9 / 260
死の大陸編 幼少期
第6話. ドックタグ
しおりを挟むビクッ!!
えっ⁉︎
不意に発せられた声の主は、すぐ近くから聴こえた。
「どおしたのぉ⁉︎」
「えっ?」
「ひょっとして、僕を追いかけてきたのぉ⁉︎・・・・よくこの場所が分かったねぇ」
その声を聴いた途端、僕の今まで張り詰めていた緊張の糸がプツリと切れ、そのまま意識を無くなり倒れ込んでしまった
・・・・ビックリしたフェンリルが僕に向かって呼びかけるが、その呼びかけも届かず眠りに就いてしまった!
「あれっ、どおしたのぉ⁉︎」
「・・・・・・・・・」
「ねぇ、死んじゃったぁ⁉︎」
「・・・・・・・・」
フェンリルはいきなり倒れ込んでしまった僕に近寄ずき、先程と同様に顔をひと舐めするが、反応がなくすでに僕の意識は無く、そのまま眠っていてその後の事は何も覚えていない
「こんな所で寝ちゃうの⁉︎もぉ仕方ないなぁ!」
静かな寝息を確認したフェンリルは、僕を咥えてフェンリルが寝ていた場所まで運び、ぐったりしている僕を観ながらフェンリルも寝に入った
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
翌朝、僕が寝ている場所に陽の光が差し込み、目が覚めると洞窟の中だったので、昨夜の事が夢でなかったと改めて再認識させられた。
外からの明かりが差し込み、今いる洞窟内を見渡すと、僕が寝ていた所はこの洞窟の奥で行き止まりになっていた
改めて洞窟内を見ると入口からここまで20mほどしかない
フェンリルが今いる場所まで僕を移動してくれたんだろう
そこは絨毯らしきものが何枚も重ねて敷いてあり、その絨毯の上には昨日見たフェンリルの綺麗な銀色の長い毛がたくさん落ちていたので、ここがフェンリルの寝床である事がすぐに分かった
昨日の夜、あれほど神経をすり減らしながらここまでたどり着いた僕が、最後に聴いた声は間違いなくフェンリルだったんだと確信する
昨日はいろいろとあり過ぎて自分自身、訳が分からず考える事を放棄していたが、昨日からの出来事を整理しておく必要があると思い思考を呼び起こす!
まず僕は誰だ⁉︎
今、僕が着てる服から手掛かりになりそうな物を探すが何も出てこない。
ポケットにも何も入っていない。
身体のあちこち触り胸の所に何かの感触があり服の中を見ると、首にネックレスをしておりその先に金色に輝くドッグタグが付いていた。
そのタグを見てみるとAランクの文字が刻まれ、裏返すと「リン=ガーナ」の文字が刻まれている
リン=ガーナ⁉︎………これが僕の名前なのか⁉︎
身につけていたんだから、おそらくこれが僕の名前なんだろう!
実際には違って、これがペットの名前とかだったら笑える!
他にもいろいろ探すが何も出てこなかったので、とりあえず名前だけでも分かって良しとする事にした
さぁて、これからどうしたもんかな。
頭にまだ痛みもあるし、とりあえず頭に付いてる血を洗い流して、顔も洗いたい。
これじゃ全身血まみれで、この状態を誰かに見られたらビックリものだ!
そもそもこんな所に人がいるかどうかも分からないが、とにかくこの血を洗い流したいと思い、この洞窟から外に出ようと移動し始める
洞窟を出て外を見渡すと、まず僕の視界に飛び込んできたのは、空に大きな鳥??がたくさん飛んでいる光景だった
明らかに渡り鳥ではない!
しかもサイズが大きい!
遠目に観てもドラゴン????
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり
イミヅカ
ファンタジー
ここは、剣と魔法の異世界グリム。
……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。
近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。
そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。
無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?
チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!
努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ!
(この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。
SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。
サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる