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第二章
油断大敵
しおりを挟む「…え」
零れた声と被さるように
ガッ!!
「ぁぐっ!!」
男の拳はシェリーの顔に振り下ろされ鈍い音を立てた
呆然としているうちにも男の手は止まらない
「がはっ!!」
やめて
「ぎゃははははは!!オラっ!オラっ!!」
やめて
シェリーに何してんの
何かしたら許さないって言ったじゃん
なんで…なんでシェリーを傷つけてるの…
そんなに殴ったらシェリーが死んじゃうじゃん……!!
…………止めなきゃ
止めなきゃ止めなきゃ止めなきゃ止めなきゃ!!!
でもどうやって?私みたいなガキに何が出来る?
男は見たところ多分20代後半、もしくは30代前半だ
そんな成人男性に8歳の私に何が出来る?
小柄な方じゃないってことは知ってる
でも平均的な8歳女子の身体をしてる私にはもちろん怪力とかそういった便利な力が備わっているはずもない
じゃあこのまま殴られてるシェリーをずっと見てろって?
……そんなの出来るはずない
ガタガタ震えそうな歯を食いしばって男を睨みつける
嫌でも目に入る暴行、そして顔から血を流してるシェリー
幸か不幸かそいつは今シェリーを殴ることに夢中でこっちに一切注意を向けてない
一応後ろにいるキュアラちゃんの様子を確認すればどうやらまだ薬が効いてるのか眠ったままだ
ごめんね、少しだけ離れるけど…絶対にキュアラちゃんのことは守るから
心の中で伝えてから私は気付かれないよう慎重に体勢を整えた
見据えた先にはシェリーの上に跨って尚も拳を振り続けている男と綺麗な顔を血だらけにさせて痛みに耐えるシェリー
待っててシェリー
今助けるから…!!
そうして、私は音を一切立てないよう気をつけながら前傾姿勢で走り出した
後先のことなんか考えていられない
ここで私が何もしなければこの男は本当にシェリーのことを殺すかもしれない
そしてその後は私とキュアラちゃん
そんなこと許されるはずがない
だから、どんなに危険な賭けでも私は迷わない、迷っちゃいけない
バカで間抜けでドクズな誘拐犯
なんの意図があったのか知らないし知りたくもないけど
私の足を縛らなかったことを後悔するんだな!!
そう心の中で怒鳴った次の瞬間
「っ!!」
「ぐおっ!!」
私の全体重をかけた体当たりは見事に男を吹っ飛ばすことが出来た
漫画とかでよく声を出しながら攻撃するけど
今そんなことやったら体当たりの前に気付かれてジ・エンドだ
だから私は一言も発さずに男の不意をついた
これでシェリーはこれ以上殴られずに済むけどまだ油断はしない
全体重をかけたとはいえ不意をついたからこそ男も吹っ飛んだんだ、じゃなきゃ軽くあしらわれるのがオチ
だから
続けて攻撃し続けなきゃ…!
吹っ飛ばされたもののすぐに上半身をあげてこっちを睨む男に再度勢いをつけて走り寄る
手が縛られてさえいなかったらもっと上手く出来てたのに!
とは言っても、今更文句を言ったってしょうがない
今はとりあえず…
「私の石頭を舐めんなああああああああ!!!!」
「がっっ!!」
ゴンっ!!と大きな鈍い音を響かせながら私の頭は男の顎を捉えた
ついでに続けて喉目掛けて頭突きも食らわす
最初の一発目に比べれば勢いは落ちたものの顎の一発はかなり効いたと思う
その証拠に男はそのまま頭から倒れて痛みに顔を歪めている
よし、まずまずだな…!
エドさんから前に人間の急所を聞いといて良かった…まさか実践する時が来るとは思わなかったけど
顎に直接頭突きをしたから今頃軽度の脳震盪になっているはず、念の為喉の方にも一発やっといたから暫くは痛いだろ
だから今のうちに!
「シェリー!!」
「っ…セ、セツィーリア様…あなた、なんて…無茶を…!」
「仕方ないでしょ!?それに成功したんだからいいじゃない!」
「そう…い、う問題じゃ…」
「もういいから早く私の縄を解いて!それで3人でここから逃げるわよ!」
「……キュアラを連れてセツィーリア様たちだけで」
「それ以上言ったらその傷だらけの酷い顔に塩撒いてやる」
「………」
8割方本気で言えばシェリーも察したのか無言で「縄はよ解かんかいゴラァ」と訴える私から目を逸らし顔についてる血を雑に拭い縄を解きにかかった
顔を下に向けて縄を解くのに専念してくれてるシェリーを横から見る
口の端や額が所々切れて血が出てるし頰っぺも真っ赤になって腫れている
あぁ……私がもっと早くに行動してれば……ううん、そもそも誘拐さえされなけれぱ、私がちゃんとキュアラちゃんを守れていたらシェリーだってこんな酷い目に……
「そんなに握りこんだら手に傷がつきますよ」
「…あ…」
無意識の内に拳を握りしめていた私の手に優しく触れるシェリー
一本一本指を解かれて、見れば確かに強く握り締めすぎて掌には爪の跡が残っていた
その跡を何故かなぞるように撫でるシェリー
ちょっ
「…く、くすぐったいんだけど」
「跡、残っちゃってますね」
「この程度ならすぐ消えるわ」
「………もう、危ないことしないで下さい……あなたを心配してくれる方々がこんなことを知ったらどんな気持ちになるか、あなたなら分かるはずでしょ?!」
怒っているようにも、悲しんでいるようにも見えるシェリーに手を包まれる
分かるよ、分かるに決まってんじゃん、私そこまでバカじゃない
でもさ
「その言葉、そっくりそのままシェリーに返す」
お前にだけは言われたくないかな??んー??
「もう一度、自分のその言葉を言ってみて?それで今度は私じゃなくて自分を当てはめてみろ」
「…私は別に」
「自分には関係ないみたいな顔しないでくれる?もっと殴られたいわけ?私に」
「…………」
「復讐したい気持ちも分かる、あの男が憎くてしょうがないのも仕方ないと思う。でも、それでシェリーがあいつを殺したら、シェリーはあいつと同じことをしてるって事になるんだよ?」
シェリーの顔が強張ったのが分かった
そして私の手を握る力が強くなったことも
言われなくてもシェリーは分かってたんだね…分かってて、それでも止められなかったんだね…
「私ね、さっきシェリーが現れた時、怖いって思ったの」
「………すいま」
「シェリーが怖いんじゃなくて、あんな奴のせいでシェリーが手を汚すかもしれないということに恐怖を抱いたの」
「…セツィーリア様」
シェリーの手から抜け出して今度は私がその手を包む
「あいつはシェリーの幸せを奪いに来たのでしょ?それで今シェリーがあいつを殺したりなんかしたら正に奴の思うツボ、それってなんかすっごいムカつかない?」
「ムカつくって…」
「ああいう奴は自分の思い通りに行かない事態を一番嫌うタイプよ!だから、法で裁くのが奴にとって一番の復讐兼嫌がらせだと思わない?」
至って真面目に言ったつもりなのにシェリーは私の顔を数秒凝視してから小さく吹き出した
おい、人の顔見て吹き出すとか失礼極まりないぞ!
普段ならこう言ってデコピンの2発も3発も喰らわしてるとこだけど、今はむしろこうして笑えるくらいにはいつものシェリーに戻ってきてる事に嬉しさを感じた
まあ、こっちは本当に真面目に言ってんのに笑われたのはちょっと、本当にちょびっとだけカチンっと来たけどね
「もう!こっちは真面目に言ってるんだけど?」
「はは、はい…ふふ、すいません、ちょっとおかしくって…セツィーリア様の先生は私のはずなのに、私の方がたくさんの事を教えてもらってるって考えたら…ふふ」
手の甲で口を抑えて笑いを堪えようとしてるシェリー
そんな顔見ちゃったら少ししかなかった毒気も抜かれちゃったよ
「シェリーは頭いい癖にバカだよね」
「私をバカと言うのはセツィーリア様くらいですよ」
「そんなおバカさんにこれからも色々なことを教え教えられるためにも!…3人で帰るわよ、私達のホームに!」
「なぁに帰れると思ってんだよクソガキャア!!」
頭上から野太い声が聞こえたと思ったら私はシェリーに抱き寄せられ二人して地面を転がった
慌てて起き上がれば目の前にはナイフを持った男
チィッ!もう意識が戻ったのか!
しかもあのナイフ…シェリーが蹴り飛ばされた時に落ちたのを拾ったのか…!
ていうか…
「完璧に目がイッちゃってんなぁあれ」
「セツィーリア様に一泡吹かされてプライドがズタズタになったからでしょうね」
「私的にはまだやり足りないんだけどね」
「あなたはどうしてそんなにも勇ましいんですか?」
私を後ろに庇いながらシェリーは男から目を離さない
今こうして軽口を叩けるのが不思議なくらいだ
人間ってやばすぎる時逆に余裕が出来るんだね、一つ勉強になったよハハ…
「何ごちゃごちゃ言ってんだよおい!!!……そこのクソガキ…シェイルスの前にまずてめえを片付けてやるから出てこい!!!」
「…セツィーリア様……絶対に私の後ろから出ないでくださいね?」
え?と聞き返す前に
「この子に手は出させない…!」
シェリーは男に向かって飛び出した
「シェリー!!」
無謀すぎる!!相手は凶器を持ってるのに向かって行っちゃうなんて危ないにも程がある!!
やっぱりシェリーは相討ちになってでもあの男を殺すつもりなの?!
その考えが嫌でも過ぎった時
「…え?」
一瞬で決着がついた
向かって行ったシェリーを男がナイフで突き刺そうとしたその瞬間、シェリーはその手をギリギリでかわして瞬時に男の懐に入って鳩尾に1発拳を入れた
シェリーより全然でかい体が前のめりになって崩れ落ちる
シェリーはと言えば一丁上がり!と言わんばかりに軽く手を叩いてる
いやいやいや
え?
「セツィーリア様、さっ、今のうちにここから出ましょう」
男が落としたナイフを遠くに蹴り飛ばすのを忘れずに、いつものにこやかな笑顔を浮かべながらこっちに歩み寄るシェリー
呆然としながら差し出された手を握って立ち上がるも驚きが褪せることはなかった
「え、めちゃくちゃ強いじゃん」
「そうですか?エドナルクさんに稽古をつけてもらった甲斐がありました」
「…心配して損した……ていうか!そんなに強いならなんであんなにボッコボコに殴られてたの!反撃できたでしょ!?」
「あはは、あの時は流石に無理でしたよ?馬乗りにされてたし。だから気が済むまで殴らせて油断した時にやり返そうと思ってたんです」
てことは何か?私の決死のタックルは全然必要なかったって!?
「でも、セツィーリア様が来てくれた時は助かりましたよ?思った以上に強く殴られたので少しだけ意識飛びそうだったんです」
心を読んだのか絶妙なタイミングでフォローを入れるシェリー
うううむ、し、仕方ないな
そんな風に言うならまあ、許してやらんこともない…かな
「私はキュアラを抱えて行きますのでセツィーリア様は先に外に出てください」
「うん、分かった」
でも、その前に
「おお、見事に気絶してる……ざまあみろこの野郎!!次にあんたが目を覚ました時はそこは地獄よ!!」
倒れてる男に近づき起きないのをいいことにゲシゲシと脇腹を蹴る
さっきから気を張ってばっかだったから私は完全にいい気になってた
だから忘れてたんだ
今日の私はフラグが立ちまくってるってことに
「セツィーリア様!!!」
シェリーの叫びが耳に届いた時、私の視界は反転した
「うっ!」
思いっきり背中を打って息が詰まる
そして気づいたら私は男に足を掴まれて倒されていた
目の端でこっちに走ってくるシェリーが見える
「てめえも道連れにしてやるよ!!」
そして目の前にはサバイバルナイフを振りかざしながら顔を歪ませる男
おいおい、ここで顔を歪ませるのは私でしょうよ
あっ、あれか、シェリーにやられた1発がまだ痛いんだな?ならさあ、わざわざ無理して起き上がらなくても良くない?そのまま大人しく捕まるまで寝んねしてて欲しかったんですけどー??
ていうか懐にサバイバルナイフ隠してたとか反則じゃない?今のはもう完璧に私達の完全勝利で幕を閉めるはずだったろ?空気読めやクズ野郎!!
迫ってくるナイフがスローモーションに見える
シェリーが私の名前を叫んでるのが聞こえる
大丈夫だよ、今私びっくりするくらい冷静だから
ただ、あれかな
冷静すぎて
あっ、これ死んだわ
って達観しちゃったよ
あーあ、10代で死ぬ覚悟もまだ出来てないのにまさか10歳になる前に死ぬとは流石に思わないでしょ
セツィーリアの死亡フラグ強すぎだって
今ここで死ぬって分かってたらもっと色んな事したのにな~
私もクロスとお菓子作りしたかったし、ユーリとももっと姉弟喧嘩という名のじゃれつきをしたかったよ
お母様とお父様にもっと沢山甘えれば良かったとも思うし
エドさんにもっとちゃんと護身術習っとけばよかったって後悔してる
ミリアーナさんとはまた街に行きたいし
キュアラちゃんとシェリーともこれからもっと遊びたかったなぁ
そう言えば、あの子…ソフィはどうしてるかな?ダメだな~、また会うって約束したのに、その約束果たせそうにないよ
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ていうか、こんなにやりたいことあるのに私このまま死んだら成仏出来ないんじゃない?
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はは、そしたらそれはそれで皆の成長を見守っていこうかな~
「死ねええええええぇぇぇ!!!!」
はいはい、ここまで来て助かるなんて思ってないよ
もう一思いに
「取り押さえろ!!!」
「え?」
一思いにやってくれと思った時だった
シェリーでも男の声でもなく、聞き覚えのない、野太いけれどなぜか頼もしいと感じる声が聞こえた
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