儚き願い

I&Rin

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第17話 伊藤夫妻

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 ここ最近はずっと休みになると、私達の将来の愛の巣の件で何処に住もうかを2人で考えていた

 賃貸アパートにするか、メゾットタイプにするか

 家賃は安い方がいいが、立地条件も関係するので地域の利便性であったり、交通の便利性などあれこれ考えながら不動産屋に足を運び私達の条件に合う物件を探してもらっている

 良さげな物件があると、不動産屋の人と一緒にその家を見学しに行っていた

 結婚式場もすでに押さえ、式の日程を10月7日の日曜日に合わせて、打ち合わせも始めている


 親族、友人と招待する人選や曲選びに衣装合わせ


 ひろちゃんは特にみんなに食べてもらう食事に関してだけは凄くこだわっていた!

 多少値段が高くなっても、やはり祝いに来てくれる人達には美味しい料理を食べて貰いたいらしく、そこだけは絶対に譲れないと言って式場の支配人から厨房のシェフの人達と打ち合わせをしていた


 式場のスタッフの人達もひろちゃんがあまりにもこだわるから、料理関係の仕事でもしていると人と勘違されていた程だった

 そして同時進行で私達の入場局やケーキ入刀、お色直し、キャンドルに火を灯す場面であったりと様々なタイミングでかける曲の選曲からも音響の担当者と打ち合わせをしていたので、そこでも何か音楽関連の仕事をされている人だと思われていたらしい

 私達にとって、一生に1回だけのイベントなので2人が納得する結婚式にしたい想いは強かった


 こうして2人の休日はずっと有意義な時間とともに流れていき、結婚式まであと半年と残すところまで来た


 何もかもが順調に進んでおり、招待状リストの作成も終わっていたので実際に招待状を送るのも3ヶ月後くらいに一斉に出す手筈になっていた

 この時点で結婚式に関して、私達のやるべき打ち合わせは、ほぼほぼ終わっていた


 あとはひろちゃんがずっと打ち合わせている、こだわりの食事で出す最後のデザートと曲の選定……そしてその曲をかける順番だけが残っていた

 
 こうやって打ち合わせを進めて来たが、日増しに私はひろちゃんと結婚してずっとずっと一緒にいる事が出来る喜びの感情に溢れて幸福感でいっぱいだった


 あとは私達の愛の巣を早く探して契約しておきたかった


 場所的にはひろちゃんの会社を起点に車で15分から30分圏内であれば、いいかな思ってその辺りの場所に決めていた

 ただそれに該当する良さげな物件がまだ見つからなかった

 そんな時、不動産屋からひろちゃんに連絡が入る

 「伊藤様夫妻の要望に近い物件が出て来ましたので紹介したいのですが」


 と言う連絡が来た

 んふっ!!伊藤様夫妻だって!!

 なんかむずがゆいが、自然と笑顔になっていた

 
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