未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢に転生したみたいだけど、これってフラグ回避方法分かんなくね?

文字の大きさ
上 下
63 / 130
第二章

乙女ゲーム

しおりを挟む




「××~!!聞いて聞いて~!新しく始めたこの乙ゲー、やっぱり期待通りの神作だったよー!」


あぁ、発売前からあんたが目をつけてたやつ?


「そうそう!で!やってみたら案の定もうプロローグからワクワクドキドキが止まらないの~!やっぱりあたしがハマる物って当たりしかないわね!」

はいはい、得意気にしないで~?うざいから~


「もう真面目に聞いてってば!それでね、早速解説書のキャラ紹介読んだんだけど、も~うやっばいやっばい!全員かっこよすぎて選べないの~!!」

なんだそのビッチ発言、引くわーマジ引くわー

「ちょっ、痛い、痛いよ××!視線が痛すぎる!あたしのか弱い乙女ハートにグサグサ刺さってる!」

刺してんだから当たり前だろ?

「相変わらず××は意地悪だな~!本当に全員めちゃくちゃいいキャラしてるんだから!」

あっ、これまた語り出すパターンだな

「まず初めに安定の王子様キャラ!ブロンドの髪に緑色の瞳に泣きぼくろ!見た目ただの天使だし溺愛属性にいるらしくてヒロインとの物語が一番甘いのがその子のルートなんだって!やっぱり王道は王道に素晴らしいよね!!なんかヒロインのライバルの悪役令嬢の婚約者っぽいけど、逆にその設定の方が真実の愛を手に入れた時の感動はやばいと思うの!」


一人目でこの熱さかよ…あとこれを何人分聞けばいいんだ?


「次の子もその悪役令嬢と関わりがあるんだけど、その女の義理の弟らしいの。でも、姉弟仲はちっちゃい時から悪いんだって。まっ、その悪役との関係はどうでもいっか!とにかく!その子もかなりいい味出してて!まず見た目が白髪の赤眼でそのゲームの世界では珍しい容姿をしてるの、だから小さい時に色々あったらしくて、随分と捻くれちゃって物凄い毒舌キャラの子なんだって。でも長年乙ゲーをプレイしてるあたしには分かる!あれは一度懐けばとことんデレてくるタイプね!それに見た目もかわいいからあれはぜったいあざとかわいいを狙ってるキャラよ!!」


あんたはさっきからどこに向かって熱弁してんの?


「次はどこの乙ゲーにも必ず一人はいる女好き女遊びが激しいお色気キャラ!の癖に女のことは全く信用してない女の敵!所謂クズ!でもあたし的にはこの子が一番気になってるんだ~!ゆる~く結ばれた男にしては長い髪にチラッと見える胸元がもうエロイのなんのって!!あと目がオッドアイでね?…なーんかそれについての説明が意味深に感じたんだけど、まあそれはプレイしてからのお楽しみだよね!あー!!早くやりたいー!!」


足をバタつかせるな体をクネクネさせるなお前はタコか!


「最後はついに来た年上キャラ!やっぱり学園モノと言えば先生との禁断の愛だよ~!王子キャラの子も確か一歳年上だった記憶があるけど、や~っぱ20代には勝てないよねー!大人の落ち着きも兼ね備えつつ色気もあるし!それにね?その先生ありえないくらい美しいの!超美人!綺麗過ぎて度肝抜くくらい!!綺麗な銀髪と相まって神々しすぎてキャラ絵見たとき思わず拝んじゃった…!性格も優しくてね?時々意地悪になる時もあるらしいんだけどそれがまたいいっていうか?笑顔で罵って欲しいっていうか??」


前々から思っていたが、この友人、もしかしなくてもかなりの変態属性では……まあとりあえずMであることは確実だな、うん


「ね?ね?めちゃくちゃ面白そうでしょ!?超気になるでしょ!?××もやりたくなってきたでしょ!!?ていうか一緒にやろうよ~ねえねえねえ!!」

うっるさい!しつこい!!そんなに言われると逆にやりたくなくなってくるー!

「んもう~、××のいけず~!しょうがない!これはあたしが全クリしてよりこのゲームの魅力を知ってから存分に語って聞かせることにするよ!」

はいはい

「あっ、それでも毎回プレイした感想は聞いてもらうからね?これ強制!拒否権なし!ていうか拒否ったら泣くから!泣き喚くからね!?」

わあーったって!!お前に泣き喚かれても大変なのは私だもん

仕方ないから聞いてあげるよ!


「ふふ、やっぱり××と話すのが一番楽しい!」


……ふっ、そうだな
私も









「……お前と話してるのが一番楽しいよ………」





自分自身の呟きによって


私の意識は浮上した






しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

このやってられない世界で

みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。 悪役令嬢・キーラになったらしいけど、 そのフラグは初っ端に折れてしまった。 主人公のヒロインをそっちのけの、 よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、 王子様に捕まってしまったキーラは 楽しく生き残ることができるのか。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

愚かな者たちは国を滅ぼす【完結】

春の小径
ファンタジー
婚約破棄から始まる国の崩壊 『知らなかったから許される』なんて思わないでください。 それ自体、罪ですよ。 ⭐︎他社でも公開します

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

悪役令嬢エリザベート物語

kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ 公爵令嬢である。 前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。 ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。 父はアフレイド・ノイズ公爵。 ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。 魔法騎士団の総団長でもある。 母はマーガレット。 隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。 兄の名前はリアム。  前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。 そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。 王太子と婚約なんてするものか。 国外追放になどなるものか。 乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。 私は人生をあきらめない。 エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。 ⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

処理中です...