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死の大陸編 青年期
第43話. マッハの領域
しおりを挟むズドオオオオーーーン
・・・・・・・
「やっぱり今日もか」
いつものように、アースは先にフライングして一瞬で消え去ってしまった!
負けず嫌いと言うわけではないんだが、最初からアースは何かを勘違いしているのだろう
ただいつもながらこの光景を見るたびに、僕が初めて飛行を覚えた時の、トラウマを思い出してしまう
あの時も今も全く変わっていないアースは、僕を置き去りにして、自分だけ素っ飛んで行くが、今の僕は昔と違い、アースがフライングしようが、どれだけ先に行こうが慌てない
あえて、アースにハンデを与えてやっているようなもんで、僕が遅れて追いかけても、すぐに追いつける程に成長しているのだ
毎回毎回、学習しないアース君だが、今日もあの時の仕返しをしてやろうと、僕は慌てる事もなく、飛行モードに入り、アースを追って霊峰山に向かう
現在の僕が高速モードで飛ぶと、恐ろしい速度を叩き出していると思う
ただ実際、どの位の速さで飛んでいるのかは計測器が無いので速度は分からないが、飛び始めて間もない頃は周りの景色の流れる感覚で100㎞位じゃないかと、勝手に思い込んでいた
それを基準にすると今は、音速の領域に達したんじゃないかと思う位に速くなっていると、これまた勝手に思っている
飛行中、全身で魔力操作を施し、更に空気抵抗を極限まで少なくする為、僕自身を風の層で覆い、風の噴出角度を調整したりしているので、今はホーミングミサイル的な気分でアース君を追尾している
間もなくして、アースを発見!
難なくすぐに追いついてしまった。
空を駆けるように飛んでいるアースが視界に入り、あっという間にアースの横に並ぶと、いつものように何やら僕に文句を言い、泣きそうな顔でこちらを見てくる
「アース!まだ、こんな所にいたんだ!先に行ってるねぇ」
「リン!ズルイよぉ!」
よくもそんな事が言えたもんだ
自分はフライングしときながら何がズルイのか、訳の分からない事を言い出すので、そのまま置き去りにする
それでも最後までぶつぶつ文句を言っているが、僕は心優しいので、たとえアースが負けてもご褒美だけはちゃんとあげるつもりだ
以前は酷いもんで、僕に抜かれて勝てないと思いきや、すぐ刻印の中に入り込んで来ていた
流石にそこまでの反則行為をした時は、1週間の飯抜きにしてやった
その時のアースは、いつものような量を食えず、ダイエット成功でシルエットがシュッとしていた
アースを置き去りにした後、そのまま本気の飛行モードで飛び続け、霊峰山が見えてくる
余裕の大差で、先に僕が霊峰山に到着したので、アースを待つ事もなく、そのまま奥のtheフェンリルがいる場所まで歩いて行くと、いつものように2人は横になっていて、僕の姿を見るなり安心した表情を浮かべている
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