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第二章 魔導士学園 編

人質

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~十二柱の一人・ベルゼブブの視点~

 アスタロスが西の大陸へ渡り約束の3カ月が過ぎた。私は約束の地でアスタロスの帰還を待ちわびたが、ついに戻ってくることはなかった。
 どうやら、魔王に殺されたか、それとも操られて魔王の傀儡と化してしまったか・・・

 どちらにせよ、次なる1手を早急にうたねばならない。早くしなくてはアスタロスを連れてこの東の大陸へと侵攻を開始するのも時間の問題であろう。

 私が次なる1手を考えていると、1人の男が私を訪ねてきた。

「ヘーイ、ブラザー、いるかーい」

 バルベリスだった。バルベリス曰く、アスタロスが帰って来ないなら自分が助けに行くというのだ。私はミイラ取りがミイラになる事を恐れ、複数で行くべきだと主張した。


「俺の心配はいらないぜ ブラザー。相手が魔導士ってんならいくらでも殺りようはあるってもんYO!! ソウルメイトが囚われたとあっては重い腰をあげないわけにはいかないってもんYO!!」

 どうやらバルベリスは本気になっているようだった。その昔、その能力で魔導士の一個大隊を一人で殲滅したとういう実力は悪魔族の中でも伝説となっている。
 操る属性は悪魔族には滅多にお目にかかれない光の属性を有し、その固有呪術は魔導士の天敵ともいうべき能力らしく『魔導士殺しウィザード・キラー』の2つ名も冠しているのだ。


 私はバルベリスを信じ、西の大陸へと転移させる事にした………


~十二柱の一人・バルベリスの視点~

 悪そうな奴は大体アクマ 捕まった奴は仲間の水使いアクア

 俺の頭にはいつもビートが刻まれているぜ、メーン!!
 
「本当に一人でいいのか?」
ベルゼブブは俺に問いかけた。

「ソウルメイトがここから流出 俺の音色がオールカラー復讐」
俺のライムは絶好調だぜ、メーン!! 必ずアスタロスを連れて帰るYO!!

「頼んだぞ」
ベルゼブブの期待 見えるやつの死体 期待されるは一人勝ち


俺はスラム街で腕の立ちそうなゴロツキを探したんだYO!! なかなか俺の眼鏡にかなう奴はいなかったが、いかにもな奴らがなんとか見つかったYO!!
「ヘーイ、メーン。調子はどうだーい」
俺は友好の証を手で示したが、相手はノリが悪いやつみたいで何も返してはこねぇYO!!

「あー、なんだてめえは!! ここがどこだか分かってんのか? ああっ!!」
ノリの悪い奴はマジでかんべん  とりま悪悪戯わるいたずらなダチを断念

「これであるものを殺して欲しいんだぜYO!!」
差し出したるは金貨20枚 それを見た奴らは人畜無害 

目の色が変わったゴロツキ達をさらにやる気にださせるために俺はさらに条件をつけたYO!!
「これは前報酬だぜYO!! メーン!! 殺した奴には追加報酬でさらに金貨20枚だYO!!」

「「「ウォーーーッ!! 誰だ? 誰を殺りゃー、いいんだ? 貴族か? それとも王族か? ブラザー」」」
ゴロツキ共は声を荒げ 血走る目は皆赤目 報酬目当てで力合わせ 標的確実血だらけYO♪ 

「魔導士学園にいる生徒の一人だYO!! 魔法は使えないところを狙うから安心だYO!! 俺も陰から支援するYO!! ブラザー達だけにはやらせないYO!!」

「そんなんでいいのか? 楽勝じゃねえか!」

「ヘーイ、この依頼は例外的、失敗は許されないから油断大敵、了解? YO ブラザー」

「任せとけ。でかい声では言えねえが、こちとら暗殺、殺人、誘拐、やってない犯罪はないってもんよ」

 俺はゴロツキ共にターゲットの情報を教え、陰から支援することにしたYO!! 直接俺が出て行っては操られる可能性があるYO!! 陰から俺の固有呪術で支援するのが最善だYO、YO!

 さらに光魔法で自分の体を透過させるYO!! 油断しているところを俺の光魔法でズドンといくYO!!


 ゴロツキ共がターゲットに接触したYO!! 何かチビ二人も連れているが関係ないYO!! 
 今から始まるぜ、俺のビート♪ 目にもとまらぬ俺のスピード♪ 地面にKISSしろコンクリート♪ いつの間にやら任務完了ミッションコンプリート♪  
 
  今だぜYO! 喰らいやがれYO!
 
 『 独奏協奏曲リズムにのるぜ♪ 』 

 俺の固有呪術は、俺を中心とした半径666mの世界において俺以外の詠唱をキャンセルする能力だYO!! 魔導士に転生してしまったのを悔やむんだYO!! 魔法を封じられた状態で町のゴロツキ共にやられるといいぜYO、YO!!

 魔王の取り巻きが吹っ飛ばされるのを見て、俺のビートは最高潮に達したYO メーン



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