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第一章
ガチ子か
しおりを挟む「待ってって言ってんでしょーが!!!」
ガバッ!と起き上がって叫ぶ
そして数秒後、そう叫んだ自分に驚いて目を見開いた
見渡してもそこは電気の消されたいつもの自分の部屋
ただ暗闇でも少しだけいつもより見えているのは先程からゴロゴロと鳴っている雷が原因のようだ
部屋の無駄にデカい窓に目を向ける
激しく窓ガラスに叩きつけられている雨に、遠くの方で不規則に光る閃光とその直後に轟く雷音
しばらく窓を見つめていたけど、ふとそれを止め、改めてベットの中に入った
目に入るのは天井ではなくゴージャスな天蓋
無駄に寝返りをうって、逆に居心地が悪くなりそうなくらいフカフカで居心地のいいベット
身に纏っているのは肌触りが良すぎる高級寝巻き
ペタペタと自分の顔を触ったり体を触ったり髪を撫でたり
最終的には結局いても立ってもいられず部屋にあった大きい姿見の前まで走っていった
少しつり上がった猫目にラベンダー色の瞳
肩につかないくらいの藍色の髪で少々天パのせいで今もうねっているのが現実
白い肌に健康的な頬の赤み、小さな唇がかわいいよねなんつって
まあ、そこにいたのは当然ながらいつもの私
そう
眠りにつく数時間前まで「ふふっ、今日の私も最高にキュートでかわいらしかったわ」などと一人で頭の悪い自画自賛をしていた私に違いないのだ
のだが!!!
鏡を見ながら自分の頰っぺを抓った
痛い
さらに頰っぺを伸ばした
地味に痛い
おまけに究極なる変顔もした
意外にブサカワだった
当然だけど鏡の中での私とリアルな私の行動は一致した
とぼとぼとベットへ戻り再び天蓋を見つめた
「……ガチ子かー」
ふと零れた
「ふふっ、あはは」
そして小さな笑いも零れた
「マジかー、ウケるー、はは」
左側に寝返りをうって
「いやいや、これはマジびっくらこいたって~」
右側に寝返りをうって
「ふふうなう??なはなふね??はひへんひ~(普通なる?ならなくね??ありえんてぃ~)」
うつ伏せになって枕に顔を埋めて
そして埋めたまま五秒後
「転生フラグとか聞いてねええええええええええええ!!!!」
今日一の叫びをし上げてから私は枕に顔を叩きつけて気絶した
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