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死の大陸編 幼少期
第22話. フェンリルの棲家2
しおりを挟む全くフェンリルの考えている事が分からない
それなのに、遠慮のかけらもく魚をひたすら食べている!
どれだけ食うんだよと言うくらい遠慮なく次から次に食べている!
いっこうにフェンリルとの会話が成立する気がしないので、僕は僕で考える
フェンリルは飛んで行くと言っていたので、言葉の通り、空を飛ぶ事が出来るんだろう
と言う事は魔法を使っているのだろうから、どうにかしたら僕でも出来ないだろうか
そう考えてる時に、ふと昨日の出来事が頭をよぎる
あ、空飛ぶ蛇!!
自分自身は飛んでいなかったが、昨日の運搬作業で蛇を飛ばしていたじゃないか
風魔法で他の物体を浮かせる事が出来るんだから、自分自身を浮かせる事も出来るはずだと思いチャレンジしてみようと試みる事にする
「ごめんけどご飯を食べた後、飛ぶ練習をしたいので時間もらっていいかな?」
「えっ?リン飛べるの?」
・・・・・・
おいおい飛べないから練習するのであって、しかも僕がこのまま飛べなかったらコイツはどうするつもりなのかを逆に聞いてやりたい
「今はまだ飛べないけど、君が飛べるなら僕も飛べるんじゃないかと思って練習したいの」
ちょっとばかり皮肉めいたものを込めてしまったが、奴には全く効果が見られない
実際フェンリルに乗せてもらう事も出来なければ、僕自身が飛べないと何も始まらないので、これはもう試練なんだろう
走って行く試練なんて考えたくもないので、夢に向かって飛べる試練を何が何でも成功させてやる
「凄いねぇ、リン、頑張ってね」
「う、うん、ありがとう、頑張るよ」
とにかく考えても始まらないので気を取り直してさっそく飛ぶ練習を始める
食後すぐに練習に入り、まず蛇を浮かせていた要領で自分自身を風魔法を使って操作してみる
蛇の時は上昇気流で下から持ち上げるイメージだったが、今はそれとは逆で足の裏から風を放出して、僕を浮かせるイメージで試みる
ふわりと浮遊感を感じた瞬間、いきなり浮くとは思ってもみなかったので焦ってしまい、そこで一旦僕の集中力が途切れ、地面に着地する
一瞬でも浮いた事が嬉しかったので、今の気持ちをフェンリルに伝えようと、周辺を探すと奴は飛んでる蝶々みたいなのと戯れて遊んでいた
フェンリルは無視して再度、気を引き締めて集中する
体感的に浮く感じが分かったので、次は焦る事もなくスムーズに浮いている状態をキープする
この状態から徐々に上空へと高度を上げて行く
まずは上昇と下降を繰り返す
ある程度慣れて来たので、次は足からだけでなく両手からも風を放出することで、右に左に方向転換が可能となる
しばらくの間、練習したので次は実際に飛行してみようと試みるが、結果は無様だった
飛ぶというイメージが僕にとって、スーパーマンみたいに、上空を地上と水平になって片手にしろ両手を進行方向に突き出して飛んで行くもんだとイメージしていた
しかし、僕は立った状態のまま進むというなんともマヌケな格好になってしまった
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