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死の大陸編 幼少期
第1話. ZEROの惑星
しおりを挟むこの地は死の大陸と呼ばれ、昔はランディア大陸と名付けられていた。
そして無限に広がる宇宙の何処かにある、この惑星には地球といった名前は付いていない。
ただ地球と同じように空気もあれば陸もあり、山に川、そして海もある。
当然、その環境に応じた生物も生存している。
太陽や月もこの惑星を周回していて、沢山の小惑星がいくつも存在している
明るさや気温は多少違えど地球とほぼ変わらず似たような環境にあった。
そしてこの惑星は太古よりZEROと呼ばれている
この地にも、あらゆる生命体がいて弱肉強食の世界で生態系が成り立っており、地球のような高度な文明もない
ここは果てしない宇宙に存在する数多の銀河の中にある1つの惑星だが、地球からどれ程の距離と時間を要するかも想像すら出来ないが、距離に換算できたとしても天文学的な数字になるだろう
今この地に1人の男の子が頭から血を流した状態で倒れていた。
そこはフェンリルの住まう場所近くの岩場だった為、突然降って湧いたように現れたその気配に1体のフェンリルの子供が血の臭いを嗅ぎ取り、その発生源に向かう
そこでフェンリルの子供は今まで見たこともない子供の生き物を見つけ、頭から血を流している子供の近くに警戒しながら近寄る
「んっ‼︎あれは何だぁ?小さいのがいるぞ!……突然何処からともなくに現れた気配と血の臭いの正体はあれなのかぁ?オーガなのか?それともオークかゴブリンの子供かなぁ?」
フェンリルの子供は警戒を強めながらも倒れている子供に近寄り声をかける
「ねえねえ、君は何でこんな所で血を流してるの?何族の子供なの?何でここで寝てるの?オーガなの?ゴブリンなの?それともホビットなの?」
返事が返ってこないので、前脚でコツンと小突いてみた。
「トントン。ねえねえ。」
それでも返事が返ってこないので、フェンリルは倒れている子供の顔を覗き込んでみる
「何で怪我してるの?血ぃ出てるよぉ。死んじゃったのぉ?食べちゃうよぉ。」
すると倒れている子供の血の臭いに引き寄せられ、ブラックパイソンという全長はゆうに7mはある大型の蛇が、岩場近くの木の陰から体をくねらせ倒れている子供を捕食しようと近付いて来た
フェンリルの子供は自分の何倍もある大型の蛇を見ながら驚く事もなく呟く
「この子供は僕が先に見つけたんだからね‼︎横取りしちゃ駄目だよぉ。」
当然ながら蛇との会話が成り立つ訳もなく、ブラックパイソンはフェンリルを威嚇した直後、口を大きく開けて倒れている子供に飛びかかった。
「「シャァァァーー!!!!」」
「だから横取りは駄目だって言ってるでしょぉ!」
フェンリルの子供はブラックパイソンに対し、右前脚を振り下ろす仕草をすると、前脚からカマイタチのような鋭利な風が放たれ、ブラックパイソンの頭と胴体が切断されてしまう
切断された胴体はその場にドスンと落ちるが、未だに胴体の方は頭がくっついてると認識しており暫くはクネクネとうねらせていたが、それもやがて動きが止まる
一方、未だに頭の方は胴体がくっついてると認識していたが、胴体が無くなくなり身が軽くなったことで飛距離が出てしまい倒れている子供を飛び越していく
再びフェンリルは倒れている子供をそっと覗き込む。
「ホントに君の種族はなんだろう、不思議だねぇ?」
子供の顔をクンクンと匂い、ほっぺをペロンと舐めてみるフェンリル
「うぅん、獣人族特有の臭みはないなぁ」
それに反応して倒れていた子供が呻き声をあげる
「うぅん、うぅぅーー」
フェンリルの子供はその呻き声にすぐ反応して両耳が〝ピョコン〟と立つ
「起きたっ‼︎ねぇ起きたっ‼︎」
更にもう1度フェンリルが子供のほっぺをペロペロと舐めると、子供はそれに反応して瞼がゆっくりと開き目を覚ます
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