上 下
164 / 260
死の大陸編 青年期

第161話 ギガースの陰謀

しおりを挟む
 

 ギガースの手下にサキが捕まってしまう


 「痛い!痛いよ!痛いよ!離してぇ!お兄ちゃん、助けてぇ」

 「サキ!」

 「痛いよ、お兄ちゃん!」

 「サキ!貴様ぁー!サキに触れるなあ!」

 サキがギガースの手下に捕まったので、僕はサキを捕まえてた手下の1人に地魔法を使い、相手が動けないように足場を固定してから、手下を殴り倒してサキを助けたんだ

 「ナイスだ、シモン!そのままサキを連れて行け!」

 その間ラキはもう1人の手下を僕とサキに近づけさせない様に接近戦で戦っていたけど、全く歯が立たず足止めするので精一杯だった

 「シモン!早く行け!そして親父にこの事を伝えろ!今やるべき事をやれ!」

 「分かった、ラキ!また後でね!」

 「おう、シモン!サキを頼んだぞ!」

 「うん、分かった!・・・サキ、僕の背中に乗ってしっかり捕まってて!」

 「うん」

 僕はすぐにサキをおぶさって、ダッシュで森の中へと逃げる


 ラキが足止めしていたが、手下にラキが殴られ勢いよく吹き飛ばされ木に激突する

 その衝撃でラキは気絶してしまい、ギガースはそそのままラキに近寄り問答無用で気絶しているラキを蹴り飛ばした

 「馬鹿者共がぁ!逃がす訳がないだろうが!お前達も早くその2人を捕まえろ!」
 
 僕はサキを連れてオーガの国へと急いで走っていたが、すぐ背後に手下の1人が迫る勢いで追いかけて来ていたのが分かり、なんとか死に物狂いで逃げ続ける

 サキはずっと、泣きじゃくりながら必死に僕につかまり、僕も必死に森の中を駆け抜けオーガの国近くまで来た所で、手下の1人に先回りされてしまい、あと少しの所で道を塞がれ挟み撃ちになってしまった
 
 「サキ!僕が食い止めておくから、此処ここからはサキ1人で戻って、皆んなにこの事を伝えてくれ!」
 
 「嫌だよ!シモンも一緒がいい!」

 「ごめんよ、サキ!後から絶対にラキと一緒に行くから、ちゃんとこの事を伝えてくれ!」

 「うん、わがったぁー」

 泣きじゃくるサキに言い聞かせ、僕は先回りしていた手下に向かって地魔法で足場を固定して身動きがとれないようにして、その隙にサキを1人逃してから手下に殴りかかる

 サキは全力で手下の横を走り去り、1度此方こちらに振り返る

 「僕の事はいいからサキは早く皆んなの所に行ってくれ!」

 僕の声を聞いたサキは再び泣きながら走って行く


 その直後に僕は後ろから追って来ていた手下1人に追いつかれ、殴り倒されて捕まってしまう

 「ギガースは何の為にこんな事をしたんだ‼︎これはギガースの陰謀なのか?お前達の目的は一体何なんだ⁉︎」

 「腰抜けのお前達にはどうでもいい事だ!互いに滅びてしまえ!」

 「えっ?何を言っているんだ!お前は⁉︎」


 足止めしていたもう1人の手下も地魔法で自由に動き出し、2対1となってしまう

 「まあいい!どちらにせよギガース様がオーガのガキを1匹捕まえているのでいい」

 「お前達はラキをどうするんだ⁉︎」

 「逃げ帰ったあのクソガキもどちらにせよ、すぐに捕まるがな!」

 「えっ?どう言う意味だ」

 「簡単なことさ!オーガの中にも俺達の仲間がいるんでな、ちゃんと無事に辿り着けるかな⁉︎」

 「何!!くそっ!離せ!離せぇー」

 僕は頭に血が上り感情の高ぶりを押さえつけられなくなり、そのまま手下達をなぎ倒し、その場から再びサキを追いかけて走り出した

 僕はオーガの国の入口まで辿り着き、門の所で警備していた2人のオーガがいたので、すぐにサキのことを尋ねる

 「すみません、サキは、サキは戻って来ましたか?」

 「何だ、お前!巨人族が何故なぜここに来た⁉︎」

 「お願いです!教えてください!サキは、サキは戻って来ましたか?」
 
 「何故なぜお前がサキ様を知っている?怪しい奴め!!早く自分達の所に戻れ!」

 「お願いです!教えて下さい!!じゃないと、、、ラキィー、どうしよう」

 そして時間がない僕が取った行動は、門番2人のオーガを無視して直接サキの家に行こうと思いその場から走り出す

 すると慌てたオーガ2人が僕を止めようとしたが、なりふりかまっていられなかった僕はそのオーガ2人を押し倒して、そのまま中へと入って行く

 直後、倒されたオーガに警笛を鳴らされ大勢のオーガ達が一気に駆けつけ、僕はすぐに取り囲まれてしまう

 そして、そのうちの1人のオーガに背後から殴られ僕はそのまま気絶して倒れてしまい、その後は押さえつけられ身動きが取れないまま縛られ、それからこの牢屋に閉じ込められてしまう

 

 
 

 

 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

転移先は薬師が少ない世界でした

饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。 神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。 職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。 神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。 街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。 薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

固有スキルが【空欄】の不遇ソーサラー、死後に発覚した最強スキル【転生】で生まれ変わった分だけ強くなる

名無し
ファンタジー
相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。 冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。 味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転生】を持っていたことを知る。 死ぬたびにダンジョンで亡くなった者として転生し、一つしか持てないはずの固有スキルをどんどん追加しながら、ソーサラーのクアゼルは最強になり、自分を裏切った者達に復讐していく。

恩返し勢が帰ってくれない

エイ
恋愛
助けた魔物が恩返しの押し売りにくるところから始まるお話。 高名な大魔女の末娘として生まれたアメリアは、兄姉の中でひとりだけ恩寵を持たずに生まれた出来損ないであった。 14歳の時に、家名を名乗る資格なしと言われ、家から除名され一人で生きていくことになる。 実家でさんざんいびられていたアメリアとしては絶縁大歓迎で、ウキウキで誰にも邪魔されない静かな一人暮らしを満喫していた。 だがある時、気まぐれで死にかけていた蝶々を森で助けたところ、『わたくし先日あなたに助けていただいた蝶々です』と魔物が訪ねてきた挙句、恩返しと称してそのまま家に居つかれてしまう。 そこから次々と『助けていただいた〇〇です』と魔物たちが現れて家に住み着いてしまうと現象に見舞われる。 居候する魔物たちの本当の目的が見え隠れするなか、絶縁したはずの実家から帰還要請が来る。 そしてアメリアに秘められた真実が明かされる時、死の危険が訪れるが――――。

異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜

はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。 目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。 家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。 この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。 「人違いじゃないかー!」 ……奏の叫びももう神には届かない。 家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。 戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。 植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です 病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。 ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。 「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」 異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。 「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」 ―――異世界と健康への不安が募りつつ 憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか? 魔法に魔物、お貴族様。 夢と現実の狭間のような日々の中で、 転生者サラが自身の夢を叶えるために 新ニコルとして我が道をつきすすむ! 『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』 ※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。 ※非現実色強めな内容です。 ※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。

処理中です...