149 / 260
死の大陸編 青年期
第146話 エミリーのフリー演技
しおりを挟むエドガーの今の口ぶりでは何故だか今日、僕が此処で過ごして行くのが前提で話しが進んでいるように思えた
しかし、僕がエミリーに出した課題でもあるのでその結果を確認する為、僕はエミリーと一緒に屋上まで移動する
「リン様!何処までお見せすれほ宜しいでしょうか?」
「そうだね、前回エミリーと一緒に上昇と下降だけだったから、それからのエミリーの努力が知りたいので、自由にしてもらっていいよ」
「分かりました」
「僕はここで見ておくから、エミリーのあれからの成長ぶりを見せてくれるかい!!」
「はい!分かりました!リン様」
エミリーは屋上の端まで行き、そこで一旦立ち止まり僕の方を向く
「ではリン様、始めます!!」
そう呟くとエミリーは僕を見つめながら、背後に倒れるようにそのまま城の屋上から下に落ち、僕の視界から消えてしまった
そこからエミリーのフリー演技の飛行が始まる
後ろ向きで落ちた状態からすぐに、上空へと急上昇して上がって行き、遥か上空より今度はきりもみ回転をしながら下降して来る
そして地面スレスレのすんでのところで土埃を上げながら飛行を続け
そこから再度上空へと上昇して行き、縦に大きく円を描くように飛行を続け、次第に縦から横へと旋回が変わる
そしてなんと、そこから思い出したくもない記憶が甦る光景を目にする
以前にアースとの実戦で全く効果が無かった多重分身をエミリーが披露するではないか!!
エミリーよ!君も独学でその技を編み出したのか!!
君のその苦労もこれで報われるだろう!
「エミリー!!戻っておいで」
「はい!リン様!!」
終わりを告げた後のエミリーが、僕の所に戻って来る速度が今までで1番速かったんじゃないかと思うほど最速の速さだった!
「リン様!如何でしたでしょうか⁉︎」
「うん、あれだったら大丈夫だね」
「本当ですか、リン様?」
「あれからちゃんと練習してたんだね!」
「はい、リン様」
ヨシヨシ!!
……と、エミリーの、頭を撫でてあげると、途端にエミリーは両耳だけでなく全身真っ赤になりフリーズ状態になってしまい、その後エミリーに話しかけるが返事がない
何でだよっ!
何で頭を撫でただけで、そうなるんだ!
エルフの頭には何か隠された停止機能装置でも付いてるのか⁉︎
停止しているエミリーに話しかけるが、どこか遠くを見ていて、現実世界にまだ戻って来ない
ただ、僕が出題す課題には文句なしで合格したので、きちんと約束は守るが……
「エミリー⁉︎」
「は、はい、何でしょうかリン様」
おっ、戻って来たか
「くどい様だけどホントに僕と一緒に付いて来るんだね!」
「はい!リン様に一生付いて行きます!!」
んっ⁉︎何か今、一生って聴こえたけど、一緒だよね
まぁいいや!気のせい!気のせい!
「じゃあ準備しようか⁉︎」
「はい!リン様!!もうすでに支度は整っていますのでいつでも大丈夫です!」
「えっ、そうなの⁉︎」
「はい!」
「このまま誰にも何も言わないで行くのはダメだよぉ」
「いえ、リン様、大丈夫です」
なんだかこの先とんでもない事態になって行くんじゃないだろうか
「今からエドガーの所に行くよ!」
「・・・・・はい、分かりました」
一瞬の間が気になったがとりあえずエドガーの所に報告に向かう
またもやエミリーに腕をホールドされ、エドガーの元に連れて行かれる
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる