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幼少期
第五幕
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魔物を倒してお金を稼ぐ日々を送っていた私はとうとう15歳を迎えた。
自由な冒険者も良かったのだが、やはり私は王国軍の騎士団に入団することに決めた。軍の駐屯地で近隣の村から志願者を集めて行うという報せが村に届いた。
駐屯地までは歩いて2時間位だ。
平民でも能力次第で見習いでは無く騎士になれるからだ。
騎士になると使用人も雇えるとの事なので、アンとノラの就職先も兼ねてだ。
それに、騎士の甲冑って憧れるもんね。
当日、私は1時間前には着ける様に家を出た。
両親は快く送り出してくれたが、ミナにはこの世の終わりの様な顔をされてしまった。
ブラコンがどんどん進んでるな。
着くまでノラとアンの成長を考える事にした。
ノラは私の剣を打ち、防具を造り、修理してくれたのでスキルレベルも上昇し、「一流鍛冶師」になっていた。
ただ、まだまだ駆け出しなので専属にするなら今がベスト。
好意を寄せられてるのは分かってるから大丈夫だろう。
アンの「料理人」スキルも、魔物討伐の際にお弁当を作って貰い、料理からのエネルギーも得て戦っていたので充分スキルレベルも上がっている。
美味しい料理が食べれるのって幸せだよね。
そんな事を考ながら歩いていたら入団試験会場に到着した。
今回は平民の試験なので、対戦になったら私に敵う様な危ないやつは紛れていないようだ。
試験官から今回の試験内容が発表される。
定数に達していないので全員合格だそうだが、このままでは見習いの数が多すぎるので現在の騎士見習いと対戦し勝利すれば入団出来るとの事だ。
見習い相手とはいえ、仮にも騎士団員。
私以外の村の力自慢や、目立ちたがり屋では敵う相手では無いだろう。
案の定コテンパンにされていく志願者達。
そして私の番が来た。
相手は2つ歳上の槍使い。
いくらお互い訓練用の武器とはいえ、当たりどころが悪ければ大怪我を負う事になるが…
他に精霊使いが居ると、サラマンダー君がバレてしまうので今は隠れて貰っているから相手のスキルも見ることが出来ない。
難しい戦いだが、やるしかない。
試験開始の合図とともに鋭い突きが襲ってくる。
だが、落ち着いて弾き相手の懐に飛び込む。そして、相手の首に剣を振り下ろす。
当たる寸前で止めるものの、槍使いは諦めるつもりはないようだ。
騎士団も面子があるのか止めようとしない。
無駄に怪我をさせたくはなかったのだが仕方ない。
間合いをとった後もう一度突きにきたので、下に叩き落とし穂先を足で踏み、剣を振り下ろし槍を叩き折ってやった。
そのまま返す刀で横なぎに相手の体を斬った。刃は無いので鈍い音と共に槍使いの身体にめり込む。
そこまでやってようやく試験終了の合図。
槍使い君も筋は良かったがチートスキル持ちを相手にする不幸をお許しください。
結果として私は見習いではなく、新人騎士として入団出来る事になった。
騎士団の仕事は大きく分けて3つ。
高レベルの魔物討伐、治安維持、そして他国との戦争。
新人は治安維持任務が主体との事だ。
駐屯地は治安維持の拠点になるので小規模な街になっている。
家族や使用人が住める家も用意してくれるので、村に1度戻り皆を連れて来る事に決めた。
騎士団員になった証として、紋章入りのマントを与えられた。
マントを羽織り意気揚々と村への帰路に着いた。
騎士団から与えられた準備期間は1週間。
まずは、自宅に戻り両親とミナに顔を見せてあげよう。
自宅に戻った瞬間からミナがしがみついてくる。こうなる事は予想していたが、見事過ぎて笑える。
アンとノラの家にも行きたかったが、ミナがこれでは話しにならないな。
今日は1日一緒に居てあげよう。
翌日、アンとノラの両親の説得に出かける。
ノラの両親は意外にも理解してくれ、あっという間に話がまとまった。
確かに騎士の武器防具を作成してる子供が居ればノラの実家の武器防具屋も繁盛するもんね。
問題はアンの方だった。
アン本人はノリノリだったのだが、両親は可愛い娘を何処の馬の骨かも分からない奴に連れて行かれるのは反対するよね。
しかし、説得しなければアンの料理が食べられなくなってしまう!
騎士の身分を証明し、住む場所給金等細かな契約をする事で両親も安心して送り出してくれた。
自宅に戻り両親とミナについての話をした。
騎士になったことにより、家族も貴族に近い権利を得たので、ミナを学術都市で学ばせてどうかと提案してみた。
やはり「叡智」を持っているミナに、まともな教育を受けさせてスキルを上げさせたいからだ。
両親も、兄にベッタリなミナを苦々しく見ていたので賛成してくれた。
本人は納得しないだろうから、両親も共に行くと決めた。
必要な路銀の用意と、馬車の手配は私がする事になったので明日からも大忙しだ。
ちなみに、5年間の魔物討伐のお陰で、人生2度位は遊んで暮らせるだけのお金は稼がせていただきました。
準備に明け暮れ、ミナを説得する日々を送り、駐屯地に戻らなければいけない前日になった。
アンとノラに最終確認をした。やはりハーレムを作るには同意が大事だもんね。
しばらく大人しくさせていたサラマンダー君の事もどうしようか考えないとだな。
サラマンダー君との絆が深くなったからか、剣に火を纏わせる事も出来る様になったし、彼の見た目もドラゴンに進化した。
問題は強すぎる精霊ということだ。戦力と期待されて最前線に放り込まれるのもまだ現時点では避けたい展開である。
出来る人認定されて仕事を振りまくられた前世と同じ轍を踏みたくない。何のために転生出来たのか分からなくなってしまう!それだけは避けたい。
だが、今は打つ手が無いのが現状だ。
とりあえず駐屯地への帰路に着いた。
アンとノラそして二人の荷物と私の荷物を積んだ馬車。試験に向かう時とは違い大荷物だ。
駐屯地に着いた私達は、すぐに住む家に案内された。
駐屯地のあてがわれた家には鍛冶場は無いが、敷地はあるので作る事は出来る。すぐに手配した。
キッチンは普通に設置されているので問題は無かった。調理器具も揃っているし全く問題は無かった。
問題は騎士にあてがわれるという従者だった。
見覚えがあると思ったら、試験で戦った槍使い君だった。
武器を破壊され、騎士になる夢も奪った私に従者になるというさらなる屈辱を与えるとは、騎士団も鬼ですね。
防具を外した槍使い君はなんと女性でした。
男と思っててごめんなさい。
これは口が裂けても言えない事実ですよね。ほんとごめんなさい。
いくら分からなかったとはいえ、女子相手に本気を出すとは私も大人気ないな。
鍛冶場が完成したら、ノラに真っ先に槍を造って頂きましょう。
とりあえず今日は部屋を決め、荷物を解いて寝ることにした。
前途多難な共同生活だがお互いに頑張りましょうね!
槍使いさんのお名前は、サラ。
下級貴族の娘だそうだ。
私には罪悪感が凄くあったものの、サラは自分の慢心を砕いてくれた恩人という風に写っていて、私の謝罪よりもよくぞ自分を倒して下さいました的な空気が満載です。
そんな空気を出されると余計に申し訳なくなり、主従関係を維持出来なくなると感じた私は、サラの自信を取り戻す様説得する事に決めた。
自身を取り戻させる理由としては、サラは槍使いとしては非凡な片鱗を見せていたから。
あの突きは、私以外にはそうそう見切れるものではないだろうし、槍次第ではもの凄い使い手になってもおかしくない。
ただ、完成する前に私に出会ってしまった不幸。ただの自惚れではなく、自分の実力がそのレベルだという事に気付くのが遅かった私の責任だ。
それほどまでに、私の5年間の魔物討伐は自分を成長させていた。
貴族並に財産を築くほど討伐していたのだから当然か。
とりあえず、鍛冶場も出来たことだし、ノラに槍を作成するのに必要な素材を聞きに行こう。
私が所持している素材で作れる事は作れるのだが、やはりそれほど性能の高い槍を作成する事は出来ないようだ。
サラを鍛冶場に呼び、ノラと話をさせ、サラ自身が使いやすい槍を作成させよう。
私自身の剣も新たに新調したいが、それもやはり手持ちの鉱石よりも、良質な鉱石を集めないといけないようだ。
精霊使いの私が求める剣は、サラマンダー君の力を活かすため、魔力を反映出来る鉱石。
すなわち魔鉱石。
魔力を発する鉱石で、高位の精霊や魔物が発する強大な魔力に影響を受け、鉱石自体が魔力を発するという特殊かつ貴重な素材だ。
サラマンダー君の影響力を考えると、火の精霊石なら手に入りそうなのだが、影響を受けやすいとされる紅い鉱石を手に入れる手立てが無いのが現状だ。
色付きの鉱石はやはりそれだけで貴重な素材なのだ。なりたての新人騎士に簡単に回ってくる程優しくない世の中だ。
貴族の出入り商人ならば手に入れる事が出来るだろうが、そのツテが平民の私にはないのだ。
さすがにこればかりは、前世の記憶や才能だけでは乗り越えられない壁。
ただ、救いは新人騎士の任務なら現時点での手持ち武器で問題なく対応出来そうなので喫緊の課題ではないということ。
自由な冒険者も良かったのだが、やはり私は王国軍の騎士団に入団することに決めた。軍の駐屯地で近隣の村から志願者を集めて行うという報せが村に届いた。
駐屯地までは歩いて2時間位だ。
平民でも能力次第で見習いでは無く騎士になれるからだ。
騎士になると使用人も雇えるとの事なので、アンとノラの就職先も兼ねてだ。
それに、騎士の甲冑って憧れるもんね。
当日、私は1時間前には着ける様に家を出た。
両親は快く送り出してくれたが、ミナにはこの世の終わりの様な顔をされてしまった。
ブラコンがどんどん進んでるな。
着くまでノラとアンの成長を考える事にした。
ノラは私の剣を打ち、防具を造り、修理してくれたのでスキルレベルも上昇し、「一流鍛冶師」になっていた。
ただ、まだまだ駆け出しなので専属にするなら今がベスト。
好意を寄せられてるのは分かってるから大丈夫だろう。
アンの「料理人」スキルも、魔物討伐の際にお弁当を作って貰い、料理からのエネルギーも得て戦っていたので充分スキルレベルも上がっている。
美味しい料理が食べれるのって幸せだよね。
そんな事を考ながら歩いていたら入団試験会場に到着した。
今回は平民の試験なので、対戦になったら私に敵う様な危ないやつは紛れていないようだ。
試験官から今回の試験内容が発表される。
定数に達していないので全員合格だそうだが、このままでは見習いの数が多すぎるので現在の騎士見習いと対戦し勝利すれば入団出来るとの事だ。
見習い相手とはいえ、仮にも騎士団員。
私以外の村の力自慢や、目立ちたがり屋では敵う相手では無いだろう。
案の定コテンパンにされていく志願者達。
そして私の番が来た。
相手は2つ歳上の槍使い。
いくらお互い訓練用の武器とはいえ、当たりどころが悪ければ大怪我を負う事になるが…
他に精霊使いが居ると、サラマンダー君がバレてしまうので今は隠れて貰っているから相手のスキルも見ることが出来ない。
難しい戦いだが、やるしかない。
試験開始の合図とともに鋭い突きが襲ってくる。
だが、落ち着いて弾き相手の懐に飛び込む。そして、相手の首に剣を振り下ろす。
当たる寸前で止めるものの、槍使いは諦めるつもりはないようだ。
騎士団も面子があるのか止めようとしない。
無駄に怪我をさせたくはなかったのだが仕方ない。
間合いをとった後もう一度突きにきたので、下に叩き落とし穂先を足で踏み、剣を振り下ろし槍を叩き折ってやった。
そのまま返す刀で横なぎに相手の体を斬った。刃は無いので鈍い音と共に槍使いの身体にめり込む。
そこまでやってようやく試験終了の合図。
槍使い君も筋は良かったがチートスキル持ちを相手にする不幸をお許しください。
結果として私は見習いではなく、新人騎士として入団出来る事になった。
騎士団の仕事は大きく分けて3つ。
高レベルの魔物討伐、治安維持、そして他国との戦争。
新人は治安維持任務が主体との事だ。
駐屯地は治安維持の拠点になるので小規模な街になっている。
家族や使用人が住める家も用意してくれるので、村に1度戻り皆を連れて来る事に決めた。
騎士団員になった証として、紋章入りのマントを与えられた。
マントを羽織り意気揚々と村への帰路に着いた。
騎士団から与えられた準備期間は1週間。
まずは、自宅に戻り両親とミナに顔を見せてあげよう。
自宅に戻った瞬間からミナがしがみついてくる。こうなる事は予想していたが、見事過ぎて笑える。
アンとノラの家にも行きたかったが、ミナがこれでは話しにならないな。
今日は1日一緒に居てあげよう。
翌日、アンとノラの両親の説得に出かける。
ノラの両親は意外にも理解してくれ、あっという間に話がまとまった。
確かに騎士の武器防具を作成してる子供が居ればノラの実家の武器防具屋も繁盛するもんね。
問題はアンの方だった。
アン本人はノリノリだったのだが、両親は可愛い娘を何処の馬の骨かも分からない奴に連れて行かれるのは反対するよね。
しかし、説得しなければアンの料理が食べられなくなってしまう!
騎士の身分を証明し、住む場所給金等細かな契約をする事で両親も安心して送り出してくれた。
自宅に戻り両親とミナについての話をした。
騎士になったことにより、家族も貴族に近い権利を得たので、ミナを学術都市で学ばせてどうかと提案してみた。
やはり「叡智」を持っているミナに、まともな教育を受けさせてスキルを上げさせたいからだ。
両親も、兄にベッタリなミナを苦々しく見ていたので賛成してくれた。
本人は納得しないだろうから、両親も共に行くと決めた。
必要な路銀の用意と、馬車の手配は私がする事になったので明日からも大忙しだ。
ちなみに、5年間の魔物討伐のお陰で、人生2度位は遊んで暮らせるだけのお金は稼がせていただきました。
準備に明け暮れ、ミナを説得する日々を送り、駐屯地に戻らなければいけない前日になった。
アンとノラに最終確認をした。やはりハーレムを作るには同意が大事だもんね。
しばらく大人しくさせていたサラマンダー君の事もどうしようか考えないとだな。
サラマンダー君との絆が深くなったからか、剣に火を纏わせる事も出来る様になったし、彼の見た目もドラゴンに進化した。
問題は強すぎる精霊ということだ。戦力と期待されて最前線に放り込まれるのもまだ現時点では避けたい展開である。
出来る人認定されて仕事を振りまくられた前世と同じ轍を踏みたくない。何のために転生出来たのか分からなくなってしまう!それだけは避けたい。
だが、今は打つ手が無いのが現状だ。
とりあえず駐屯地への帰路に着いた。
アンとノラそして二人の荷物と私の荷物を積んだ馬車。試験に向かう時とは違い大荷物だ。
駐屯地に着いた私達は、すぐに住む家に案内された。
駐屯地のあてがわれた家には鍛冶場は無いが、敷地はあるので作る事は出来る。すぐに手配した。
キッチンは普通に設置されているので問題は無かった。調理器具も揃っているし全く問題は無かった。
問題は騎士にあてがわれるという従者だった。
見覚えがあると思ったら、試験で戦った槍使い君だった。
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男と思っててごめんなさい。
これは口が裂けても言えない事実ですよね。ほんとごめんなさい。
いくら分からなかったとはいえ、女子相手に本気を出すとは私も大人気ないな。
鍛冶場が完成したら、ノラに真っ先に槍を造って頂きましょう。
とりあえず今日は部屋を決め、荷物を解いて寝ることにした。
前途多難な共同生活だがお互いに頑張りましょうね!
槍使いさんのお名前は、サラ。
下級貴族の娘だそうだ。
私には罪悪感が凄くあったものの、サラは自分の慢心を砕いてくれた恩人という風に写っていて、私の謝罪よりもよくぞ自分を倒して下さいました的な空気が満載です。
そんな空気を出されると余計に申し訳なくなり、主従関係を維持出来なくなると感じた私は、サラの自信を取り戻す様説得する事に決めた。
自身を取り戻させる理由としては、サラは槍使いとしては非凡な片鱗を見せていたから。
あの突きは、私以外にはそうそう見切れるものではないだろうし、槍次第ではもの凄い使い手になってもおかしくない。
ただ、完成する前に私に出会ってしまった不幸。ただの自惚れではなく、自分の実力がそのレベルだという事に気付くのが遅かった私の責任だ。
それほどまでに、私の5年間の魔物討伐は自分を成長させていた。
貴族並に財産を築くほど討伐していたのだから当然か。
とりあえず、鍛冶場も出来たことだし、ノラに槍を作成するのに必要な素材を聞きに行こう。
私が所持している素材で作れる事は作れるのだが、やはりそれほど性能の高い槍を作成する事は出来ないようだ。
サラを鍛冶場に呼び、ノラと話をさせ、サラ自身が使いやすい槍を作成させよう。
私自身の剣も新たに新調したいが、それもやはり手持ちの鉱石よりも、良質な鉱石を集めないといけないようだ。
精霊使いの私が求める剣は、サラマンダー君の力を活かすため、魔力を反映出来る鉱石。
すなわち魔鉱石。
魔力を発する鉱石で、高位の精霊や魔物が発する強大な魔力に影響を受け、鉱石自体が魔力を発するという特殊かつ貴重な素材だ。
サラマンダー君の影響力を考えると、火の精霊石なら手に入りそうなのだが、影響を受けやすいとされる紅い鉱石を手に入れる手立てが無いのが現状だ。
色付きの鉱石はやはりそれだけで貴重な素材なのだ。なりたての新人騎士に簡単に回ってくる程優しくない世の中だ。
貴族の出入り商人ならば手に入れる事が出来るだろうが、そのツテが平民の私にはないのだ。
さすがにこればかりは、前世の記憶や才能だけでは乗り越えられない壁。
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