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タコさんとウサギさん
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「うわぁ! 空がとても近くにあるみたいで綺麗ですね!」
あまりの感動なのか、両腕を広げてくるくる回るアリア。
「おーい、転ぶなよー」
「あははは、明るい人だね。アリアさん」
「そうだな」
彼女を放っておいて、二人で柵に背を向け地面に座った。
「お!今日はタコさんが居んじゃん。なぁ、俺のおかず一個と交換してくんない?」
「タコ?タコをお弁当に詰めてるの?」
千冬は私の蛸形に調理されたウィンナーを見ると、すぐに自分のお弁当の中身を見せ、その中から選べと言うように差し出してくれた。同時に、千冬の歓喜の声を聞きつけ、意味がわからないと言ったようにアリアが近付く。
「二個入ってるから、一個は千冬にあげるよ」
「マジありがとう、俺のお袋は五人分作るからな、一々切ってられねーて言うんだよ」
「五人は大変だ。私は母と二人っきりだからか、お弁当はいつも張り切って作ってくれるんだよね。アリアさんはサンドイッチ?それだけで足りるの?」
「アリア、フルーツも持ってきてますよ」
そう言いながら彼女はタッパーを取り出して見せてくれた。
「おぉ!ウサギさん!楪のも凝ってんじゃん」
またもや千冬が目をキラキラさせる。小さな物に喜びを感じるのが、昔から変わらない千冬の可愛いところ。
「んふふ、後で一緒に食べましょ」
アリアが微笑みながらリンゴが入ったタッパーを三人の前に置いた。
あまりの感動なのか、両腕を広げてくるくる回るアリア。
「おーい、転ぶなよー」
「あははは、明るい人だね。アリアさん」
「そうだな」
彼女を放っておいて、二人で柵に背を向け地面に座った。
「お!今日はタコさんが居んじゃん。なぁ、俺のおかず一個と交換してくんない?」
「タコ?タコをお弁当に詰めてるの?」
千冬は私の蛸形に調理されたウィンナーを見ると、すぐに自分のお弁当の中身を見せ、その中から選べと言うように差し出してくれた。同時に、千冬の歓喜の声を聞きつけ、意味がわからないと言ったようにアリアが近付く。
「二個入ってるから、一個は千冬にあげるよ」
「マジありがとう、俺のお袋は五人分作るからな、一々切ってられねーて言うんだよ」
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そう言いながら彼女はタッパーを取り出して見せてくれた。
「おぉ!ウサギさん!楪のも凝ってんじゃん」
またもや千冬が目をキラキラさせる。小さな物に喜びを感じるのが、昔から変わらない千冬の可愛いところ。
「んふふ、後で一緒に食べましょ」
アリアが微笑みながらリンゴが入ったタッパーを三人の前に置いた。
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