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1年1学期
調教の週末-後半(寛解)
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結局土曜日も楓は二人の欲望の捌け口として使われ、散々嬲られて精を吐き出された挙句、ドッグフードしか与えられなかった。推奨量以上の媚薬を投与されていた楓は半分意識を失ったまま1日を過ごし、疲労で落ちた。
次の日の朝、強い空腹感と気怠さ、臀部の違和感にムラムラした感覚が楓を睡眠から引き摺り出す。頭だけ起こして左右を見ると、匠と陽介がスヤスヤと寝息を立てていた。少し冷える部屋の中、二人から伝う体温が心地良い。二週間前まで碌に人肌と触れ合ったことがなかった楓にとって、肌を合わせるのは何とも不思議な感じがして妙な安心感を齎した…その相手が無理に体を求めてきたとしても。
「…」
(うまくいくはずだったのに…これからどうすれば…)
光が見えたと思った瞬間再び闇に落とされ、楓はまるでオルペウスになった気分だった。
(同じ手はもう通用しないだろうし…しかもなんか後ろを弄られるのが気持ちよくなってきたような…もうやだ)
拘束されている箇所が痒くてモゾモゾすると、両隣にいる二人を起こしてしまう。
「おはよう、楓ちゃん」
「…お願い、もう離して。こんな生活もうやだ」
「…楓は俺達と一緒にいるの嫌?」
「…こんな事をしてくる人達と一緒に暮らしたくない」
「…」
楓のかつて無いほど強い意志が籠った言葉に二人は少し考える素振りを見せる。
(この様子は少し不味いな…ビデオの漏洩を覚悟して逃げ出す可能性もある…流石に少しやりすぎたか)
「楓ちゃんは何が嫌?」
「全部…殴られのもエッチするのも嫌。普通の友達になりたかった」
「楓…」
たじろいだ陽介は強い拒否を示す楓を背後から抱きしめ、反対側にいた匠は考えに耽る。
(意外と精神性が強いな…体のように素直だったらよかったんだが。始まりがアレだったから精神的にも受け入れ難いのかもしれないけど、反応から見て温もりと甘えられる相手には飢えているはず。ここは引いてみるか…押すのはいつでもできるしな。暫くの間優しく甘やかして、精神的に距離を少し稼いでからまた手を出そう)
「分かった。楓の嫌がることはできるだけしない。代わりに大人しく一緒にいてくれないか」
「…?」
(なぜ急に?弱みの動画もまだ手にあるはずなのに…でもこれは乗っても損はないはず)
「うん」
一応の和解を果たし、張り詰めた空気が和らぐ。陽介は匠の提案から何かを感じ取ったようで、何かを考えているようだった。
「じゃあこれとかは外してあげる」
匠は手早く腕と足の拘束を外し、首に巻きつけられた首輪も解く。
「前と後ろのも外した方がいい?』
「外してっ」
些か強い語気で要求する楓に従い、長い間楓のペニスを戒めてきた貞操具と後孔を埋めるプラグを取る。ようやく自由になった楓は凝り固まった体を伸ばす。
「楓ちゃんは朝ごはん何食べたい?」
「…フレンチトーストがいい」
「分かった、すぐに準備してくるね」
昨日まで好き勝手に体を暴いてきた男とは思えないほど聞き分けがいい匠に対して、楓は強い違和感を抱きながらもホッと胸を撫で下ろす。
(ついに良心に目覚めた…何っていう都合のいい話はないよね。何か裏があるだろうけど、絶対これまでよりはマシ)
思考で固まっている楓に抱きついたままの陽介はおずおずと口をひらく。
「あのさ楓、ハグは大丈夫かな?友達でもしたりするし」
「…それくらいなら」
これまでされてきた事と比べて大分可愛い要求を楓は受け入れる。余り拒否するとこれまでの生活に逆戻りするリスクが懸念でもあるが、自分よりも大きく厚い体に包まれると安心感を感じるのだ。陽介は嬉しそうに微笑むと、首元に鼻を寄せた。
(認めたくないけど、これだけはなんか癒されるんだよな。そこまで犬が好きな方じゃないけど、犬好きの人ってこういう行動にときめくのかな?)
少ししてから二人は朝の支度を始め、リビングで匠と朝食をとり始めた。
「楓ちゃん、どこまでOKなのか確認させて。セックスと暴力はダメだよね?」
「絶対嫌。フェラも手でするのもイヤだ」
「じゃあキスは?」
「それもヤダ」
「うーん、抱きしめたり、肌の触れ合いくらいはいいよね?友達でも普通にする事だと思うけど」
「…分かった、それだけなら」
思ったよりも上手く談判が進んで楓は内心大喜びだ。
(脱出できなかったけど、これなら何とか生活していけそうだ。最初からこれならよかったんだけど。今日からは自分で浣腸する必要も無くなるのか)
三人は余り時間がかけられなかった残りの課題を片付け、次の日の授業に向けて寝る準備をする。楓がシャワーを浴びている頃、陽介と匠はリビングで相談していた。
「匠、何を企んでいる?」
「特に何も?楓があまりにも嫌がるからね、推してダメなら引いてみるってやつだよ」
「…ここまで来て引いても…いや、案外効果が出るかもな。目の前の楓に手を出せないのはもはや苦行だけど、思い詰めた楓に逃げられるよりはマシか」
「割と効果覿面だと思うよ、少し時間がかかるだろうけど。性欲の強い陽介は御愁傷様。まあ昨日も一昨日も抱けたわけだし、その記憶でシコれば?」
「人のこと言えるほど余裕があるのか?今週はお前の番だろ」
「風呂場で処理したから大丈夫」
楓が風呂から出る音が耳に入り、二人はそれぞれの部屋へ戻った。一向に自分の部屋に来ない楓を探しに匠はその部屋へ向かう。
「楓ちゃん、そろそろ寝ないと」
「うん、もう寝る」
「じゃあ行こう」
「?いや、俺自分の部屋で寝る」
「エッチなことしないから一緒に寝よ?いいよね」
「え、い、いや」
「いいよね?」
「…うん」
断ろうとした楓だが、有無を言わさない雰囲気で問いかけてくる匠に気圧され、頷いてしまう。
(せっかくちょっと平穏になったのに、ここで無理に断って振り出しに戻るよりはいいかな)
大人しくなった楓の手を引いて匠はベッドに潜る。少し離れたところで体を休ませる楓に擦り寄った。
「おやすみ、楓」
「おやすみ」
心理的な負担が軽減された楓は心地良い温かさを感じながら久方ぶりの軽い気持ちで眠りに落ちた。
次の日の朝、強い空腹感と気怠さ、臀部の違和感にムラムラした感覚が楓を睡眠から引き摺り出す。頭だけ起こして左右を見ると、匠と陽介がスヤスヤと寝息を立てていた。少し冷える部屋の中、二人から伝う体温が心地良い。二週間前まで碌に人肌と触れ合ったことがなかった楓にとって、肌を合わせるのは何とも不思議な感じがして妙な安心感を齎した…その相手が無理に体を求めてきたとしても。
「…」
(うまくいくはずだったのに…これからどうすれば…)
光が見えたと思った瞬間再び闇に落とされ、楓はまるでオルペウスになった気分だった。
(同じ手はもう通用しないだろうし…しかもなんか後ろを弄られるのが気持ちよくなってきたような…もうやだ)
拘束されている箇所が痒くてモゾモゾすると、両隣にいる二人を起こしてしまう。
「おはよう、楓ちゃん」
「…お願い、もう離して。こんな生活もうやだ」
「…楓は俺達と一緒にいるの嫌?」
「…こんな事をしてくる人達と一緒に暮らしたくない」
「…」
楓のかつて無いほど強い意志が籠った言葉に二人は少し考える素振りを見せる。
(この様子は少し不味いな…ビデオの漏洩を覚悟して逃げ出す可能性もある…流石に少しやりすぎたか)
「楓ちゃんは何が嫌?」
「全部…殴られのもエッチするのも嫌。普通の友達になりたかった」
「楓…」
たじろいだ陽介は強い拒否を示す楓を背後から抱きしめ、反対側にいた匠は考えに耽る。
(意外と精神性が強いな…体のように素直だったらよかったんだが。始まりがアレだったから精神的にも受け入れ難いのかもしれないけど、反応から見て温もりと甘えられる相手には飢えているはず。ここは引いてみるか…押すのはいつでもできるしな。暫くの間優しく甘やかして、精神的に距離を少し稼いでからまた手を出そう)
「分かった。楓の嫌がることはできるだけしない。代わりに大人しく一緒にいてくれないか」
「…?」
(なぜ急に?弱みの動画もまだ手にあるはずなのに…でもこれは乗っても損はないはず)
「うん」
一応の和解を果たし、張り詰めた空気が和らぐ。陽介は匠の提案から何かを感じ取ったようで、何かを考えているようだった。
「じゃあこれとかは外してあげる」
匠は手早く腕と足の拘束を外し、首に巻きつけられた首輪も解く。
「前と後ろのも外した方がいい?』
「外してっ」
些か強い語気で要求する楓に従い、長い間楓のペニスを戒めてきた貞操具と後孔を埋めるプラグを取る。ようやく自由になった楓は凝り固まった体を伸ばす。
「楓ちゃんは朝ごはん何食べたい?」
「…フレンチトーストがいい」
「分かった、すぐに準備してくるね」
昨日まで好き勝手に体を暴いてきた男とは思えないほど聞き分けがいい匠に対して、楓は強い違和感を抱きながらもホッと胸を撫で下ろす。
(ついに良心に目覚めた…何っていう都合のいい話はないよね。何か裏があるだろうけど、絶対これまでよりはマシ)
思考で固まっている楓に抱きついたままの陽介はおずおずと口をひらく。
「あのさ楓、ハグは大丈夫かな?友達でもしたりするし」
「…それくらいなら」
これまでされてきた事と比べて大分可愛い要求を楓は受け入れる。余り拒否するとこれまでの生活に逆戻りするリスクが懸念でもあるが、自分よりも大きく厚い体に包まれると安心感を感じるのだ。陽介は嬉しそうに微笑むと、首元に鼻を寄せた。
(認めたくないけど、これだけはなんか癒されるんだよな。そこまで犬が好きな方じゃないけど、犬好きの人ってこういう行動にときめくのかな?)
少ししてから二人は朝の支度を始め、リビングで匠と朝食をとり始めた。
「楓ちゃん、どこまでOKなのか確認させて。セックスと暴力はダメだよね?」
「絶対嫌。フェラも手でするのもイヤだ」
「じゃあキスは?」
「それもヤダ」
「うーん、抱きしめたり、肌の触れ合いくらいはいいよね?友達でも普通にする事だと思うけど」
「…分かった、それだけなら」
思ったよりも上手く談判が進んで楓は内心大喜びだ。
(脱出できなかったけど、これなら何とか生活していけそうだ。最初からこれならよかったんだけど。今日からは自分で浣腸する必要も無くなるのか)
三人は余り時間がかけられなかった残りの課題を片付け、次の日の授業に向けて寝る準備をする。楓がシャワーを浴びている頃、陽介と匠はリビングで相談していた。
「匠、何を企んでいる?」
「特に何も?楓があまりにも嫌がるからね、推してダメなら引いてみるってやつだよ」
「…ここまで来て引いても…いや、案外効果が出るかもな。目の前の楓に手を出せないのはもはや苦行だけど、思い詰めた楓に逃げられるよりはマシか」
「割と効果覿面だと思うよ、少し時間がかかるだろうけど。性欲の強い陽介は御愁傷様。まあ昨日も一昨日も抱けたわけだし、その記憶でシコれば?」
「人のこと言えるほど余裕があるのか?今週はお前の番だろ」
「風呂場で処理したから大丈夫」
楓が風呂から出る音が耳に入り、二人はそれぞれの部屋へ戻った。一向に自分の部屋に来ない楓を探しに匠はその部屋へ向かう。
「楓ちゃん、そろそろ寝ないと」
「うん、もう寝る」
「じゃあ行こう」
「?いや、俺自分の部屋で寝る」
「エッチなことしないから一緒に寝よ?いいよね」
「え、い、いや」
「いいよね?」
「…うん」
断ろうとした楓だが、有無を言わさない雰囲気で問いかけてくる匠に気圧され、頷いてしまう。
(せっかくちょっと平穏になったのに、ここで無理に断って振り出しに戻るよりはいいかな)
大人しくなった楓の手を引いて匠はベッドに潜る。少し離れたところで体を休ませる楓に擦り寄った。
「おやすみ、楓」
「おやすみ」
心理的な負担が軽減された楓は心地良い温かさを感じながら久方ぶりの軽い気持ちで眠りに落ちた。
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