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第二章:明らかになっていく真実
第37話 最強の戦士ケン
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「マサノリさんの中で、あの20人の中から最強のチームを作るとすれば誰を集めますか?」
「そうだなぁ、魔法剣士は関東チームのサトルで間違いないな。魔法使いは北海道東北チームのサクラ、僧侶は九州沖縄チームのアサコで、戦士は関西四国チームのケンだろうな。
おそらくこの四人が組めば1番強いチームにはなる。もし俺たちの時代にいれば、かなりの戦力になったはずだ。
ただそれだとどうしても全体のバランスが悪くなる。計画では、最低でも水準以上のバランスのいい5チームが必要。でなければすべてを撃退できない。今は他のメンバーがあの四人の影響を受けて強くなってくれることが理想だ」
「そのケンはどんなプレイヤーなんですか?」
「はっきり言って脳筋、頭よりも先に体が動くタイプ。
だがその格闘センスは抜けている。
相手の弱点を見抜く感性、そしてどの魔物から倒せば全体の攻略が有利になるかを見抜く力、他の3人はこのケンに引っ張られていると言って間違いない」
マサノリから高い評価を集めているケンは、関西四国チームのメンバーと共に4つ目の「虫の沼ダンジョン」を攻略中だ。
この四人は地元が近い関西四国地方のメンバーということもあり、非常に仲がいい、そしてテンションが高いことが特徴だ。
戦士のケン、魔法使いのアキ、僧侶のミツ、魔法戦士のトシという構成で、アキとミツが女性、20代前半で怖いもの知らずである。
「なんや、さっきの戦い方は?もっとシャキッとせんかい!」
「ほなお前がやってみ。魔法も使えんくせによう言うわ」
「簡単に言わんといて。ケンは張り切りすぎなんよ」
「そんなことよりお前らちょっとボケが足りねーぞ!俺が突っ込めねーじゃねーか」
緊張感もなく、こんなノリでサクサクとダンジョンを攻略している。
リーダーは戦士のケンだが、何かが優れているというよりもみんながケンを信頼していると言っていいだろう。
危険な橋は必ず自分から渡り、常に三人の盾になる責任感、そしてどんな相手にもひるまない精神力。ピンチになっても逆転を引き出すことができる胆力に、チームは何度も助けられた。
「やっぱりうちはブラゼルやなぁ」
「いやマートンだって」
全員20代前半ということもあり、お気に入りの野球選手は同じ年代の選手が多い。
もし別のチームのファンが混じっていればそれはそれで争いの種にもなるが、この4人は全員が虎党なので問題ない様子だ。
「暗黒期は終わったから、来年からは虎の時代になるやろ」
「しかし開幕前にレベル100にして、日本に帰りたかったわ~」
そんな雑談が続いたころ、トシの索敵に巨大なモンスターが引っかかった。
「!」
「お前らストップや。あの角の先になんかいるで」
「星人ちゃうんか?」
「アホ言うな。
こんなところにぬらりひょんがいたらヤバイやん」
「デカいな」
「「「…」」」
ケンがトーンを下げて警戒感を高めると、三人もおふざけモードから本気モードに切り替わる。
通路の先は広い空間となっており、階層のボスがいることは明白だった。
そして通路の奥で待ち構えていたのは、巨大なカマキリのようなモンスター。
思わず4人はその大きさに驚かされた。
「なんか道頓堀のグリコを思い出すな、あれ」
「いちおう聞くが、どうする?」
チームの作戦を立てるのはケンの役割であり、あのモンスターと戦うにしても、ケンの判断を尊重するのは暗黙の了解だ。
「いつものパターンでいこう。俺がダメージを与えられたら、速攻で倒す」
「わかった」
「了解」
「気ぃつけてな」
ここまで特に苦戦することもなく快進撃を続けてきた3人に異論はない。
ケンは集中力を高め、同時に4つのスキルを開放する。
(瞬発力増強、快心撃、意識阻害、ダメージアップ…)
すべてのスキルが効果を発揮する状態になると、ケンは一気に駆け出し、すでに目をつけていた弱点とおぼしきモンスターの後頭部に強烈な一撃を撃ち込んだ!
意識阻害によって直前までケンの存在に気付かなかったモンスターは、回避する動きすらできずにその一撃を受け入れざるを得ない。
「ズガギャカタライアァーッ!!!!!」
部屋にもの凄い衝撃音が響き、巨大な魔物は悲鳴を喚き散らしながら吹き飛ばされる。
「やっぱり後頭部が弱点でオッケー。次の一撃でとどめをさすから、みんないつも通りいくで!」
ケンがそう叫ぶと、今度は後ろに下がって力を溜め始める。
その姿を見た魔法剣士のトシは相手を錯乱させる動きを見せ、少しずつだが体力を削り取っていく。
僧侶のミツは3人に補助魔法をかけながら、何かあればすぐに対応できるよう集中する。
魔法使いのアキは、ハイテンションでひっきりなしに攻撃魔法を叩き込んでいく。
「落ちろ!落ちろ!落ちろ!」
3人の動きは一見まとまりがないようにも見えたが、実際は攻撃も動きも隙が無く、あとはケンの準備を待つのみとなっていた。
そのケンは、最後のスキルである「一撃必殺」を発動。
このスキルは瞬間的に攻撃力が3倍になるという破格の性能があるが、発動までの溜め時間が長く、さらに攻撃後に10秒間体が膠着するというリスクの高さを持っていた。
つまり最後のとどめを刺す瞬間でしか使えないスキルであり、周囲との連携はもちろん、最悪の事態も想定したチームの判断力が要求されるのだ。
しかしこれまで一度も失敗がない。
つまりケンがこのスキルを使用するときは、必ず相手にとって最後の一撃となるものであった。
そして2撃目でこのスキルを選択したあたり、ケンはここが勝負どころと判断したのである。
「いくぞ~!青春の握り拳!」
意味の分からない掛け声とともに、ケンはスキルの準備が整ったことをチームメイトに伝える。
ケンが右手を高々と掲げると、ケンの武器である巨大なハンマーもともに輝き出した。
そして一気にジャンプすると、渾身の力で相手の弱点にハンマーを叩きこんだ!
「バーニングハンマー!!!!!!!!!」
まさに一撃必殺、先ほどとは比較にならない強烈な一撃が魔物を襲う。
「グギャギャガガガ~!!!」
耳をつんざく叫び声が響きわたると、スキルを使い切ったケンは体の硬直が始まり、その場に座り込んだ。
ケンの周囲に集まった3人は警戒を解かず、魔物をじっと見つめている。
あの必殺技で倒せないのなら、ケンを抱えて一度撤退することを事前に決めているからだ。
しかし彼らの不安は杞憂に終わる。
倒れた魔物は微動だにせず、4人はそれぞれのステータスで50階層をクリアしたことを確認したのである。
「お疲れさん!」
「さすがやわ~」
「また美味しいところを持ってかれたわ」
「やっぱこの技、反動がキツイねん」
「見てみぃ、アイテムが出てきたで」
「どれどれ、おぉー!これは、あれやないか!」
「なになに?どれくらい凄いん?」
「いや、わからん」
「「「知ったかすんな!(バシッ!!!)」」」
レベル50を超えるモンスターとの激戦後でも、4人はいつも通り絶好調だった。
「レンジャー4人の今」へつづく
「そうだなぁ、魔法剣士は関東チームのサトルで間違いないな。魔法使いは北海道東北チームのサクラ、僧侶は九州沖縄チームのアサコで、戦士は関西四国チームのケンだろうな。
おそらくこの四人が組めば1番強いチームにはなる。もし俺たちの時代にいれば、かなりの戦力になったはずだ。
ただそれだとどうしても全体のバランスが悪くなる。計画では、最低でも水準以上のバランスのいい5チームが必要。でなければすべてを撃退できない。今は他のメンバーがあの四人の影響を受けて強くなってくれることが理想だ」
「そのケンはどんなプレイヤーなんですか?」
「はっきり言って脳筋、頭よりも先に体が動くタイプ。
だがその格闘センスは抜けている。
相手の弱点を見抜く感性、そしてどの魔物から倒せば全体の攻略が有利になるかを見抜く力、他の3人はこのケンに引っ張られていると言って間違いない」
マサノリから高い評価を集めているケンは、関西四国チームのメンバーと共に4つ目の「虫の沼ダンジョン」を攻略中だ。
この四人は地元が近い関西四国地方のメンバーということもあり、非常に仲がいい、そしてテンションが高いことが特徴だ。
戦士のケン、魔法使いのアキ、僧侶のミツ、魔法戦士のトシという構成で、アキとミツが女性、20代前半で怖いもの知らずである。
「なんや、さっきの戦い方は?もっとシャキッとせんかい!」
「ほなお前がやってみ。魔法も使えんくせによう言うわ」
「簡単に言わんといて。ケンは張り切りすぎなんよ」
「そんなことよりお前らちょっとボケが足りねーぞ!俺が突っ込めねーじゃねーか」
緊張感もなく、こんなノリでサクサクとダンジョンを攻略している。
リーダーは戦士のケンだが、何かが優れているというよりもみんながケンを信頼していると言っていいだろう。
危険な橋は必ず自分から渡り、常に三人の盾になる責任感、そしてどんな相手にもひるまない精神力。ピンチになっても逆転を引き出すことができる胆力に、チームは何度も助けられた。
「やっぱりうちはブラゼルやなぁ」
「いやマートンだって」
全員20代前半ということもあり、お気に入りの野球選手は同じ年代の選手が多い。
もし別のチームのファンが混じっていればそれはそれで争いの種にもなるが、この4人は全員が虎党なので問題ない様子だ。
「暗黒期は終わったから、来年からは虎の時代になるやろ」
「しかし開幕前にレベル100にして、日本に帰りたかったわ~」
そんな雑談が続いたころ、トシの索敵に巨大なモンスターが引っかかった。
「!」
「お前らストップや。あの角の先になんかいるで」
「星人ちゃうんか?」
「アホ言うな。
こんなところにぬらりひょんがいたらヤバイやん」
「デカいな」
「「「…」」」
ケンがトーンを下げて警戒感を高めると、三人もおふざけモードから本気モードに切り替わる。
通路の先は広い空間となっており、階層のボスがいることは明白だった。
そして通路の奥で待ち構えていたのは、巨大なカマキリのようなモンスター。
思わず4人はその大きさに驚かされた。
「なんか道頓堀のグリコを思い出すな、あれ」
「いちおう聞くが、どうする?」
チームの作戦を立てるのはケンの役割であり、あのモンスターと戦うにしても、ケンの判断を尊重するのは暗黙の了解だ。
「いつものパターンでいこう。俺がダメージを与えられたら、速攻で倒す」
「わかった」
「了解」
「気ぃつけてな」
ここまで特に苦戦することもなく快進撃を続けてきた3人に異論はない。
ケンは集中力を高め、同時に4つのスキルを開放する。
(瞬発力増強、快心撃、意識阻害、ダメージアップ…)
すべてのスキルが効果を発揮する状態になると、ケンは一気に駆け出し、すでに目をつけていた弱点とおぼしきモンスターの後頭部に強烈な一撃を撃ち込んだ!
意識阻害によって直前までケンの存在に気付かなかったモンスターは、回避する動きすらできずにその一撃を受け入れざるを得ない。
「ズガギャカタライアァーッ!!!!!」
部屋にもの凄い衝撃音が響き、巨大な魔物は悲鳴を喚き散らしながら吹き飛ばされる。
「やっぱり後頭部が弱点でオッケー。次の一撃でとどめをさすから、みんないつも通りいくで!」
ケンがそう叫ぶと、今度は後ろに下がって力を溜め始める。
その姿を見た魔法剣士のトシは相手を錯乱させる動きを見せ、少しずつだが体力を削り取っていく。
僧侶のミツは3人に補助魔法をかけながら、何かあればすぐに対応できるよう集中する。
魔法使いのアキは、ハイテンションでひっきりなしに攻撃魔法を叩き込んでいく。
「落ちろ!落ちろ!落ちろ!」
3人の動きは一見まとまりがないようにも見えたが、実際は攻撃も動きも隙が無く、あとはケンの準備を待つのみとなっていた。
そのケンは、最後のスキルである「一撃必殺」を発動。
このスキルは瞬間的に攻撃力が3倍になるという破格の性能があるが、発動までの溜め時間が長く、さらに攻撃後に10秒間体が膠着するというリスクの高さを持っていた。
つまり最後のとどめを刺す瞬間でしか使えないスキルであり、周囲との連携はもちろん、最悪の事態も想定したチームの判断力が要求されるのだ。
しかしこれまで一度も失敗がない。
つまりケンがこのスキルを使用するときは、必ず相手にとって最後の一撃となるものであった。
そして2撃目でこのスキルを選択したあたり、ケンはここが勝負どころと判断したのである。
「いくぞ~!青春の握り拳!」
意味の分からない掛け声とともに、ケンはスキルの準備が整ったことをチームメイトに伝える。
ケンが右手を高々と掲げると、ケンの武器である巨大なハンマーもともに輝き出した。
そして一気にジャンプすると、渾身の力で相手の弱点にハンマーを叩きこんだ!
「バーニングハンマー!!!!!!!!!」
まさに一撃必殺、先ほどとは比較にならない強烈な一撃が魔物を襲う。
「グギャギャガガガ~!!!」
耳をつんざく叫び声が響きわたると、スキルを使い切ったケンは体の硬直が始まり、その場に座り込んだ。
ケンの周囲に集まった3人は警戒を解かず、魔物をじっと見つめている。
あの必殺技で倒せないのなら、ケンを抱えて一度撤退することを事前に決めているからだ。
しかし彼らの不安は杞憂に終わる。
倒れた魔物は微動だにせず、4人はそれぞれのステータスで50階層をクリアしたことを確認したのである。
「お疲れさん!」
「さすがやわ~」
「また美味しいところを持ってかれたわ」
「やっぱこの技、反動がキツイねん」
「見てみぃ、アイテムが出てきたで」
「どれどれ、おぉー!これは、あれやないか!」
「なになに?どれくらい凄いん?」
「いや、わからん」
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