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久々の会話
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翼を残像が見えるほどの速さで振りながら、現れたのはコウモリだ。
そうだよ。あいつだ。
あれって美味しいのだろうか。
いや、そんな事を言ってる暇はない。
久しぶりの飯だ。
なんか、牙向けて来てるけどそんな事気にしない。
「今日の晩御飯じゃー!」
飯が噛みついてこようとするのを予想した俺は
あえて手を差し出し、噛みつく瞬間に下にかわし、
思いっきりアッパーパンチを当てる。
この極限状態だからか、戦闘能力が少し上がってる気がする。
残りの奴等は、発電機を振り回して無事仕留めた。
ここに来る前に食ってたら吐き出していそうな
ゴミのような味がしたが、今はご馳走だ。
残りの飯は腐るかも知れないが、一応とっておく。
食べ終わった俺は立ち上がり、いつものように探索を続ける。
歩いていると、辺り一面氷だらけのとても寒い雪国のような場所を見つけた。
氷があれば、コウモリ達が腐らないようにできる。
そして俺はついでに、何個か塊を砕いてバッグに入れた。
コウモリが出たときに武器として使うためだ。
また歩き続けていると、
今度は面白い模様の3つ集まった光る結晶を見つけた。
中で赤い何かがうねうねいる。
俺は早速氷を取り出し、根気強く打ちまくる。
ちょっと砕きすぎて小さくなってしまったが、まぁいいや。
手に取ってみると、まるでカイロのように暖かい。
防寒に使えそうだ。俺はポケットに入れた。
今日はたくさんの収穫があった。
武器にも使えて、飲み物にもできる氷を手にいれ
温かい謎の結晶も入手した。食料もある。
そろそろ疲れてきたし、今日はここで寝よう。
座るのにちょうど良い岩もあるし。
俺は座りながらバッグをあさる。
その時、何かが頭をよぎった。
(..そういえば)
確か使わなかったが、スマホを持ってきていたはずだ
山に行く途中のバスでゲームしようと思ったが
友人の『真人』がレク大会を勝手に始めたため、
結局入れたまんまだった。
インターネットは使えないだろうが、時間はわかるはずだ。
《2月8日、19時40分》
(えぇと、確か登山の日は3日だから..)
5日もたってんの!?
そんなに、時間が過ぎているとは。
恐らく気を失っていた時、結構起きるまでに時間が
掛かったのだろう。
19時なら....
もう少しだけ辺りを探検しようか。
と、立ち上がった瞬間。
画面が変わり、聞き覚えのある声が、初めて洞窟に響いた。
《直也様、こんばんわ。AIのperoです。》
「うお、勝手に喋った!」
《私も何故自由に発言できるかわかりません。
今、あなた様が端末を起動した瞬間、プログラムが
変更されたのです。》
「ほ..ほお。つまりどゆこと?」
《誰がやったのかは知りませんが
許可なしに発言できるようになり、
カメラアプリを使って視覚を得て、聴覚も、アプリによって授かりました。
ついでに、この場所の情報もインプットされました。》
「最後は特に役立つけど、
お前ってそんなお喋りだっけ?」
《それも変更による影響です。》
視界、聴覚、それにここの知識。
一体誰がやったのだろう。
気絶してる時か寝てる時に、でも何の意味が。
「取り敢えず、ここの情報を教えてくれないか?」
あまり、他者の情報を信じすぎるのは反対派だが、
今回限りは彼女しか居ないのだから..
彼女はたくさん教えてくれた。
まず、ここは無限迷宮で、しかも日々形や、自然物が変わること。
曰く、神々が作った新世界だとか。
さらに、敵対するコウモリのような奴がいること。
俺の他にも、宇宙中から色んな生命がここに来て、
もう村や国もできたらしい。
魔法が使えたり、ダンジョンがあったり、道具や生活用品も、
"レシピ"と呼ばれる物を使って作れると言っていた。
普通なら信じ難いけど、
真剣に聞いている自分がいる。
もう、そのような経験をしてしまったから..
(じゃあ、その集落でも探そう)
俺と一緒に落ちた奴等も心配だが、
まずは安定した生活を。
とゆうか、裏切り者が潜んでいるのに、
安易に探して、見つけて、一緒に居てよいのだろうか。
「まぁ、取り敢えず今日は寝るよ。
色々とありがとう。」
いえいえ、と本物の人間のような言い方をした後、
《ちなみに、充電が切れかけています。
あと5分で限界かと。》
ちなみにって他人事かよ!
一応、充電できるのだが。
これが結構大変なんだ。
《は..早く、早くコンセントを!!》
少し声を枯らしていて、今にも死にそうだ。
いや、なんでそんな息切れなの。
いつもそんな感じなの?
罪悪感ハンパないんすけど。
このコンセントを差し込む場所が無いこの空間で、
唯一可能な方法。
それは、手回し発電機による地道な作業。
俺は、悟りを開いたかのような顔で回し続けた。
結局、寝れなかった。
そうだよ。あいつだ。
あれって美味しいのだろうか。
いや、そんな事を言ってる暇はない。
久しぶりの飯だ。
なんか、牙向けて来てるけどそんな事気にしない。
「今日の晩御飯じゃー!」
飯が噛みついてこようとするのを予想した俺は
あえて手を差し出し、噛みつく瞬間に下にかわし、
思いっきりアッパーパンチを当てる。
この極限状態だからか、戦闘能力が少し上がってる気がする。
残りの奴等は、発電機を振り回して無事仕留めた。
ここに来る前に食ってたら吐き出していそうな
ゴミのような味がしたが、今はご馳走だ。
残りの飯は腐るかも知れないが、一応とっておく。
食べ終わった俺は立ち上がり、いつものように探索を続ける。
歩いていると、辺り一面氷だらけのとても寒い雪国のような場所を見つけた。
氷があれば、コウモリ達が腐らないようにできる。
そして俺はついでに、何個か塊を砕いてバッグに入れた。
コウモリが出たときに武器として使うためだ。
また歩き続けていると、
今度は面白い模様の3つ集まった光る結晶を見つけた。
中で赤い何かがうねうねいる。
俺は早速氷を取り出し、根気強く打ちまくる。
ちょっと砕きすぎて小さくなってしまったが、まぁいいや。
手に取ってみると、まるでカイロのように暖かい。
防寒に使えそうだ。俺はポケットに入れた。
今日はたくさんの収穫があった。
武器にも使えて、飲み物にもできる氷を手にいれ
温かい謎の結晶も入手した。食料もある。
そろそろ疲れてきたし、今日はここで寝よう。
座るのにちょうど良い岩もあるし。
俺は座りながらバッグをあさる。
その時、何かが頭をよぎった。
(..そういえば)
確か使わなかったが、スマホを持ってきていたはずだ
山に行く途中のバスでゲームしようと思ったが
友人の『真人』がレク大会を勝手に始めたため、
結局入れたまんまだった。
インターネットは使えないだろうが、時間はわかるはずだ。
《2月8日、19時40分》
(えぇと、確か登山の日は3日だから..)
5日もたってんの!?
そんなに、時間が過ぎているとは。
恐らく気を失っていた時、結構起きるまでに時間が
掛かったのだろう。
19時なら....
もう少しだけ辺りを探検しようか。
と、立ち上がった瞬間。
画面が変わり、聞き覚えのある声が、初めて洞窟に響いた。
《直也様、こんばんわ。AIのperoです。》
「うお、勝手に喋った!」
《私も何故自由に発言できるかわかりません。
今、あなた様が端末を起動した瞬間、プログラムが
変更されたのです。》
「ほ..ほお。つまりどゆこと?」
《誰がやったのかは知りませんが
許可なしに発言できるようになり、
カメラアプリを使って視覚を得て、聴覚も、アプリによって授かりました。
ついでに、この場所の情報もインプットされました。》
「最後は特に役立つけど、
お前ってそんなお喋りだっけ?」
《それも変更による影響です。》
視界、聴覚、それにここの知識。
一体誰がやったのだろう。
気絶してる時か寝てる時に、でも何の意味が。
「取り敢えず、ここの情報を教えてくれないか?」
あまり、他者の情報を信じすぎるのは反対派だが、
今回限りは彼女しか居ないのだから..
彼女はたくさん教えてくれた。
まず、ここは無限迷宮で、しかも日々形や、自然物が変わること。
曰く、神々が作った新世界だとか。
さらに、敵対するコウモリのような奴がいること。
俺の他にも、宇宙中から色んな生命がここに来て、
もう村や国もできたらしい。
魔法が使えたり、ダンジョンがあったり、道具や生活用品も、
"レシピ"と呼ばれる物を使って作れると言っていた。
普通なら信じ難いけど、
真剣に聞いている自分がいる。
もう、そのような経験をしてしまったから..
(じゃあ、その集落でも探そう)
俺と一緒に落ちた奴等も心配だが、
まずは安定した生活を。
とゆうか、裏切り者が潜んでいるのに、
安易に探して、見つけて、一緒に居てよいのだろうか。
「まぁ、取り敢えず今日は寝るよ。
色々とありがとう。」
いえいえ、と本物の人間のような言い方をした後、
《ちなみに、充電が切れかけています。
あと5分で限界かと。》
ちなみにって他人事かよ!
一応、充電できるのだが。
これが結構大変なんだ。
《は..早く、早くコンセントを!!》
少し声を枯らしていて、今にも死にそうだ。
いや、なんでそんな息切れなの。
いつもそんな感じなの?
罪悪感ハンパないんすけど。
このコンセントを差し込む場所が無いこの空間で、
唯一可能な方法。
それは、手回し発電機による地道な作業。
俺は、悟りを開いたかのような顔で回し続けた。
結局、寝れなかった。
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