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第4話 告白
しおりを挟む部室から出た私は伊藤君に話しかける
「ここで笑いを取ろうと思いよんやったら、私はあんたにハゲの呪いばかけてやる!!」
「笑笑!ごめんごめん笑ってしまって吉井さん、でも今日の事は本当にごめん!」
「イヤイヤ私は笑いを取ろうとは全然思ってなかったんやけど、どしたん、素直やん!」
「いやマジであの時、血の気が引いたんやけんね」
「みんなは爆笑してましたけどね」
「いや、だってあれは人のなせる動きや、なかったけんね」
「なんよ、私はすでに人間やないん言うんかい⁉︎」
「違う違う、でも良かった」
「なんが?」
「元気やったけんが」
「あぁ、なんか大丈夫やったね」
「それはそうと、何でいきなり俺が笑いを取ろうと思ったん?」
「だって、絶対……ナイスヘディングやったねとか言いそうやったもん」
「それは思ったけど、本当に謝りたかったからここで待ってたんよ」
「ほら、思ってたやん」
「笑笑、ごめんごめん!もう笑わんけん、で、本当に大丈夫?」
「うん」
「じゃあ、せめて俺に駅まで送らせて」
「でも伊藤君の家とは逆方向やん」
「いいの、いいの!俺チャリやし!」
それから私は伊藤君に送ってもらう事になったので一緒駅に向かってると、伊藤君が少しだけお喋りしていこうと言うので、別にいっかと思い近くにある大きな御神木のある神社に寄り道して、その御神木がある前の石の上に座り2人で話し始める
しばらくたわいもない会話を続け、ちょっと間が生じた時に伊藤君が私の眼を見つめ
「吉井さん!」
「んっ⁉︎何」
「俺と付き合ってくれる?」
「・・・・・・・」
何故、急にそんな展開になるんだと内心ドギマギしながら胸の鼓動が速くなるのを感じる
いやあ、頭にボールが直撃した影響が今頃になって出てきているんじゃなかろうかと思う位に顔が熱い
「何で私ぃ?」
「実は1年前に吉井さんばアイツらから紹介してもらってから気になりだしたってのがキッカケ」
「あぁ、マユと奥田君が仕組んだやつね」
「そう」
「でもあの時、私達紹介されてから何も進展なかったよね」
「そうなんよね、でもアレがきっかけで吉井さんの事が凄い気になりだしたんよ」
そんな事を言われて余計、私の体がぽかぽかしてきた
こりゃいかん、ボール直撃の影響がぁー
「何度も吉井さんに話しかけたかったんやけど、吉井さん、ほら、女クラやん、めちゃくちゃ壁が高くて勇気がでらんやった」
どう言うこっちゃいと思いながらも、ふと思い出した事があり伊藤君に聞いてみた
「ふーん、女クラの壁は高いのにテニス部とサッカー部との境界線である、あの高いフェンスはいつも超えてくるんだ」
どやっ、確信に迫る謎行動についての答えがこれで解明されるぞ
「・・・・・・・・」
ほらほらほらほら、やっこさん考え込んでまっせ
「吉井さん」
「んっ?」
「笑わん?」
「んんん、努力してみるよ」
ん?笑える事なのかと私の頭の中にハテナが浮かび上がってくる
「実は吉井さんにちょっとでも気にかけてもらおうと、いつもしてた」
なんやねん、子供か!
馬鹿らしく思えたが、それとまた別に可愛らしくも思えてしまった
そんな伊藤君の思いに応えれるか分からなかったが私も遊園地で一緒に遊んでみて、伊藤君の人間性を知る事も出来たのでとりあえず、友達以上恋人未満からのスタートと言う事でオッケーすると、それでも全然いいよと言われた
その時のめちゃくちゃ嬉しそうな表情をした伊藤君を見た私もなんだか嬉しかった
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