140 / 260
死の大陸編 青年期
第137話. 課題
しおりを挟む全速力でエミリーのいる家にたどり着くと、既に日も沈みかけていて、ホルクス山脈を離れ半日近くの時間を要してしまっていた
エミリーは僕が戻って来ているのを感知すると、慌てて出て来たのが分かる位にドタバタと家の中から凄い音がしていた
「リン様、お帰りなさい!」
「やぁ、エミリー!ただいま、早速だけどエドガーはいる?」
「はい、中にいます」
エドガーに会う為、家の中に入ると相当慌てていたのか、物が散らかっている
そのままエドガーがいる部屋に入ると、急いでエドガーが散らかっている部屋の中を片付けている
「お帰りなさいませ、リン様」
「ただいま、エドガー!・・・で、何してるの?」
「いえ、リン様がこちらに向かわれているのをエミリーが感知しまして、早く出迎えなくては失礼にあたると言って、この始末です」
いえいえ、そんな失礼にあたる事なんて全然ないのだが、どうやったらこんなにも散らかるんだと思いながらも決して口にできないでいる自分がいた
「それで、リン様、鍛錬の成果は如何でしたか?」
「あ、あぁ、成果ね、思いがけない収穫もあってバッチリだったよ」
「それは、良かったです、リン様」
「で、移住の方はどうなったのかなエドガー?」
「はい、リン様、その件に関しましてはエルフ一同みんなが同じ想いで一致しておりまして、すぐにでも移住したいと願い出ております」
「そっかぁ」
「リン様⁉︎」
「なんだいエミリー?」
「あのぉー、そのぉー・・・・・いえ、何でもないです、すみません、リン様」
「あっ、そうだった、エドガーは故郷の場所は分かるんだよね?」
「はい、リン様、当然ながら分かります!」
「すまないけど、自分達だけで故郷まで移動してもらってもいいかな?」
「えっ⁉︎私達だけで移動をですか?」
「うん、一応行くまでの道のりを確認してきたけど、特に強い魔物の反応もなかったし、それよりも今の君達の方が相当強くなってるから大丈夫だよ」
「はい、分かりました!リン様がそうおっしゃるならば、そう致します」
「あともう1つ、エドガーにお願いがあるんどけど、いいかな?」
「リン様のお願いとあれば、私、エドガーこの身が滅ぶとも全力で聞き入れる覚悟であります!」
イヤイヤイヤイヤ、いつもながらそれ、危ない考えだからね!エドガー君
しかしながら、それが本気だという事は、僕も分かっているので、迂闊に変なお願いも出来ないのは確かだ
「先日、言っていたエミリーの件だけど、僕が出す課題にエミリーが達成する事が出来たら、僕との同行を許してくれるかな?」
「や、やります!リン様!是非やらせて下さい!必ずリン様に付いて行きます!」
鬼気迫る勢いでエミリーが僕とエドガーとの間に割って入ってくる
「エミリー、ちょっと落ちつこう、ねっ!」
「はい、リン様!ありがとうございます!」
だめだこりゃー、掴まれた手をガッチリとホールドされてしまったよ
「これっ、エミリー!まだリン様からの課題も聞かないうちから、早過ぎるぞ!」
「す、すみません、あまりにも嬉しくて、つい!」
「それでリン様、エミリーに出される課題とは?」
「あぁ、そうだったね、これから3ヶ月間、僕が鍛錬に行ってる間にエミリーには最低限の飛行ができるようになっていてもらいたいんだ」
「飛行という事は、私が飛べないとリン様のお側に一緒に居れないという事ですか?」
「まぁ、そうなるよね、ただ僕も悩んだ結果で最低限の譲歩としての結論だよ」
「ありがとうございます、リン様!必ずや期待に応えれる様に頑張ります」
そして僕はエミリーに飛行の感覚を掴んでもらおうと、一緒に鍛錬場へと向かった
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!
ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。
一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて?
主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍?
「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」
『わふっ』
もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる