転移失敗!!此処は何処?僕は誰?

I&Rin

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死の大陸編 青年期

第146話 エミリーのフリー演技

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 エドガーの今の口ぶりでは何故なぜだか今日、僕が此処ここで過ごして行くのが前提で話しが進んでいるように思えた


 しかし、僕がエミリーに出した課題でもあるのでその結果を確認する為、僕はエミリーと一緒に屋上まで移動する

 「リン様!何処どこまでお見せすれほ宜しいでしょうか?」

 「そうだね、前回エミリーと一緒に上昇と下降だけだったから、それからのエミリーの努力が知りたいので、自由にしてもらっていいよ」

 「分かりました」

 「僕はここで見ておくから、エミリーのあれからの成長ぶりを見せてくれるかい!!」

 「はい!分かりました!リン様」

 エミリーは屋上の端まで行き、そこで一旦立ち止まり僕の方を向く

 「ではリン様、始めます!!」

 そう呟くとエミリーは僕を見つめながら、背後に倒れるようにそのまま城の屋上から下に落ち、僕の視界から消えてしまった

 そこからエミリーのフリー演技の飛行が始まる

 後ろ向きで落ちた状態からすぐに、上空へと急上昇して上がって行き、遥か上空より今度はきりもみ回転をしながら下降して来る

 そして地面スレスレのすんでのところで土埃つちぼこりを上げながら飛行を続け

 そこから再度上空へと上昇して行き、縦に大きく円を描くように飛行を続け、次第に縦から横へと旋回が変わる

 そしてなんと、そこから思い出したくもない記憶が甦る光景を目にする

 以前にアースとの実戦で全く効果が無かった多重分身をエミリーが披露するではないか!!

 エミリーよ!君も独学でその技を編み出したのか!!

 君のその苦労もこれでむくわれるだろう!

 「エミリー!!戻っておいで」

 「はい!リン様!!」

 終わりを告げた後のエミリーが、僕の所に戻って来る速度が今までで1番速かったんじゃないかと思うほど最速の速さだった!

 「リン様!如何いかがでしたでしょうか⁉︎」

 「うん、あれだったら大丈夫だね」

 「本当ですか、リン様?」

 「あれからちゃんと練習してたんだね!」

 「はい、リン様」

 ヨシヨシ!!

 ……と、エミリーの、頭を撫でてあげると、途端にエミリーは両耳だけでなく全身真っ赤になりフリーズ状態になってしまい、その後エミリーに話しかけるが返事がない

 何でだよっ!

 何で頭を撫でただけで、そうなるんだ!

 エルフの頭には何か隠された停止機能装置でも付いてるのか⁉︎
 
 停止しているエミリーに話しかけるが、どこか遠くを見ていて、現実世界にまだ戻って来ない

 
 ただ、僕が出題す課題には文句なしで合格したので、きちんと約束は守るが……

 「エミリー⁉︎」

 「は、はい、何でしょうかリン様」

 おっ、戻って来たか

 「くどい様だけどホントに僕と一緒に付いて来るんだね!」

 「はい!リン様に一生付いて行きます!!」

 んっ⁉︎何か今、一生って聴こえたけど、一緒だよね


 まぁいいや!気のせい!気のせい!

 「じゃあ準備しようか⁉︎」

 「はい!リン様!!もうすでに支度は整っていますのでいつでも大丈夫です!」

 「えっ、そうなの⁉︎」

 「はい!」

 「このまま誰にも何も言わないで行くのはダメだよぉ」

 「いえ、リン様、大丈夫です」

 なんだかこの先とんでもない事態になって行くんじゃないだろうか

 「今からエドガーの所に行くよ!」

 「・・・・・はい、分かりました」

   一瞬の間が気になったがとりあえずエドガーの所に報告に向かう

 またもやエミリーに腕をホールドされ、エドガーの元に連れて行かれる

 

 

 
 
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