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死の大陸編 青年期
第58話. 酸
しおりを挟むここぞとばかりに僕もアンガス君の消火活動に手を貸す
壁に激突したアンガス君から火の手が上がっていたので、消火のお手伝いとして、やや強めの水刃の雨を放ち、アンガス君の上空から激しい雨が降り注ぐ
きちんと消火する事は出来たが、水刃の雨の威力が多少強過ぎて血の雨になってしまい、なんだかアンガス君は悲鳴をあげているが、結果、火は消えたので大丈夫だろう!
蛇達の被害も大した事なく、所々で痛ましい傷口から血は流しているものの、無事に消火が確認できた
アンガス君から苛立ちの様子が伺え、僕の方を見た各頭が一斉に防御壁を張りめぐらすと、傷だらけになっていた箇所がたちまち回復している
それにより出血は止まったが、今度はアンガス君の目が血走っており、何やら喚き散らしながらこちらに突進してきた
ここに来て初めて頭3号からの攻撃!
大きく開けた口からドス黒いブレス攻撃が放たれる
僕は瞬時にこの攻撃が危険だと判断したので、まずはこの属性と性質を見極める為にも最小限の動きで避けなが観察していると、そうはさせまいと他の頭が一斉に連続攻撃を仕掛けてきた
アンガス君の総攻撃を躱し続けていると、やがて尻尾も攻撃に参加してくる
どの攻撃も単調すぎて僕には擦りもしない
先程の頭3号の黒いブレス攻撃が当たっていた壁面に目をやると、直撃した場所が広範囲にわたって今も溶け続けている……
それを観て僕は、これが強力な酸の類ではないかと思ったが、まだ情報が足りず見極めが出来ないでいる
先程からずっとアンガス君の総攻撃を凌いで観察を続けたが………結果、酸以外に考えられなかったので、そろそろ観察も終わりにして、次の行動に移る
以前より考えてた技を今回、この場で試してみようと、両手の指先にエアカッターを発生させる
各指先で安定させたエアカッターは全部で10枚あり、それらをアンガス君に放つとエアカッターはアンガス君を囲むようにグルグルと周回する様に回っている
この魔法の本領発揮はこれからだ!
暴風刃と名付けた魔法だが、ただ単にアンガス君の回りを無駄に周回してるのではなく、エアカッターの速度を自在に調整しており、今からアンガス君の周囲を高速で回転させる
次第に風の渦が発生!
しかもエアカッターの回転方向にも工夫を凝らしており、1番上が右回りなら2番目は左回りで回っており、1番から10番までがそれぞれ交互になってアンガス君の周囲を回っている
この攻撃から抜け出そうと思えば出来ない事はない
上は空いていて下は地面なので、飛ぶなり地面を掘るなりして頑張れば抜け出せない事もないが・・・・・・その時点で暴風刃がすぐに遅いかかるだろうけどね
それでなくても逃げれないように塞ぐ事も全然出来るが、今回は実験と言う事でこの暴風刃の効果がいかがなものかを知る為なので、このまま実行する
凄まじい速さでアンガス君の周囲を回ってる事で、先程とは段違いの竜巻が発生していて、既にアンガス君の姿は風の渦に覆われて見えない状況だ
こうしてアンガス君は身動きの取れない状態となる!
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