ」

 夕維は思わず後ずさる。

「や、めろやめろ」

 シルフィの身体が揺れたと思ったら、夕維はスカートをめくられていた。

 シルフィの目がさらに見開く。
「トランクスっ!」
 駄目。まったく駄目。

 シルフィは魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、風属性。風よ鎖となれ」
 詠唱する。
 夕維を拘束して浮かせ、トランクスをぎ取り女の子のようのお子様ぱんつに着替えさせた。

 夕維は涙を流して。気分は血の涙を流した気分だった。
 その後シルフィにスカートをめくられて。
 花梨・小百合・シルフィは、マホスマホで撮影していた。
 萌衣と小夜も本音を言ったら撮影したかったが、性癖がバレるのが嫌なのでしなかった。

 夕維は絶望のあまり膝を付いている。

 とっても萌える姿だった。

 だが、萌衣はポーカーフェイスを保っていた。恥ずかしいからだ。だけど一瞬でも気を抜いてしまったら、顔が緩みすぎてしまいそうなギリギリの闘いを制した。

 小夜は負けた。めちゃめちゃ顔が緩んでしまった。

 シルフィは、自身の性癖をバラして小夜をこちら側に引き込むタイミングは今だと思った。

「やっぱりアナタこういうの大好きなんでしょう。ショタ娘悪戯大作戦って大好きでしょう。この表情が証拠よ。秘密にしていたけど、実は、わたしもショタ娘悪戯大作戦大好きよ」

 と事実を突き付けられた。
 小夜の緩みきった表情は言い逃れは不可能だろう。
 小夜は膝を付いた。

「ごめん……なさい。わたしもショタ娘悪戯大作戦大好きです」

 シルフィはエロ仲間を得た。

「わたしのマホデン教えるわ。小夜ちゃん、今日からわたしとアナタはエロ仲間よ。これで今までよりずっと深い仲間になれると信じているわ」

「わたしもマホデン教える」

 シルフィと小夜はマホデンを交換した。

 萌衣も仲間に入りたかったが、恥ずかしさが邪魔をした。
 だけど、

「ボクらは、夕維ちゃんを預かる訳だ。もしもの時の為にボクのマホデンも二人に教えるから、二人もボクにマホデン教えてよ」

 シルフィは即答。
「分かったわ」
 小夜も即続いた。
「分かった」

 結果。
 成り行きで、花梨・小百合・萌衣・彰・小夜・シルフィ・夕維らは、全員のマホデンを交換した。 
 なんやかんで楽しい一時ひとときだった。 

 彰はマホスマホで時間を確認する。

「んで今日はどうする? もう夜も遅いが」

 小夜が提案する。

「萌衣ちゃん達が良いのなら、わたしらの家に泊まって貰えば良い。そういうこともしっかりしているゲームだから、予備の布団はある。部屋も男女で分けたらいい」

「だとさ。どうする?」

 萌衣は即答する。

「ボクは問題ないよ。ゲームも面白いし、ボクは泊まるよ」

 花梨も続く。

「わたしも問題ないから泊まる」

 小百合も続く。

「マイナスお兄ちゃんに連絡だけ入れといて、わたしも泊まりますね……」
 小百合はマホスマホを操作。
「………………あっ、もしもしマイナスお兄ちゃん。今日はちょっとゲーム内に泊まるね………………いやマイナスお兄ちゃんは、マイナスお兄ちゃんだよ…………でも事実だよね。んじゃ」

 ーー萌衣達と夕維は、小夜と彰の社宅へ。ファイナルドラゴンクエスト内の社宅に泊まることになった。
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