儚き願い

I&Rin

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第18話 不安

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 不動産屋から連絡があった翌週の金曜日の夕方の今日、私達は仕事が終わってから物件の件で内容を伺いに行く前に、いつものカフェでひろちゃんと待ち合わせていた

 最近ずっと頻繁に起こるフラッシュバックが凄く気になっていた


 いつもはこのカフェでひろちゃんを待っている時にしか起きなかった瞬間的な記憶の映像!

 そしていつも、その時に観た断片的な映像がひろちゃんと会っている時に必ず現実で起きている事だった

 今までに観てきた映像は、私自身の願望でそうしたいと願う妄想が実現させてるとしか思ってなく、全く深く考えていなかった

 しかし今回、今いるカフェ以外の場所で観てしまった事と、今までに観た映像とは明らかに違かった事で私自身ご不安になっていた


 先週ひろちゃんと式場で打ち合わせを行っていた時に、不動産屋からの連絡があった後、この1週間の間で3回も寝ている時に夢を観てしまった

 夢くらい誰でも観るだろうが、私が観た夢と言うのが3回とも同じ様な内容の、夢だった

 1回目に観た時は

 「うわぁー!嫌な夢観たよ!」

 2回目に観た時は

 「あれっ⁉︎今観た夢は一昨日前に観た様な気がするぞ!!うわぁー最悪」

 3回目の昨日、観た時は

 「・・・・・・・・絶句」

  朝起きて声が出なく、胸が締め付けられ涙が溢れ出ていた

 そしてすぐに携帯を手に取り、ひろちゃんに電話する

 『おはよう、ひろちゃん!!大丈夫?』

 「おはよう、美里!どしたん?」

 『大丈夫だよね?』

 「ん?大丈夫やけど、美里は大丈夫?」

 『うん、私は全然、大丈夫だよ・・・グスン・・・・グスン・・・良かったぁー・・・グスン』

 「どうした、美里?何かあった?」

 
 『早く会いたいよぉ』


 「美里!!俺も会いたい!!」

 『うん』

 「今日、仕事が終わったら、速攻でいつものとこにすぐ行くね!!」


 『うん、ごめんね、ひろちゃん』

 「大丈夫!美里!愛してる」

 すごく、すごく、すごく安心する事が出来た

 『うん、待ってる!私も愛してるよ!ひーろちゃん!!』

 
 私が何故そんなにも安心したのか……

 何気なくたまに観る嫌な夢であれば翌日の朝にはほとんど忘れてるんだけど、今回みたいに1日おきに3回も似た内容の夢を観た事なんて今までに1度もなかった

 
 3回も観た夢の内容があまりにもショッキング過ぎて、じわりじわりと私の記憶に刻み込まれた感じがしてならなかった

 それが私に対する警告なのか、それとも何かの予兆なのか私の高まる不安は拭い取る事が出来なかったがひろちゃんの声を聞けた事で安心する事が出来た
 
 

 
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