転移失敗!!此処は何処?僕は誰?

I&Rin

文字の大きさ
上 下
61 / 260
死の大陸編 青年期

第58話. 酸

しおりを挟む




 ここぞとばかりに僕もアンガス君の消火活動に手を貸す
 

 壁に激突したアンガス君から火の手が上がっていたので、消火のお手伝いとして、やや強めの水刃の雨レインを放ち、アンガス君の上空から激しい雨が降り注ぐ

 きちんと消火する事は出来たが、水刃の雨レインの威力が多少強過ぎて血の雨になってしまい、なんだかアンガス君は悲鳴をあげているが、結果、火は消えたので大丈夫だろう!


  蛇達の被害も大した事なく、所々で痛ましい傷口から血は流しているものの、無事に消火が確認できた


 アンガス君から苛立ちの様子が伺え、僕の方を見た各頭が一斉に防御壁を張りめぐらすと、傷だらけになっていた箇所がたちまち回復している

 それにより出血は止まったが、今度はアンガス君の目が血走っており、何やらわめき散らしながらこちらに突進してきた


 ここに来て初めて頭3号からの攻撃!


 大きく開けた口からドス黒いブレス攻撃が放たれる

 僕は瞬時にこの攻撃が危険だと判断したので、まずはこの属性と性質を見極める為にも最小限の動きで避けなが観察していると、そうはさせまいと他の頭が一斉に連続攻撃を仕掛けてきた


  アンガス君の総攻撃を躱し続けていると、やがて尻尾も攻撃に参加してくる

 どの攻撃も単調すぎて僕には擦りもしない


 先程の頭3号の黒いブレス攻撃が当たっていた壁面に目をやると、直撃した場所が広範囲にわたって今も溶け続けている……

 それを観て僕は、これが強力な酸のたぐいではないかと思ったが、まだ情報が足りず見極めが出来ないでいる

 先程からずっとアンガス君の総攻撃を凌いで観察を続けたが………結果、酸以外に考えられなかったので、そろそろ観察も終わりにして、次の行動に移る


 以前より考えてた技を今回、この場で試してみようと、両手の指先にエアカッターを発生させる

 各指先で安定させたエアカッターは全部で10枚あり、それらをアンガス君に放つとエアカッターはアンガス君を囲むようにグルグルと周回する様に回っている

 この魔法の本領発揮はこれからだ!


 暴風刃ハリケーンと名付けた魔法だが、ただ単にアンガス君の回りを無駄に周回してるのではなく、エアカッターの速度を自在に調整しており、今からアンガス君の周囲を高速で回転させる

 次第に風の渦が発生!

 しかもエアカッターの回転方向にも工夫を凝らしており、1番上が右回りなら2番目は左回りで回っており、1番から10番までがそれぞれ交互になってアンガス君の周囲を回っている


 この攻撃から抜け出そうと思えば出来ない事はない

 上は空いていて下は地面なので、飛ぶなり地面を掘るなりして頑張れば抜け出せない事もないが・・・・・・その時点で暴風刃ハリケーンがすぐに遅いかかるだろうけどね

 それでなくても逃げれないように塞ぐ事も全然出来るが、今回は実験と言う事でこの暴風刃ハリケーンの効果がいかがなものかを知る為なので、このまま実行する

 凄まじい速さでアンガス君の周囲を回ってる事で、先程とは段違いの竜巻が発生していて、既にアンガス君の姿は風の渦に覆われて見えない状況だ

 こうしてアンガス君は身動きの取れない状態となる!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば
ファンタジー
シキは勇者に選ばれた。それは誰かの望みなのか、ただの伝統なのかは分からない。しかし、シキは勇者に選ばれた。果たしてシキは勇者として何を成すのだろうか。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

女神様の使い、5歳からやってます

めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。 「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」 女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに? 優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕! 基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。 戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。

神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。

SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。 サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...