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死の大陸編 青年期

第129話. 最弱の槍

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 ヤバっ!

 やってもうた


 僕の予想に反して銀さんの胴体を簡単に貫き風穴を開けてしまった


 「あっ!ごめん!ごめん!思いのほかちょっと手加減の調整が足りなかった!!」

 ………言わなくいい一言を口にした事で銀さんを更に怒らしてしまう


 「何だとぉー!!コイツ・・・・ゲホッ!」


 意外とドラゴンは耳が良いのね!もの凄い勢いで突進して来たが、まぁ結果オーライだ


 勢いよく突進して来た銀さんの動きは、胴体に穴が開いてるとは思えないほど速いではないか!

 鋭い爪で直接、僕に攻撃してくるので、直撃する寸前に躱して上空へ飛ぶとすぐに銀さんも羽ばたき追いかけてくる


 怒り狂ったように次から次へと風、火、水、氷、地を織り混ぜながら怒涛の攻撃を仕掛けて来る
 
 先程の貫いた傷を確認すると傷跡は消えており、すでにもう塞がっている
 


 ドラゴンという種族はどうやら個体によってそれぞれ回復速度も違うらしい

 銀さんはガイルと比べても、かなり早い時間で回復している


 それじゃあ、次は最弱の槍をゆっくりと放とう!


 5本の風槍エアランスを追尾仕様で銀さんに放つ

 今回は先程と違って速度と威力を調整してあるので、流石にこれは余裕で全て躱している

 最弱の槍なので、これは避けてもらわないと全く話しにならなし、次の段階にも移れないのでとりあえずこのまま銀さんを観察する
 

 ・・・・・5本の風槍エアランスは追尾仕様なので、どんなに避けても再度軌道修正され目標物である銀さんに当たるまで、ずっと襲い続ける!


 一度躱した銀さんは多少驚いた様子ではあったが、このくらいの速度であれば難なく躱し続けている

 ただ一番最初に胴体を貫かれたもんだから、迂闊に被弾しないよう、僕の攻撃を警戒しながら躱している

 この程度の風槍エアランスの速さでは銀さんも面白くないだろうから、次なる試練を与える為、ここで少し速めの5本を追加する

 銀さんは新たに追加された5本の内、何とか4本を躱すが残りの1本は無理だったようだ………ガチン!!


 …………1本の風槍エアランスが銀さんに当たり跳ね返る


 この攻撃で銀さんは自分にダメージが入らないと思ったのだろう

 他の追尾してきていた槍を、今度は避けようともせずにそのまま受けている

 ガチンガチガチガチガチガチガチガチガチン!


 「どうした!全く効かぬぞ!疲れてきたのだろう、ガーッハッハッハッハッ」


 イヤイヤイヤイヤ!全く疲れてはいないけど、そろそろ金さんに変わってもらえないだろうか

 ずっと事の成り行きを見ていた金さんが遂に動き出す


 アース君が付きっきりでキチンと説明してくれていたんだろう!
 
 
 金さんが銀さんに向かって戦いを変わりなさいと言っているが、銀さんはこれを拒んでる様だ

 僕としては、交代じゃなくて参戦してもらいたいが、おそらく金さんは参戦してくれないだろうな

 銀さんはすぐに挑発に乗ってくれたから問題ないのだが、金さんの方はしっかり者に見えるので、いくら此方こちらが挑発してもおそらく乗ってくれないだろう

 仕方がないので2体同時に相手するのを諦め、1体ずつ倒していきますか

 金さんには悪いがそのままちょっと、そこで待っていてもらおうと思い、僕は攻撃態勢に入る!
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