儚き願い

I&Rin

文字の大きさ
上 下
30 / 35

第30話 私のナイト

しおりを挟む
 


 私達のテーブルに注文していた珈琲が運ばれて来たので、ひろちゃんに先程の事を話し始める


 『ひろちゃん!』

 「んっ?どした」

 『さっき、久しぶりにフラッシュバックが起きた!!』

 「えっ!!夢でなく、断片的なやつ?」

 『うん!』

 「それって事故?」

 『ううん!違う!事故とかではなかった!』

 「そっか」

 『ただはっきりしないのが逆に不安になるんよね』

 「覚えてる範囲で教えて」

 『うん、今いるようなお店だと思うんだけど店内でひろちゃんと向かい合って何か会話をしていた風だった』

 「食事?」

 『そこまでは分からなかったけど、多分夜じゃないかな⁉︎時計が10時過ぎ位に観えた』

 「何か起きるかどうかも分からんけど、念の為に気をつけて行動せないかんね」

 『うん』

 「細心の注意をしよう!!」

 『ひろちゃん』

 「んっ?」

 『ありがとっ!!だーい好き』

 「当たり前やろ!美里に何かあったら俺は自分を恨むぞ!!」

 『ひろちゃんはずっと私のナイトだよ!』

 「そんなん言ったら美里は俺の妻だよ!」

 『なーん、そのまんまやーん』

 「実際にはまだやけど、俺の中では美里は永遠に俺だけの妻やけんね」

 『あ・り・が・とっ!ひーろちゃん』

 笑笑

 『そうそう、それとね来週の金曜日は会社の親睦会があるから、それに参加せないかんようになったんよぉ』

 「飲み会かぁ、何処であるの?」

 『花蓮って言う豚しゃぶのお店』

 「すぐそこじゃん!」

 『だね』

 「その後の二次会はあるの?」

 『んー、あっても行かない』

 「じゃあ終わる時間に合わせて待ってるから、それからでも会おうか⁉︎」

 『うんっ!!やったぁ!』


 それから私達は店を出ていつも通りDVDを返却してから、また面白そうなのを数枚借りて、その後スーパーに立ち寄りいろいろ買い出しをしてからひろちゃん家に向かう

 この日は心配していた事も起こらず、その次の日も2人で汗を流しにトレーニングジムがある施設に行ったりテニスコートを借りて、テニスしたりとスポーツを満喫していた

 日曜日の夜も気をつけていたので特に10時位の時間になると、私が観た記憶の場所になりそうな所にも行かなかった

 過敏に反応していたかも知れないが、その時間帯になりそうなら家から出なかった


 こうして無事に私は自分の家に帰り着いた事で、
ホッと安心している自分がいた

 これも、何もかもひろちゃんが親身になってくれていたので、そんなひろちゃんから一生離れたくない想いが次から次へと溢れ出てくる

 そんな身近な幸せを噛み締め、今日もひろちゃんの事を思いながら、そのまま眠りに就いた
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

好きな人がいるならちゃんと言ってよ

しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...