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第一章 ルード皇国 編
体育の授業・その3
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3年最初の格闘訓練は、俺は初戦に負けて、2回戦にサムシーと当たった。俺の強くなるという決意が働いたのか、僅差で再び勝利することができた。その後、3回戦で負けて7位という成績に終わった。順位は上がっていたが、サムシーに勝てただけだった。たぶん、俺はサムシーとは相性がいいのかもしれなかった。土属性というのは竜族では見られない属性なので、サムシーはなぜ俺に自分の、魔法が通じにくいのかが分からないようだった。
他のみんなはというと、ウェンディー、イグニス、エレオノールはともに1回戦を勝っていた。そして、ウェンディーとエレオノールはフレイに敗北していた。
そして、1位、2位を決める戦いはイグニスとフレイで行われることになった。
開始の合図とともに2人は距離をとり、青い炎を手と足に纏わせた。フレイは青い炎をイグニスめがけて吐き出した。しかし、イグニスはそれを真上に飛んで交わした。
「もらった。」
そう叫んで、フレイはその上空から降りてくるタイミングを狙って距離をつめた。
フレイは相手を飛ばして、空中で身動きがとれない隙を狙って攻撃するというコンビネーションがうまかった。しかし、イグニスには、その作戦は通用しなかった………
イグニスは上空に飛び上がったままかなり高い位置に浮いていた。
『宙に浮けるの??』俺は驚いた。
イグニスは宙に浮いた状態のまま、さらに魔法を発動させた。ドッチボールくらいの大きさの青い火の玉が無数にイグニスの周りを取り囲んだ。そして、さらに槍のような形状の炎も3本と、丸い輪っかのようのなものを5つ創りだした。イグニスは右手を振り下ろすと、炎の槍が順番にフレイめがけて飛んでいった。
フレイはそれを3つとも後ろに飛びのいて躱した。しかし、その槍に気を取られている間に、丸い輪っかがフレイを中心として取り巻いているのに気づくのが遅れてしまった。
イグニスが手の平を握りこむと、それに反応して円がフレイを中心として小さい円となり、フレイを縛り付け、身動きが取れなくした。
そこへ、イグニスの周りにあった無数の火の玉がフレイに襲い掛かった。
そこで、先生によって勝者が宣言された。
圧倒的だった。フレイは周りより頭1つ抜き出ていると思ったが、イグニスはさらにその上の力をつけていた。
そして、この結果がフレイの起こす凶行のきっかけとなってしまった。
それは、魔獣の討伐訓練でおこった。
体育の授業は3年目から、格闘訓練以外に、結界の外での魔獣の討伐訓練が追加されていた。はじめは3人か4人の班を作り、そのメンバーで工夫して獲物を仕留めるようにということだった。先生の話では、
「あなた達なら、一人で魔獣を相手しても楽勝ですから気楽にやってください。」
とのことだった。そのあなた達に俺は含まれているのかは謎だった………
俺はウェンディーとイグニスとエレオノールと班を組んだ。
結界の外に出るのはみんな初めてだったので、結界から出て後ろを振り返ると、さっきまで見ていた風景ではなく湖が広がっていたのは皆驚いていた。結界の効果で景色が違って見えていたのだ。
俺はというと別の結界の効果が発動していた。結界を出た瞬間に、ここにはいたくないという不快感が沸き上がった。その不快感は例えるなら、ゴキブリやムカデなど気持ち悪い虫がうじゃうじゃいる部屋にいるような感覚だった。
少し歩くと結界の効果がなくなったのか、普通に戻った。
魔獣の討伐は魔の森で行われた。魔獣を探すところから自分たちでしないといけなかった。だから、俺たちは一度ばらけて、魔獣を探し、1時間後にここで集合し、その後、4人で狩ろうということに決まった。
この作戦は良くなかった。俺が1人になるところを狙われてしまった。
フレイ達にである……
俺は息を潜めながら森を探索していた。みんなは余裕のようだったが、俺ははっきり言ってびびっていた。できれば2人で行動したかったが、情けない気もしたので言い出せなかった。
外の魔獣は言語も通じない相手である。格闘の訓練では先生が試合を止めてくれていた。もし命のやり取りであったなら俺は何度も死んでいたであろう。だから、1人の時に魔獣に襲われてしまったら、殺されることもありえると思っていた。
後ろからガサッと葉が揺れる大きな音と獣のグルルルルという唸り声がした。
大きな熊がそこにはいた。5mくらいはあった。
「でかい………」
よく見るとその左肩にはサムシーが乗っていた。熊の頭に右手をあてていた。
そして、その熊の巨体の後ろからフレイが現れた。
「よう。1人になったのまずかったな。ここで死んでも、魔獣の討伐に失敗したってことで誰も疑わないからな。お前が死んでも事故扱いになるだろう。」
そう言って、腕に青い炎を纏った。
『やばい、やる気だ。』
そう思って、俺は瞬時に後ろへ逃げ出した。
「待ちやがれ。」
「逃げるなでやんす。」
フレイは俺を追いかけてきた。熊の魔獣もサムシーを乗せて俺を追いかけてきた。どうやら、サムシーは魔獣を操っているようだった。
俺は走った。サムシーには最近勝っているといっても僅差だ。フレイには到底勝つことができない。そして、魔獣もいる。俺が勝てる見込みは1%すらもなかった。
2人は諦めるつもりはなさそうだった。
俺は風属性の魔力を前進に纏い、全速力で走った。いつまでたっても、振りほどくことができなかった。
しかし、俺は当てもなく逃げてるわけではなかった。北に向かっていた。禁忌の洞窟である。そこに逃げ込めばフレイとサムシーは近寄れないのではと考えていた。
「見えた。」
そこには洞窟があった。俺はそこに近づいた。100m付近でもルード皇国を出た時に感じた不快感、嫌悪感は感じなかった。俺には結界の効果は発動してないようだった。
振り返ると、フレイとサムシーはち止まっていた。
しかし、熊の魔獣は俺に向かって襲ってきた。振り上げた腕を振り下ろしてきた。しかし、熊の魔獣の動きは竜人達の拳にくらべて全然遅かった。止まって見えるレベルだった。なんなら、攻撃を紙一重で当たらず躱すこともできた。これなら、攻撃を食らわないように、徐々にダメージを与えていけば倒せる。そう確信して拳に炎の魔力を纏わせて、ボディーを殴りつけた。その瞬間、熊の魔獣の体に、熊の体の向こう側の景色が見える風穴があいた。そして、熊の魔獣は後ろに倒れた。
それを見たフレイは顔ゆがめながら俺に近づいてきた。サムシーはその場にとどまっていた。
俺は、フレイから逃げるために、洞窟の中へと入った。入っても俺は倒れることはなかった。洞窟の中は昼間だというの暗闇が広がっていた。俺は、洞窟の中3mくらい入ったところで入り口を振り返った。
その入り口付近にフレイをいた。俺が入っていくのを見たからなのか、洞窟の入り口に手を差し入れようとした。
その瞬間、激しい音が鳴ったと思ったら、フレイはその場に倒れてしまった。
俺はフレイに近づいた。どうやら生きてはいた。
その事実に俺はほっとした。と同時に、やってはいけないことをしてしまった罪悪感に襲われた。
けど、こうしなければ俺が殺されていたかもしれない………
俺はフレイを担いでサムシーのところまで行った。
サムシーは自分が担いでフレイを連れ帰ると言ったが、竜の呪いにもしかかっていたら、気絶してる時はうつる可能性もあると思い
「フレイは竜の呪いにかかっているかもしれないから、うつっちゃいけないから俺が担いで帰るよ。」
そう言った。
「竜の呪いがこんなところでかかるわけないでやんすよ。嘘つくなでやんす。兄貴をどこに連れていくつもりなんでやんす。」
俺が説明しよう思っていたらサムシーは続けた。
「竜の呪いはお前たち人間のせいでやんす。700年前の戦争で卑怯な人間が力で勝てないから使ったものでやんす。オイラのばあちゃんもフレイのじいちゃんもその戦争に参加して、帰ってきた後に竜の呪いにかかったでやんす。」
俺は固まった。アギリスも672年前の戦争の後に竜の呪いが出だしたと言っていた。だけど人間のせいだとは言ってなかった。あえて言わなかったのだろうか。俺が人間だから………
何も言えずにいる俺からフレイを奪って、サムシーはフレイを担いで去っていった。
そして次の日、フレイは学校に来なかった………
他のみんなはというと、ウェンディー、イグニス、エレオノールはともに1回戦を勝っていた。そして、ウェンディーとエレオノールはフレイに敗北していた。
そして、1位、2位を決める戦いはイグニスとフレイで行われることになった。
開始の合図とともに2人は距離をとり、青い炎を手と足に纏わせた。フレイは青い炎をイグニスめがけて吐き出した。しかし、イグニスはそれを真上に飛んで交わした。
「もらった。」
そう叫んで、フレイはその上空から降りてくるタイミングを狙って距離をつめた。
フレイは相手を飛ばして、空中で身動きがとれない隙を狙って攻撃するというコンビネーションがうまかった。しかし、イグニスには、その作戦は通用しなかった………
イグニスは上空に飛び上がったままかなり高い位置に浮いていた。
『宙に浮けるの??』俺は驚いた。
イグニスは宙に浮いた状態のまま、さらに魔法を発動させた。ドッチボールくらいの大きさの青い火の玉が無数にイグニスの周りを取り囲んだ。そして、さらに槍のような形状の炎も3本と、丸い輪っかのようのなものを5つ創りだした。イグニスは右手を振り下ろすと、炎の槍が順番にフレイめがけて飛んでいった。
フレイはそれを3つとも後ろに飛びのいて躱した。しかし、その槍に気を取られている間に、丸い輪っかがフレイを中心として取り巻いているのに気づくのが遅れてしまった。
イグニスが手の平を握りこむと、それに反応して円がフレイを中心として小さい円となり、フレイを縛り付け、身動きが取れなくした。
そこへ、イグニスの周りにあった無数の火の玉がフレイに襲い掛かった。
そこで、先生によって勝者が宣言された。
圧倒的だった。フレイは周りより頭1つ抜き出ていると思ったが、イグニスはさらにその上の力をつけていた。
そして、この結果がフレイの起こす凶行のきっかけとなってしまった。
それは、魔獣の討伐訓練でおこった。
体育の授業は3年目から、格闘訓練以外に、結界の外での魔獣の討伐訓練が追加されていた。はじめは3人か4人の班を作り、そのメンバーで工夫して獲物を仕留めるようにということだった。先生の話では、
「あなた達なら、一人で魔獣を相手しても楽勝ですから気楽にやってください。」
とのことだった。そのあなた達に俺は含まれているのかは謎だった………
俺はウェンディーとイグニスとエレオノールと班を組んだ。
結界の外に出るのはみんな初めてだったので、結界から出て後ろを振り返ると、さっきまで見ていた風景ではなく湖が広がっていたのは皆驚いていた。結界の効果で景色が違って見えていたのだ。
俺はというと別の結界の効果が発動していた。結界を出た瞬間に、ここにはいたくないという不快感が沸き上がった。その不快感は例えるなら、ゴキブリやムカデなど気持ち悪い虫がうじゃうじゃいる部屋にいるような感覚だった。
少し歩くと結界の効果がなくなったのか、普通に戻った。
魔獣の討伐は魔の森で行われた。魔獣を探すところから自分たちでしないといけなかった。だから、俺たちは一度ばらけて、魔獣を探し、1時間後にここで集合し、その後、4人で狩ろうということに決まった。
この作戦は良くなかった。俺が1人になるところを狙われてしまった。
フレイ達にである……
俺は息を潜めながら森を探索していた。みんなは余裕のようだったが、俺ははっきり言ってびびっていた。できれば2人で行動したかったが、情けない気もしたので言い出せなかった。
外の魔獣は言語も通じない相手である。格闘の訓練では先生が試合を止めてくれていた。もし命のやり取りであったなら俺は何度も死んでいたであろう。だから、1人の時に魔獣に襲われてしまったら、殺されることもありえると思っていた。
後ろからガサッと葉が揺れる大きな音と獣のグルルルルという唸り声がした。
大きな熊がそこにはいた。5mくらいはあった。
「でかい………」
よく見るとその左肩にはサムシーが乗っていた。熊の頭に右手をあてていた。
そして、その熊の巨体の後ろからフレイが現れた。
「よう。1人になったのまずかったな。ここで死んでも、魔獣の討伐に失敗したってことで誰も疑わないからな。お前が死んでも事故扱いになるだろう。」
そう言って、腕に青い炎を纏った。
『やばい、やる気だ。』
そう思って、俺は瞬時に後ろへ逃げ出した。
「待ちやがれ。」
「逃げるなでやんす。」
フレイは俺を追いかけてきた。熊の魔獣もサムシーを乗せて俺を追いかけてきた。どうやら、サムシーは魔獣を操っているようだった。
俺は走った。サムシーには最近勝っているといっても僅差だ。フレイには到底勝つことができない。そして、魔獣もいる。俺が勝てる見込みは1%すらもなかった。
2人は諦めるつもりはなさそうだった。
俺は風属性の魔力を前進に纏い、全速力で走った。いつまでたっても、振りほどくことができなかった。
しかし、俺は当てもなく逃げてるわけではなかった。北に向かっていた。禁忌の洞窟である。そこに逃げ込めばフレイとサムシーは近寄れないのではと考えていた。
「見えた。」
そこには洞窟があった。俺はそこに近づいた。100m付近でもルード皇国を出た時に感じた不快感、嫌悪感は感じなかった。俺には結界の効果は発動してないようだった。
振り返ると、フレイとサムシーはち止まっていた。
しかし、熊の魔獣は俺に向かって襲ってきた。振り上げた腕を振り下ろしてきた。しかし、熊の魔獣の動きは竜人達の拳にくらべて全然遅かった。止まって見えるレベルだった。なんなら、攻撃を紙一重で当たらず躱すこともできた。これなら、攻撃を食らわないように、徐々にダメージを与えていけば倒せる。そう確信して拳に炎の魔力を纏わせて、ボディーを殴りつけた。その瞬間、熊の魔獣の体に、熊の体の向こう側の景色が見える風穴があいた。そして、熊の魔獣は後ろに倒れた。
それを見たフレイは顔ゆがめながら俺に近づいてきた。サムシーはその場にとどまっていた。
俺は、フレイから逃げるために、洞窟の中へと入った。入っても俺は倒れることはなかった。洞窟の中は昼間だというの暗闇が広がっていた。俺は、洞窟の中3mくらい入ったところで入り口を振り返った。
その入り口付近にフレイをいた。俺が入っていくのを見たからなのか、洞窟の入り口に手を差し入れようとした。
その瞬間、激しい音が鳴ったと思ったら、フレイはその場に倒れてしまった。
俺はフレイに近づいた。どうやら生きてはいた。
その事実に俺はほっとした。と同時に、やってはいけないことをしてしまった罪悪感に襲われた。
けど、こうしなければ俺が殺されていたかもしれない………
俺はフレイを担いでサムシーのところまで行った。
サムシーは自分が担いでフレイを連れ帰ると言ったが、竜の呪いにもしかかっていたら、気絶してる時はうつる可能性もあると思い
「フレイは竜の呪いにかかっているかもしれないから、うつっちゃいけないから俺が担いで帰るよ。」
そう言った。
「竜の呪いがこんなところでかかるわけないでやんすよ。嘘つくなでやんす。兄貴をどこに連れていくつもりなんでやんす。」
俺が説明しよう思っていたらサムシーは続けた。
「竜の呪いはお前たち人間のせいでやんす。700年前の戦争で卑怯な人間が力で勝てないから使ったものでやんす。オイラのばあちゃんもフレイのじいちゃんもその戦争に参加して、帰ってきた後に竜の呪いにかかったでやんす。」
俺は固まった。アギリスも672年前の戦争の後に竜の呪いが出だしたと言っていた。だけど人間のせいだとは言ってなかった。あえて言わなかったのだろうか。俺が人間だから………
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