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死の大陸編 青年期
第103話. ガンエルフ
しおりを挟む鍛錬8ヶ月目
今日はエルフの集落で言語教育の勉強をしている
「エミリー!ちょっと休憩にしようかぁ」
「そうですね、それでは少し気分転換を兼ねて鍛錬所に行きましょう!!」
「そうだね、みんながどれだけ魔法が上達しているか見ておかないとね」
「ではリン様、急いで行きましょう」
「えぇー、急いだら休憩にならないんじゃないの!」
「それもそうですね、それでは早く行きましょう」
「・・・・・」
エミリー、それ意味変わらないからねぇ!
こんな、たわいもない会話のやり取りが普通に出来るようになりました
ある程度の会話の中の単語と内容は理解出来る様になり、相手との会話もスムーズになってきたが、書く方はあまり進歩しておらず、まだまだ園児レベルだ?
それでも最初に比べると雲泥の差!
なんせ、身振り手振りのジェスチャーをする事がほとんどしなくなっている
呼び名なんだがアースはフェンリル様で呼ばれているが、僕に対しては様付けで呼ばなくてもいいからと言っていたんだけど、頑なに様付けで呼ばれてしまい、それだけは皆んな今でも言う事を聞いてくれない
まあ、以前はずっと″助け人様″呼ばわりされていたので、その呼び方より名前で呼ばれる方がまだましというもの!
ただ、未だ様付けで呼ばれることに抵抗があり、何故だか呼ばれる度に背中付近がむず痒くなってくる
今ではエルフ全員が何かしらの魔法をちゃんと使えるようになっている
当初のレベルはちょっと火が着くとか、水鉄砲やらそよ風レベルの魔法だったが、みなさんちゃんと毎日鍛錬しており、現在では魔法と言えるレベルに達している
エミリーは、僕が訪れるたびに早く自分の成長を見て貰いたいと思い、理由をつけては鍛錬所に行こうとしているのが感じられる
………今回も僕はその休憩と言う罠にかかり、手を引っ張られながら強制連行されている
そして何よりも僕は普通にエミリーと接しているがエミリーを含めて数名のエルフの変化が気になっていた
それは、エミリーの魔法の成長よりも外見が著しく変化している方が驚きだ!!
僕は直接エミリーに対して普段から何も言わなかったけど、めちゃくちゃ気にはなっていた
身長は変わらないが身体全体が引き締まり色艶に豊満な胸!
明らかに見た目も違う成長ぶり⁉︎
以前のガリガリした見た目と体型におさらばしている
何でも魔法を習得してから、体内を巡る魔素が滞りなくスムーズに流れ出し、魔力へと変換する事で更なる魔法の練習をしていたら、普通のエルフからガンエルフへと進化していたらしい
それが約4ヶ月前の出来事だという
僕の中では進化は次世代でなるものかと思っていたら、実はそうではなかった
個体によっては寿命が何百年とある魔物は成長するその過程で容姿が変わったりと変化があるそうだ
助けた時の貧相貧弱なエルフの面影が全くなくなっている
身につけている服も布切れ1枚だった物が、樹皮や獣の皮といった素材を、皆んなが手先を器用に使って編み込んだり縫ったりして、僕の分も作ってくれるので、それらを着用させてもらっている
今、向かっている鍛錬所のエルフ達の中にもガンエルフへと進化を遂げている者も数人いて、族長のエドガーとその護衛であるエースとビリーで、それぞれが指導役を兼ねて他のエルフに教えている
鍛錬所と言っても僕が大きな広場に地魔法で地形を変え、周りに被害が出ないように考えながら岩や砂に大木で組み合わせたり闘技場や弓道場を造り、それぞれの場所で各々が鍛錬に励んでいる
鍛錬所に着くと今日も既に沢山のエルフがみんな頑張って魔法の練習をしていた
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