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第23話 夢再び
しおりを挟む事故後、私達はT総合病院に運ばれ私はすぐに緊急手術となり片足を切断され、意識が回復しないままずっと病室で寝たきりの状態になっていた
ひろちゃんの方は私を守る様に庇っていたが、腰から下が運転席がトラックにぶつかった影響でもろともグチャグチャに挟まれていて、レスキュー隊の人達が一生懸命頑張って救出してくれていたがあまりにも酷い惨状で時間がかかり過ぎて結局は出血性ショック死で死亡が確認された
仮に早く助けられたとしてもあの下半身がグチャグチャの状態からまともに助かるとも思えなかった
これは私のエゴかもしれないが、どんな状態であっても生きていてくれれば、それだけでよかった
私は寝たきりで意識もなく植物状態なのだが、何故だか周りの声だけは聴こえている
でも眼覚める事が出来ない
そんな状態である私はずっと、ずっと、ずっと……
夢を観ている
でも本当にそれが夢なのかが、私には分からない
夢だと思ってる方が夢なのか
はたまたそれこそが夢なのかもしれない
そして事故に遭ったのも夢なのかもしれない
でも、はっきりしているのは私達2人は確かに愛し合っている
それは紛れもない事実!!
ああぁぁーーー
ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん、ひろちゃん……
会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい……
ピーピーピー
ピーピーピー
ピーピーピー
血圧、心拍ともに上昇、脳波に異常あり!!
周りにあるモニターと、計器から警告音が煩く鳴り響く!
「師長!!計器に反応があります!」
「先生が待機しているから、すぐに呼んで来て!」
「はい、分かりました」
病室のベッドで寝ていた私は鳴り止まない警告音の鳴り響く中、ようやく眼を覚ます
しかし、此処が何処なのか夢か現実かも分からない
ただひたすら愛している、ひろちゃんと一緒にいたい
その朧げな瞳から涙が溢れおち、朦朧とする視界の中で左手を天井に掲げ薬指についている指輪を眺めた直後、何かに微笑みかけ必死に腕を伸ばし何かを掴もうとする
天井に設置する照明の明かりが点いたり消えたりしたかと思った、その瞬間、私の身体はまばゆい光りに包み込まれる
直後、あらゆる計器の警告音が鳴り止み、静寂に包まれる
気がついた私はカフェでひろちゃんとコーヒーを飲んでいた
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