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死の大陸編 青年期
第88話. エミリー
しおりを挟む僕がこの世界の言語を理解していないので、いつも一緒にいるアースに教えてもらっている事を薄々エルフは感じ取り、察してくれているのだろう………
なので、話しながらも極力身振り手振りの動作で伝えようとしてくれているのだが、なかなか意思疎通が図れず、僕が分かりづらそうな表情をすると直接アースに伝えてくれている
この後、オークから助けて頂いたお礼として、みんなで食事を用意しているので是非とも同席をお願いされる……
まずこれにすぐ反応したのがアースだ!
ただ飯が食えるとなると急に通訳しなくてもいいような事まで伝えてくる
僕が了承すると、族長であるエルフが安堵の表情を浮かべ、その後も何やらずっと僕に話しかけて来てくる
お名前をお教え下さい?
いつ迄ここに居てもらえますか?
などなどなど!いろいろと質問攻めにされてしまったが、この際なので言語の勉強にもなると思い、いろいろと聞いて理解しようと頑張ってみる
女エルフも一生懸命、親身になって身振り手振りで何とか僕に分かってもらおうと必死に対応してくれている
まずはお互いの名前や族長の名前、そして簡単な単語を読み書きしながら教えてくれる
おっ!なんか、これはこれで良い勉強になるぞ!
そうこうしているとあっという間に時間になり、お昼の準備が整ったのでエルフが呼びに来る
根性者のエルフ3人衆で族長のエドガー、護衛役のエースとビリー!……そして今いろいろと僕に親身になって教えてくれている族長の娘のエミリー
僕達は部屋を出てエミリーに連行されながら、エルフみんなが待つ広場へと向かう……
広場に着くと大勢いるエルフ達みんなが感謝を示す姿勢で出迎えてくれている
明るいせいか、こんなに人数がいたのかと思う位に大勢広場に集まっていた!
先日の夜、僕が焼き物をしていたのを見てかどうかは分からないが所々に、似せたような焼き場が設置されてある
エミリーに案内されるまま、敷物が引いてある所に座り、族長が助け人様である僕に感謝のポーズを取ると、みんなも一斉に感謝のポーズを取り……助けて頂き、本当に?ありがとうございます!助け人様!
さっき覚えたばかりの簡単な単語が出てきた。
で、最後にリン様ぁぁー!フェンリル様ぁぁー!
そこで皆んなが
わあぁぁー!!!!っと共鳴すると共にそこから食事会が始まった!
肉以外に魚や野菜、木の実にフルーツらしき物がたくさん準備されており、これ以外にも焼き上がった食材が次々に運ばれてくる
いつもガッツリ食べているアースの勢いが今日はイマイチなのか、やたらとペースが遅い
それもそのはず、エルフ達が準備してくれている食材に殆どお肉が含まれてない!
それでも黙々と食べていると………
「リンの方が美味しいよぉー」
ボソボソ言いながらも口は動かしている
ふと焼き場を見るとエルフが火魔法を使っているではないか!
だが、めちゃくちゃ規模がショボい
隣にいるエミリーにエルフは魔法が使えるのか尋ねてみると、基本的に皆んな使えるが、日常的に生活するレベルでしかないらしい。
火を使うと言ってもライターみたいに指先からポッと小さい火が出たり、水でもチョロチョロっと出る位のレベルだった
エルフの見た目と一緒であまりにもショボく貧相だった
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