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死の大陸編 青年期
第197話. 逆ギレ
しおりを挟む赤影は影のようで液体みたいな流動体で、斬っても斬れない性質なのだろう
しかし、魔族の身体は簡単に斬れたのを考えると、さっさと本体を先に片付けてしまおうかと悩んでしまう
先程から魔族の斬り口が塞がっておらず、今もまだ修復中なので本当に、この魔族がマスタードラゴンやダークドラゴンを倒したのか疑問にさえ思えてくる
能力だけなら魔族本体よりも赤影の方が全然強いんじゃないかと思い、赤影に対して攻撃を仕掛けてみる
「灼熱刃!!」
剣に灼熱の炎を纏わせた剣技を影に向けて横一線に放つと、鎧姿の影が揺らぎ実体が無いかの如く、灼熱の刃は赤影を溶かしながらも突き抜けて行った!
「ウギャャーー!!」
この赤影君も馬鹿なのか
赤影が僕の攻撃に対して防御するなり、弾くなりしていれば、後ろで身体を修復している魔族に被害は出なかったのに、どうやらこの赤影君との意思疎通が図れてないようだ
災難な事に赤影を突き抜けてしまった灼熱の刃は、奥にいる修復中の魔族を両断してしまった!
これで更に回復する箇所と時間が増えたようだ
せっかく左右の縦半身がくっついていたのに、今度はお腹付近を横一文字に両断されたことで上半身と下半身にズレが生じてしまった
しかし良く観るとなんかいろんな意味でちょいちょいズレているが、魔族は必死に上半身が落ちないよう押さえている
すると、赤影君の主人である魔族がこうなってしまったのは、僕のせいだと言わんかばかりに、逆ギレした赤影が怒り狂って斧を振り回しながら僕に突進してきた
巨大な斧を豪快に回しながら、上から僕に叩きつける攻撃を何度も繰り返し行うが、あまりにも単純すぎて余裕で躱すが、赤影の繰り出す攻撃は一撃一撃が重たく地面や壁が次々と破壊されていく
赤影君が頑張って攻撃してる間に魔族もある程度は回復に専念できたのだろう!
回復しながらも今度は攻撃する余裕ができたようで、魔力を込めた両手から赤影と似たような性質の塊を僕に放ってきた
「ブラッディー!」
先程、魔族がなんて言っていたのか分からなかったけどブラッディーと叫んでいたのか!
◆◇◆◇◆◇◆◇
ファンタジー小説大賞参加中の為、9月は今の文字数くらいで毎日アップしますので、引き続き読んで頂けると私も励みとなります。
死の大陸編も残りあとわずかとなりますが、現在、ヒューマニア大陸編も考えていますので、近況が分かりましたら報告致します^_^
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