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死の大陸編 青年期
第110話. 先延ばし
しおりを挟むなんと、ビックリした事にあの樹木があった場所が実はエルフの故郷だった
「そこにエドガー達が住んでいたんだ?」
「はい、リン様、その樹木をずっと御守りしていました」
「どゆこと?」
「その樹木は神樹であり精霊様が宿られています!」
「神樹⁉︎」
「先程、申しました様に遥か昔、私達エルフはヒト族と共存共栄していた時代がありました」
「えっ、そうなの」
「はい!ただ300年ほど前にヒト族の急な変貌ぶりと魔物の凶暴化により、私達エルフ族は存続の危機に追い込まれ苦渋の決断で故郷を離れたのです」
ここでもやはり、300年前の出来事が絡むのか
「その時にヒト族は滅んだんだよね」
「はい、そうですリン様、しかしながらその後もありとあらゆる魔物の凶暴化が続き、私達エルフも転々と安息の地を求め移動しますが、その間、多くの犠牲も払い、今に至ります」
「なんか、凄く壮絶で大変だったんだね」
「はい、リン様!それでもお守りしていた精霊様の事が気がかりで、その後、何度も腕のたつ者を向かわせましたが、殆どのエルフは戻って来ませんでした」
そりゃそうだろうね、どう考えたって最弱エルフが魔獣に敵うわけなかっただろうからね
「ただ奇跡的に戻って来る者もいました」
「えっ、いたの?」
「はい、リン様、ただ五体満足ではありませんでしたが、戻って来た者の話しを聞くと、どうやら精霊様は深い眠りに入られ今は何の反応も無く、魔物が住み着いてる状態でした」
んっ、魔物とかいたっけなぁ⁉︎
ここでアース君がとんでも発言をするではないですか!!
「あの場所にいた魔物や魔獣は僕が全部狩り尽くしてリンに料理してもらったよ」
な、な、なんですとぉー
「いつの間に狩ったんだよ?」
「うーんとね、ずっと前かな」
「まじですか」
「うん、美味しかったよぉ!特にあのケントはね!下半身が魔獣で上半身はゴリゴン、そして手が4本ある奴だよ」
「あぁーーー、あのケンタウロスかぁ!」
一時期やたらとケンタウロスみたいなのを飼って来た時があったのを思い出す
あの時にアースが狩り尽くしていたのかぁー
「そっかぁ、でもね、エドガーに伝えておくけど、その神樹の場所にはもう魔物とかいないからね」
「えっ?」
そうだよね、そうなるよね
「僕も今、知ったんだけどうちのアース君がどうやら全滅させちゃってるねぇー」
「おぉー、フェンリル様ぁーー」
その後、すぐにエドガーは移り住む決意をしてくれ、後でみんなと相談するそうだ
思いもしなかったが、話しもまとまったので、エミリーに声をかける
「出来るだけ早く戻って来るから、それまでエミリーも僕が心配しなくてもいいように魔法の鍛錬は続けておくように!」
「はい、分かりました!リン様」
納得はしてないだろうが、多少なりとも理解はしてくれたようで、エミリーの表情が少しだけ和らいでいた
「よしっ、それではそろそろ行こうかアース!」
「うん、いいよぉー」
ようやく行く準備が整ったので、エミリーとエドガーに挨拶してから、この地を離れる
「エミリー、エドガー、じゃっ!!」
「リン様の帰りをお待ちしております」
「「じゃっ!!」」
エミリーとエドガーがハモって返事を返してくれる
そして僕は自分達の拠点に戻るべく、急いで向かう!
決して今回のこの件がめんどくさくて先延ばしにしたわけではない
僕だって男だし、エミリーは好きだよ
ずっと一緒に行動していたら、何があるか分からないじゃないですか
それでなくても、年齢を考えたら何歳エミリーが歳上になるんだって話しだ
実際には考えたくもないけどね
モヤモヤした気持ちを抱えながら拠点へと向かう
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