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死の大陸編 青年期
第51話. 手抜き
しおりを挟むやや劣勢気味のアース
頑張れアース君!
このままだと君の判定負けになってしまうぞ!
流石にアースも今の攻撃で頭に来たんだろう
すぐに森から出て来ると、猛烈な速さでアンフィスに突進するが、相手はすでに迎撃体制で待ち構えていて、頭1号2号の息の合った連携で水の刃と氷塊で向かい撃つ
そんな攻撃なんてお構いなしとばかりにアースが更に加速し、アンフィスの攻撃を掻い潜り、頭1号の首元に風の爪を数発叩き込むのに成功するが、アンフィスの鱗が異常に硬く弾かれてしまう
ガチガチガチーーン!!
アンフィスの纏う鱗の強度が相当あるようで、風の爪が通らず弾かれると、一旦アースがアンフィスから距離をおく
アンフィスはアースの攻撃が全く効かなかった事で、自分を恐れ逃げたと思い一気に決着を付ける為、ここぞとばかりに勝負に出る
頭1号と2号の合わせ技が炸裂し、無数の水と氷の刃が放たれる攻撃は、あまりにも範囲が広く、アースの逃げ場所がないほどの広範囲攻撃だった
アースは多少のダメージを覚悟して、無数に放たれた攻撃の嵐の中に突進して行く
飛び込んだ瞬間、アースの纏う風の密度が急激に変化し、格段に魔力が跳ね上がった
地を這う弾丸のような勢いで走りながら、アースの口から放たれた炎の塊は、一直線に迫り来るアンフィスの攻撃に向かっているが、それはいつもの炎ではなく、僕がよく洞窟で使っている高密度の高火力球そのものだった
高密度に練られた高火力球がアースから放たれ、凄い速さで水の刃だろうが氷塊だろうが難なく貫き、その勢いは止まらず更に加速して行き、高火力球はアンフィス頭1号の首を突き抜け貫通する
アンフィスの動きが著しく鈍り、苦しそうにもがいている所、アースは瞬く間に、頭2号に詰め寄り風の爪で首を斬りつける!
スパン!!
先程、弾かれたのは何だったんだと思う程、今回の風の爪の切れ味は抜群で、柔らかい肉質でも切るかの様に弾かれる事も無く綺麗な切り口でアンフィス頭2号の首が切断されて川に落とされる
バシャーーン!
アースの魔力は高密度に魔力操作されており、戦闘開始時と違って、今はより強力になっていたのが明らかに感じ取れた
もしかしたら、相手の力量を見る為にわざと手を抜いていたのかさえ思えた
しかしながら頭1号はまだ諦めていなかったらしく、首に風穴が開いた状態で、先程同様の尻尾を使い反撃するが、その攻撃はとても弱々しく悲しくもアースに尻尾を斬り落とされてしまう
スパン!
ボトッ!
頭1号は尻尾を斬り落とされても最後の力を振り絞り、大きく口を開け鋭い牙でアースに襲いかかるが、これまた悲しくも風の爪にて頭を両断されてしまう
スパン!
ペロン!
川底へと消えた頭2号だったが、頭1号の頭部が半分に切断された事で、最終的には頭の数が2つになり再び双頭の頭へと戻るが、遂にアンフィスは完全に息絶えて川底へと沈んだ
アンフィスが息絶えたのを確認したアースはすぐに僕の所に駆け寄り、褒めてと言わんかばかりに頭を差し出すようになすり付けて来るので、僕は優しくアースの頭を撫でながら褒めてあげると、扇風機のごとし尻尾をブンブン振りながら、満足げな表情を浮かべてご満悦だ!
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