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死の大陸編 青年期
第56話. お供物
しおりを挟む至る所から流れ出る地下水脈が、この地底湖に集まるように流れ落ち、その音だけが響き渡り聴こえてくる
それ以外の音は遮断されたように、辺りは静寂に包まれている
体感的にもヒンヤリとしていて、ちょっと肌寒いくらいだ
僕が今いる場所から地底湖の奥100m位だろうか………そこにヌシと思われる魔物の反応があるので、その場所へと飛んで移動し
その場所の真上に移動してから、今日、アースが倒したアンフィスの頭1号を収納部屋から取り出す
この頭1号は真っ二つになっていたので、ヌシへのお供物として2つまとめて一緒にそっと地底湖へと落とすと、そのまま沈んで見えなくなった
この後、何かしらの反応があると思い、このままここで待機していると、意外とすぐに反応してくれた
と言うよりも、正体不明の物体が猛烈な勢いで、こちらに向かって急接近して来ている
恐らくめちゃくちゃ癇に障ったのだろう
凄い勢いで浮上して来ているので、このまま空中で待機するよりも、先程、綺麗に整地にした場所に移ると、ヌシの方も方向転換して、こちらを追いかけて来た
やはり地底湖のヌシはお供え物が、お気に召さなかったのだろう
そんなに急いで僕を追いかけて来なくてもいいのにと思いながら、ヌシの姿が確認出来る所で待っているとついにその瞬間が訪れた
地底湖の水面がゆらゆらと波立ち始め、次第に激しく波打ち、ついにその瞬間が訪れる
ようやく蛇の頭が見えてくる
恐らくこのまま戦闘になると思うが、一応アースに連戦になるが戦う意思があるか聞いてみる
帰ってきた答えは「眠たいよ」だった
もとよりアース君は戦うつもりもなかったので、今回は僕が戦う事にして、まずはヌシを確認する為、地底湖の方に視線を戻す
おそらく地底湖から追いかけてくるヌシの正体は蛇達の大ボスだと思っている僕は、現れた魔物の姿を観て驚く
地底湖から這い上がって来たのは双頭の蛇と比べても全体的に半分程の大きさしかなかった
………が、しかし!
首が5つもある蛇だった!!
すかさずアースに確認すると、この蛇の個体名はアンガス!
この種の蛇は進化する度に頭が1つずつ増えて行き、その増えた事によって、魔力が更に上がることで個体が強化されて強くなるそうだ
………おしい!………非常ぉに、おしい!!!!
であればあと3回進化していたら、僕はヤマタノオロチと遭遇出来たかもしれなかった
が、しかし頭が5つもある姿を観ると圧巻だ!
先程の双頭の蛇でも充分に驚いたが、こうも立て続けに驚かされてしまうと、僕もまだまだだな!
この世界では驚きの連続なので退屈する事はないが、同時に力を持たぬ者なら、この地で生きていけない事も事実だ
この世界を生き抜くには、常日頃からの鍛錬と警戒を怠らないようにしなければいけない!
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