転移失敗！！此処は何処？僕は誰？

死の大陸編 青年期

第１９８話. 魔族覚醒

　魔族自身の血に魔力を込めて放っているようだ
　
　さっきは火を纏った斬撃がすり抜けてしまったので、それであれば氷ではどうなるか試してみる

　「凍結の霧アイスミスト！」

　煙のような煌きらめく氷霧を展開して迫り来る血の塊を包み込むように捉える

　パキパキパキパキパキパキ！

　氷霧に包まれ、血の塊は触れた瞬間から完全に凍ってしまい、そのまま地面に落ちる

　「おっ！これだと有効だね！」

　そのまますかさず鎧姿の赤影を氷霧で包み込む

　パキパキパキパキパキパキ！

　一瞬で鎧姿の赤影君の氷像が完成した


　「な、なんなんだお前はあ⁉︎」

　「さあ、なんだろうね、それよりお前の魔法はただ自身の血を操るだけなのか？」

　「くそがぁー」

　魔族は頭にきたのか、何やら魔力を自分に対して込め始めると両手の爪が鋭利な刃物のように伸び、眼が真っ赤に染まる！！

　「お前達、絶対に此処ここで皆殺しにしてやるぞ！」

　今まで発していた声と違い重低音の響く声色に変わっている

　魔族の雰囲気が先ほどと一変して変わり、魔力の質が上がっている

　「なんだこれは、魔族覚醒か⁉︎」

　「ブレイション！！」

　魔族は両手を僕に向けると高密度の火の塊を2つ放ってくる！

　かなり魔力の高い攻撃だったので、僕はこれに対してマジ気味の氷の壁を展開する
　
　「氷壁アイスウォール！！」

　ブァガアーーーン！！

　魔族の放つ１つの火の塊が氷壁に直撃した途端、凄まじい衝撃と音が鳴り響き弾け飛び散るが、もう１つの火の塊は氷壁に直撃せず壁の手前で軌道が変わり、回り込んで弧を描くように僕へと迫るが、それに対応するため、回り込めない大きさで広範囲に氷壁を展開する

　「氷壁アイスウォール！！」

　ドゴオオオォォーーーン！！

　　ジュゴオオォォーーーン！！