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死の大陸編 幼少期
第3話. ブラックパイソン
しおりを挟むフェンリルから放たれる風の刃が、木々を切り倒していく音が聴こえると共に振動も伝わってくる
バサバサ!スパーン!!バゴーン、バサバサ、スパーン、バゴーン、バサバサ・・・・・
「・・・・・・・・え!!!!」
「何、何、何⁉︎今の凄いねぇ!どうやったのぉ?」
フェンリルは自分のことを褒められて嬉しいのか、すごく満足気な表情をしながらずっと僕の方を観ていた
すると、フェンリルは僕が聞いてもないような事を自分から話し出す
「今のはねぇ、僕の風魔法さっ‼︎あと炎に土も使えるよっ‼︎あとね、あとね、僕が本気で走るとすっごく速いよっ‼︎」
なんだかちょろいぞ、このフェンリル!このまま褒めちぎってみようとさえ思えてくる
「へえぇ、ホントに君は凄いんだねぇ!……で、魔法ってなぁに?」
「ヒト族は魔法も知らないの?」
「ごめんねぇ、知らないのか知ってるのかも思い出せないんだ。」
「そうだったね。簡単に説明してあげると各個体差はあるけど、魔法というのは魔力の素となる魔素を消費して発動するんだけど、この魔素ってのは生命の源であり生きとし生けるものの生命の事だよ。」
「生命かぁ!」
「分かったぁ⁉︎」
「すごく端的な説明だったが、分かったような、分からないような・・・・」
「んっ?たんてき?何何?」
「うん、ありがとう!なんとなくだけど分かった気がするよ。それにしてもホントに君は凄いねぇ‼︎自分の生命エネルギーを魔素に変換して魔法を発動するんだね。…そんな事が出来るんだぁ」
「何それっ、生命エネ……へ、へかんってのは?」
「生命エネルギーに変換ねっ!要は自分の命を使って魔素に交換して魔法を使うって事だよね。」
「うぅーーん、そうそう。」
絶対にこのフェンリル、分かってないな
「風魔法は今のを観て分かったけど、それ以外の土魔法も観てみたいなぁ⁉︎・・・もっと凄いんだろうなぁ!!」
「いいよおぉ!!見せてあげる!!」
やはり、ちょろいな
フェンリルはブラックパイソンの屍がある方向を向くと左前脚を地面にドンと叩くと、ブラックパイソンの周辺から地響きの様な音と振動が伝わって来たかと思った瞬間・・・・地面から鋭利な岩が無数に突き上げて来た!!
「ゴゴゴゴゴゴーーーー!!」
「バシュバシュバシューー!!」
地面から無数に突き出た岩によって、ブラックパイソンの屍は風魔法で輪切りにされた状態から、今度は岩で串刺しにされてしまい無惨な姿となる!
「じゃぁ、次は炎行くよ⁉︎」
「えっ?次、炎行っちゃうの?」
何も言ってないけど、なんだかやる気満々になってしまったので!まっ、いっか!
フェンリルは口を開け、ひと声「ヴォン」と吠えるとその瞬間、口から巨大な火の玉がブラックパイソン目掛けて放たれた!!
「バゴゴオオォォーーン!!!!!!」
火の玉は周辺の岩場を吹き飛ばし、既に無惨な屍となっていたブラックパイソンは原型を留めておらず消し炭と化し殆ど何も残っていなかった。
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