「三匹のこぶた」

キジとら猫

文字の大きさ
上 下
1 / 1

「三匹のこぶた」

しおりを挟む
 お母さんぶたは言いました。
「そろそろみんな、自分の家を建てて暮らしなさい。」

 長男のこぶたは、なまけもの。
家を作るなんて、簡単、簡単。
わらをロープでくくって、はい、完成。

 次男のこぶたは、めんどくさがり屋。
そこらにある木を集めて、トンテン、カンテン、釘で打って、はい、完成。

 末のこぶたは、臆病者。
レンガを作って、セメントを塗って、一つ一つ丁寧に積み上げて、やっと完成。

 そこに、腹を空かした人間がやってきた。

 人間は、鋤でわらの家を壊した。
長男のこぶたは驚いて、次男の木の家に逃げ込んだ。
 ここなら安心だ。
 
 人間は、のこぎりで木の家を切り倒し始めた。
二匹は驚いて、末のこぶたの家に逃げこんだ。
 ここなら安心だ。

 人間は、レンガの家の周りにわらを敷き詰め、その上に木を置いた。
そして人間は、わらに火をつけた。

 今日は、ごちそうだ。

 教訓:この世に安全な場所などない。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...