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Act 9. 歯車が狂いだす鳥

兄弟2※※

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 昇りつめれば、焦らされ、決定的な刺激を与えられないまま、ひたすらに弄ばれる。ベッドはいつのまにか自分の先走りで濡れ、タオルから手を外そうと足掻いた手首は擦れてズキズキと痛んだ。
 ネクタイで根元をキツく結ばれれば、行き場を無くした熱がぐちゅぐちゅに精神と思考を溶かして行くような気がした。

 最初はキツくて痛かった後ろも、伊吹の指を簡単に飲み込める程にまでなり、中も無遠慮に蹂躙される。

 イキたくてたまらない。
 ようやくイけると気を抜けば、それに気づいた伊吹はすぐに緩い刺激へと変える。

 その繰り返しで、頭がおかしくなりそうだった。

「奥、織の先走りでぐちゅぐちゅになってるけど」

「な、っ……てなっ……」

「イきたい?」

「んっ」

 聞かれて縋るような目で伊吹を見れば、薄く笑みを浮かべた伊吹に絶望へと落とされた。

「まだ駄目」

 後ろを弄っていた伊吹の指が抜かれる。

「……ぅっ……んっ……」

 しばらく弄られていたそこはひくひくと筋肉の収縮をしているのが自分でも分かる程だった。
 乱暴なことは何一つされてない。
 けれど、確実に自由を奪われ、いつまでたっても解放されない熱にじわじわと追いつめられて行く。

「奥、突いて欲しいんじゃない?」

 耳奥で囁かれて、背筋が震えた。

「織の奥、ひくひくしてる」

 確かめるようにもう一度無遠慮に入れられた指が、奥でノックするように動かされる。

「んっ……言うなっ……」

「先走りで中までぐちゅぐちゅになってきたよ?」

「っる、さい……」

「ほんと強情だね」

 時折伊吹の指が感じる場所に擦れるが、次の瞬間にはその手は無情にも何事も無かったかのように通り過ぎる。根元をキツく結んだネクタイは、先走りで水を含み更にキツくなり、熱に苛まれてもう何でも良くなってくる。

「どうして欲しいの? 言わないとずっとこのままだよ?」

 引導を渡されたかのように、その言葉は今の状況において途方もない言葉だった。

「………ぃ、れて」

 我慢出来ずに漏れた言葉に、どうしようもなく情けなくなって涙が出た。
 顔を隠していた腕をとられて、自分が泣いている顔を伊吹がジッと見ていた。

「何?」

「……っお願いだから……、いれてっ…くれ」

「何を?」

「っ……!」

 分からないはずがないのに。手が塞がっていてはどうにもならない。

 もう嫌だと思い膝で先端を刺激しようと動けば、許さないとでも言うようにそれを伊吹の身体が上から押さえつける。

「ほらっ、言って?」

「Put your dick on it !(お前のそれ入れろよっ!)」

「Let me hear your Japanese. (日本語で言って)」

「No way.(あり得ない)」

「Never ! Let me hear !(やだ、言って!)」

「っあああっ……」

 言葉と共にぐりぐりと前立線を刺激されて、目の前が真っ白になった。
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