16 / 260
死の大陸編 幼少期
第13話. 焼き魚
しおりを挟む「何⁉︎何⁉︎何⁉︎リン何してるのぉ⁉︎」
今更だが、僕はフェンリルがどんな生き物でどんな存在かも知らない。
それこそ今でも犬か狼で、割合的に狼が強い程度としか思っていなかった。
サイズ的にも柴犬位の大きさなので見た目からして可愛い
これが大人サイズになると見た目も全然違ってくるのだろうけど、フェンリルがどこまで大きくなるのか今の僕はそれすら分からない。
ただこの小さなフェンリルが、他の生物よりずば抜けて強い事が先程の感知の反応で分かった!
「ねえねぇ、何してたのリン?」
「ご飯を食べていたよ」
「それ魚だよねー」
……魚は共通認識でいけるのかぁ……
「そうだよ。焼いて食べていたんだ」
「焼いて食べる?んっ?なんで焼くの?」
「そのまま生でも食べれるけど、焼いた方が美味しいからかなぁ」
「焼けたのがあるから食べて見るかい?」
「いいのぉ!いるっ!いるっ!」
僕は刺してる串を魚から抜いてフェンリルの前に置いてあげる
「焼いたばかりで熱いからちょっと冷ま……」
僕がフェンリルに言い切る前にいち早く魚を咥えてしまう
「グウァゥ!」
「ほうら熱かったぁ!」
「ヴヴゥーーーー」
「すぐ冷ましてあげるから、ちょっと待っててね」
すぐさま風魔法で熱を冷ましてあげる
相当熱かったみたいでフェンリルはバックステップで後ろに距離をとっていた。
「はい、もう食べていいよ」
恐る恐る焼き魚に近寄りニオイを嗅ぎ、僕の方を見る
「今度は大丈夫だよ」
再びフェンリルは魚を咥えて食べ始めると、今度はあっという間に食べてしまった
「リン‼︎これ美味しいねぇ」
ただ焼いただけなのにこんなに喜んでくれるなんてなんかちょっと嬉しく思う
フェンリルは1匹食べ終えると、物足りないのか僕が釣った魚の入れ物をずっと見続けている
「まだ欲しいの?」
「うんっ‼︎欲しいっ!欲しいっ!」
「そうだね。君には昨日からずっと助けてもらってばかりだったからね‼︎」
焼くスペースを少しばかり、広くしてから保存用で10匹ほど残し、あとの残り全部20匹を焼き始める
フェンリルが食べれない時は持ち帰ればいいやと思い、火魔法で手早く焼き上げる
「リン、魔法使うの上手になったねぇ!早いねぇ」
「うん、あの神聖な水辺から此処に来るまでずっと練習してたからね」
水辺でフェンリルがいなくなってから今までの事を話しながら魚を焼き終え、風魔法で熱を冷ましてからフェンリルの前に置いてあげる
すると1分かからない早さで骨まで食べている!
焼いては冷まし、そして置く!
この工程を繰り返し、結局は20匹全部を跡形も無く5分とかからず食べ終える
「美味しいねぇ‼︎リン‼︎美味しいねぇ‼︎リン」
まだ食い足りねえぞ・・・・と言わんかばかりの表情が伺え、フェンリルは保存用の魚に向いて喋っている
先程からフェンリルが口にする事は、〝美味しいね、美味しいね〟
お前はオウムか!とツッコミたくなってくる!
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。


クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる