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死の大陸編 青年期
第157話 ホビット族扱い
しおりを挟むやはり、川の上流の方にもいましたか!
昨日、巨人族と鬼人族が戦っていたので、何かあるんだろう
僕とエミリーも魚を食べながら会話していると、昨日の再現で下流の方向から何やら近づいて来る集団の反応がある
今回、その正体を確かめる事を事前にエミリーには伝えていたが、やはりソワソワしている
先程まで食べていた勢いがなくなり、急に食べるペースが遅くなったが、アース君の勢いは尚も止まらない
そろそろ目視で確認出来る位の距離になってきたので、アース君には刻印に入ったもらい相手の出方を伺う
んっ⁉︎
何かに跨っているよね
馬みたいなのに乗ってるのはオーガだな10体はいるかな
馬みたいなのはブルホースと言って主に移動用として、昔からヒト族が乗っていたそうだ
それに何故オーガが乗っているんだ
回りにいる大型犬みたいなのは狩猟目的で放たれるビルダーで、今にも僕達に襲いかかりそうな勢いで牙を剥き出しにして睨んでくる
と言う事は統率が取れている事になる
ならばむやみやたらに攻撃をして来る事はないだろうと思い、このまま様子見を継続する
この後、どんな展開になるのか面白くなってきたので、アースにはそのまま刻印の中で大人しく待機していてもらう
まだ朝ごはんを食べていた途中なので、ブーブー文句を言いながらふて寝に入る
オーガ達が近くまでやって来た
「おい、お前達!!ここで何をしている⁉︎」
おぉー、会話して来ましたね!
と言う事はやはりある程度、話しが通じるのかも知れないのできちんと受け答えをする
「朝ごはんを食べていましたぁ!」
「それは見れば分かる!」
「はあ、そうですか」
じゃあ、見て分かる事を聴くなっちゅう事ですよ
「何故、エルフとホビット族が一緒にいるんだ⁉︎」
ほ、ほ、ホビット族だとぉー
前にもホビット族と言われ、今回もまたホビット族だと言われてしまった
いくらヒト族を見かけないからと言ってもホビット族は酷くないですかぁー
僕はそんなに小さくありませんからぁー
いや、オーガと比べると小さく見えるか
ただ、ホビット族はまだまだ小さいぞ
「実は私達は旅をしておりまして、アヴァロン山脈に向かう途中です」
「アヴァロン山脈だと!で、エルフのお前が何故、ホビット族と一緒に行動している?」
「はい、私はこのお方の臣下の者です」
「はぁ?エルフがホビット族の臣下だと⁉︎笑わせるな!」
「いえ、本当です」
「お前達、昨夜も此処にいただろう!!」
「はい、食事していましたが、何か?」
「俺達が来た時には既にいなかったが、逃げたのか⁉︎」
「はい、逃げました」
「ワーハッハッハッ!聴いたか!やはり昨夜この場所に居たのはコイツらだったか」
「それで、僕達に何か用ですか?」
「お前達は巨人族の手の者か⁉︎」
「巨人族⁉︎いえ、違いますが」
「どちらにしろ、お前達は怪しいので連れて行く」
「連れて行く?何処にですか?」
「お前達は知らなくていい!それともこの場で死にたいか?」
「分かりました!大人しく付いて行きますが、決して僕達に危害を加えないで下さい!!」
「ワーハッハッハッ!この腰抜けホビット族が!」
僕はエミリーの耳元でとりあえず大人しく従って付いて行くが、もしエミリーに少しでも危害を加えた時点で、交渉決裂とみなしてすぐに全滅させるからと伝え、エミリーは了解して頷いていたが、なぜか頬を赤らめ下を向いていた!!
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