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死の大陸編 青年期
第70話. ワンパン
しおりを挟む先程、オークとエルフが戦っていた場所に急いで戻ると、辺り一面が血の匂いに覆われていた
その血の匂いに釣られ、数匹のジャコウがすでに駆けつけていた
アースにジャコウ達をここに近付けさせない様、牽制するか、それでも逃げないようなら、そのまま処分するよう指示すると、すぐに向かってくれた
あまりにもアースの行動が早かったので、あれは絶対に牽制する前に狩るな!
この場所に30体程のエルフが倒れたまま動かないでいたので、まずは生きてるかどうかの安否確認をして確かめる
探知した限り、死んでいてもおかしくないレベルの重症者が5体ほどいるが、どうやらギリで全員生きている
他のエルフも危険な状態なので手遅れになる前に、急いでエルフを1カ所に集め、すぐに回復薬を取り出し水魔法と練り合わせ、エルフ達の傷口を覆い回復薬を強制的に口から送り込む
後は、なるようにしかならないので、このまま放置して、すぐにオークがいる場所に戻る為、アースに確認する
「アース、そっちの状況は?」
「もう、終わってるよぉー」
案の定、きっちりジャコウを仕留め終えており、丁寧に1ヶ所に集めていたので、そのままジャコウの亡骸を食材ストック用の収納部屋へと保管する
エルフを見てみると、みるみる血色が良くなりつつあったので、この場を離れ、エルフの集落に再び移動する
僕がエルフの集落に戻ると、男のエルフ達を処分したオーク達がようやく戻って来ていた
先程同様に女のエルフ以外で集められている、老人と子供のエルフの殆どが、すでに穴の中に落とされて、残り少なくなったエルフも雑な扱いで穴に放り投げられていた
さて、ここからどうしたもんかと悩んでいると
このタイミングで瀕死で傷だらけの男のエルフ3体が戻って来た
足取りも悪く、全身血だらけで今にも倒れそうな状態
帰って来たエルフ3体が、今起きている光景を観て怒り狂った様に叫び、1番ガッツがあったエルフが真っ先にオークに立ち向かうべく、足を引きずりながらも走り出した!
結果、虚しくワンパンでの秒殺
残り2体のエルフもオークに立ち向かうが、瀕死の状態でどうする事も出来ず、何も出来ないままオークに殴り倒され、そのまま頭を鷲掴みにされて穴の中に放り込まれてしまう。
ワンパンされたエルフが力を振り絞って、なんとか立ち上がり、再度オークに反撃を試みるが秒で蹴り倒される
オークが倒れたエルフの頭を踏みつけ、地面にめり込む
その視線の先には倒れていた女エルフがいて、お互いが見つめ合い、何やら語りかけながら男エルフが女エルフに手を差し伸べていた。
そして女エルフは傷ついた体で必死に立ち上がり、男エルフの元に走って駆け寄ってくる
男エルフが差し伸ばしていた手を掴もうとした瞬間、別の1体のオークに阻まれてしまい、女エルフを捕まえ、そのまま腹部をなぐりつけ気絶させてしまう
そしてオークは気絶した女エルフを片手で持ち上げると、そのまま顔を舐めまわしたから肩に担いで、別の場所に連れて行った。
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