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第弐章 未来人
第5話 儀式
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――余と来ぬか? というか、強制じゃ! 来い!!
――ここは安土桃山時代という。お前は何処からきたのか? ん? 余か? 余はな、絶世の美女蓮姫である!!
――ふふん、それよりお前の名を教えろ。余がつれてきたのだから特別な階級を与えてやるぞ。
ゆっくりと瞼があがった。溝のように深く重い睡魔から目覚め、ヒビは自分の部屋の天井を見つめた。
寝たのに、まだどっと疲れが溜まっている。
埃やカビだらけだった物置部屋をヒビは使っている。目の前の天井には、疎らに小さい蜘蛛の巣がはってある。
深い溜息をこぼし、身支度を整えた。
今日は朝から蓮姫の父、お殿様が重要な話しがあると、朝っぱから蓮姫を起こした。
§
城の中で一番広いと言っても過言の殿様の部屋。起きたばかりの低血圧の蓮姫が辺りの兵たちに八つ当たりしてる。猛獣のよう。
部屋で暫くして、殿様がやっと口を開いた。なにやら、深刻そうな深刻そうな面持ちで蓮姫の顔を窺う。
「今日で十二歳になる。蓮姫もそろそろ、歳じゃろ。そこで隣村から見合いの話しがきた」
「はぁ!? 何言ってんの父上!!」
兵たちに八つ当たりしていた目つきが殿様にあたる。蓮姫の強張った声が部屋中に轟いた。
実というと、俺も少し驚いた。蓮姫はもう少しで十二歳になるけど、子どもの子ども。
見合い話しなんて、先だろうと思っていた。
「見合い話しなんて、結構です! 余は誰にも属さない!」
ふんと鼻を鳴らし、そっぽを向く。こうなると、誰にも止められないんだよなぁ。一度決めると最後まで貫き通す性格だから。
「実はな、もう来てくれとる」
「んな!」
殿様、反撃を用意してたとは。
事の状況についてけない蓮姫とヒビは口を庵ぐりで、呆然と呆けていた。殿様は二人の兵に何やら合図を送った。
兵は深く礼すると、襖の戸を思いっきり開けた。まるで、テレビで見る大奥のよう。
誰が出てくるかと意気込み、ゴクリと生唾を呑んだ。
戸の前にいたのはヒビと同じぐらいの年齢の好青年。キリッとした強い眉に、高く伸びた鼻、身長はこの時代で言うと平均以上。
この時代の身長は平均でいうと一六〇もない。だが、目の前にいる好青年はだいだい、一六三㌢にみえる。
「隣村から来てくれた京之助くんだ。歳は十八。おぬしとは七つ離れているが、仲良くできるだろう?」
殿様の威厳とした圧迫感により、蓮姫はしぶしぶ話しに従った。
ヒビはチラリと京之助と名乗る男の子へと視線を向けた。隣村のどういう人物か分からないが、服装から現れる皺のない服。
そこから、この好青年は隣村の村長の孫かその次期後継者に当たる人物か。
すると、京之助がヒビの視線に気づき、ニコリと微笑した。
ヒビも思わず、微笑し視線をまた殿様に向けた。
§
その夜、蓮姫の婚約話と聞き、城の中は宴会が始まった。お酒や珍しい海の魚などが広げられ、蓮姫もさぞ、嬉しかろうと思いきや、そうではなかった。
「全く! なにが宴よ! 自分が楽しければ良いと思ってこっちは全然楽しくない!」
豪華な食にも手をつけず、頭から湯気が立ち込めている。朝の婚約話からずっとこうだ。
何やら悶々とこの話しを切るのに無い頭を使ったらしい。
知恵熱にかかると、蓮姫の場合、湯気がでる。メモにとっておこう。
「素敵な人ですよ。京之助さん」
「どこがよ! こんな婚約話、ずっぱり切ってやる! ンフフ、父上の驚いた顔を見てみたいもの!」
ンフフと怪しげに笑い、いつもの明るい影が黒くなっている。
ヒビはそれを横目で、豪華な食事に手をつけた。婚約相手の京之助とやらは、もう、すっかり殿様や兵たちを手懐け、ご満悦に宴の中心にいる。
蓮姫とヒビは遠く離れた場所でそれを眺めていた。
すると、だしぬけに蓮姫が立ち上がった。
「どちらに?」
「部屋……」
「ご一緒に」
「いい」
静かに襖を開き、顔を向けず、部屋から出ていった。
蓮姫が出ていっても殿様も京之助も誰も顔を向けない。狂ったように宴会を続けている。
ヒビはお茶を一服のみ、宴会を眺めた。
ふと、思いだした。蓮姫の友人、鶴姫がこの城に来た時、一緒に来たタクの言葉を。
〝機関の奴らが悟ったらしい。あの儀式をやる揺れだ。あの姫が近々動く〟
ドクンと心臓の鼓動が重くなった。
蓮姫の帰りが遅い。部屋でなにをするきだ。あそこはカルタと紙風船しかない。一人で遊ぶ小道具なんてないはず。
重くなった鼓動が反響し、血と肉に這いつくばった。
反動で、足が動いた。飛ぶように蓮姫の部屋へと向かう。やけに、廊下が長い。
提灯一つと月の明かりが照らす廊下は昼間のよう。エンドレスに続く茶色の廊下を走り、やっと部屋へと着いた。
息を整う間もなく、襖を開けた。
「蓮姫っ!」
満月に手を翳し、聖母マリアを祈るように空を見上げている。薄暗い部屋の中、満月の銀金色の光をあたり、蓮姫はいた。
「蓮姫……?」
ヒビの呼び掛けに気づいておらず、蓮姫はずっと満月に両手をあげていた。
まるで、なにかを欲しがるよう。その顔は見えない。ヒビからみえるのは蓮姫の後ろ姿だけ。
「月……が導く。妾を……呼ん……でいる」
ポツリポツリと途切れ途切れに口を開いた。
途端、蓮姫の立っている範囲だけが銀色に光りだした。
まさか、これが儀式!? 慌てて、仲介に入るも、見えない結界によってはぶかれる。
銀色の光と満月の月の光が交互に照らし合わせ、薄暗かった部屋の中が金色に輝き放つ。
誰が来てもおかしくないのに、誰もこない。ここを通る女中たちの足音もしない。
まるで、時が止まったようだ。
いつもの明るい蓮姫から感じない空気にいたたまれなく、ヒビは大声をだした。
「蓮姫っ!!」
ビクリと蓮姫の肩が唸った。ゆっくりと恐る恐る、ヒビのほうへと振り向く。
「な、なんじゃヒビ……大声をだして」
漫画で書いたような丸い瞳が振り向いた。今さっきまで威厳とした圧迫空気はない。
普段の無邪気な子どもに戻っている。
「蓮……姫?」
「な、なんじゃい!」
口を金魚のようにパクパクし、怪しげに見つめてる。ヒビの心はすぅと消えるように不安がかき消え、安堵に代わった。
――ここは安土桃山時代という。お前は何処からきたのか? ん? 余か? 余はな、絶世の美女蓮姫である!!
――ふふん、それよりお前の名を教えろ。余がつれてきたのだから特別な階級を与えてやるぞ。
ゆっくりと瞼があがった。溝のように深く重い睡魔から目覚め、ヒビは自分の部屋の天井を見つめた。
寝たのに、まだどっと疲れが溜まっている。
埃やカビだらけだった物置部屋をヒビは使っている。目の前の天井には、疎らに小さい蜘蛛の巣がはってある。
深い溜息をこぼし、身支度を整えた。
今日は朝から蓮姫の父、お殿様が重要な話しがあると、朝っぱから蓮姫を起こした。
§
城の中で一番広いと言っても過言の殿様の部屋。起きたばかりの低血圧の蓮姫が辺りの兵たちに八つ当たりしてる。猛獣のよう。
部屋で暫くして、殿様がやっと口を開いた。なにやら、深刻そうな深刻そうな面持ちで蓮姫の顔を窺う。
「今日で十二歳になる。蓮姫もそろそろ、歳じゃろ。そこで隣村から見合いの話しがきた」
「はぁ!? 何言ってんの父上!!」
兵たちに八つ当たりしていた目つきが殿様にあたる。蓮姫の強張った声が部屋中に轟いた。
実というと、俺も少し驚いた。蓮姫はもう少しで十二歳になるけど、子どもの子ども。
見合い話しなんて、先だろうと思っていた。
「見合い話しなんて、結構です! 余は誰にも属さない!」
ふんと鼻を鳴らし、そっぽを向く。こうなると、誰にも止められないんだよなぁ。一度決めると最後まで貫き通す性格だから。
「実はな、もう来てくれとる」
「んな!」
殿様、反撃を用意してたとは。
事の状況についてけない蓮姫とヒビは口を庵ぐりで、呆然と呆けていた。殿様は二人の兵に何やら合図を送った。
兵は深く礼すると、襖の戸を思いっきり開けた。まるで、テレビで見る大奥のよう。
誰が出てくるかと意気込み、ゴクリと生唾を呑んだ。
戸の前にいたのはヒビと同じぐらいの年齢の好青年。キリッとした強い眉に、高く伸びた鼻、身長はこの時代で言うと平均以上。
この時代の身長は平均でいうと一六〇もない。だが、目の前にいる好青年はだいだい、一六三㌢にみえる。
「隣村から来てくれた京之助くんだ。歳は十八。おぬしとは七つ離れているが、仲良くできるだろう?」
殿様の威厳とした圧迫感により、蓮姫はしぶしぶ話しに従った。
ヒビはチラリと京之助と名乗る男の子へと視線を向けた。隣村のどういう人物か分からないが、服装から現れる皺のない服。
そこから、この好青年は隣村の村長の孫かその次期後継者に当たる人物か。
すると、京之助がヒビの視線に気づき、ニコリと微笑した。
ヒビも思わず、微笑し視線をまた殿様に向けた。
§
その夜、蓮姫の婚約話と聞き、城の中は宴会が始まった。お酒や珍しい海の魚などが広げられ、蓮姫もさぞ、嬉しかろうと思いきや、そうではなかった。
「全く! なにが宴よ! 自分が楽しければ良いと思ってこっちは全然楽しくない!」
豪華な食にも手をつけず、頭から湯気が立ち込めている。朝の婚約話からずっとこうだ。
何やら悶々とこの話しを切るのに無い頭を使ったらしい。
知恵熱にかかると、蓮姫の場合、湯気がでる。メモにとっておこう。
「素敵な人ですよ。京之助さん」
「どこがよ! こんな婚約話、ずっぱり切ってやる! ンフフ、父上の驚いた顔を見てみたいもの!」
ンフフと怪しげに笑い、いつもの明るい影が黒くなっている。
ヒビはそれを横目で、豪華な食事に手をつけた。婚約相手の京之助とやらは、もう、すっかり殿様や兵たちを手懐け、ご満悦に宴の中心にいる。
蓮姫とヒビは遠く離れた場所でそれを眺めていた。
すると、だしぬけに蓮姫が立ち上がった。
「どちらに?」
「部屋……」
「ご一緒に」
「いい」
静かに襖を開き、顔を向けず、部屋から出ていった。
蓮姫が出ていっても殿様も京之助も誰も顔を向けない。狂ったように宴会を続けている。
ヒビはお茶を一服のみ、宴会を眺めた。
ふと、思いだした。蓮姫の友人、鶴姫がこの城に来た時、一緒に来たタクの言葉を。
〝機関の奴らが悟ったらしい。あの儀式をやる揺れだ。あの姫が近々動く〟
ドクンと心臓の鼓動が重くなった。
蓮姫の帰りが遅い。部屋でなにをするきだ。あそこはカルタと紙風船しかない。一人で遊ぶ小道具なんてないはず。
重くなった鼓動が反響し、血と肉に這いつくばった。
反動で、足が動いた。飛ぶように蓮姫の部屋へと向かう。やけに、廊下が長い。
提灯一つと月の明かりが照らす廊下は昼間のよう。エンドレスに続く茶色の廊下を走り、やっと部屋へと着いた。
息を整う間もなく、襖を開けた。
「蓮姫っ!」
満月に手を翳し、聖母マリアを祈るように空を見上げている。薄暗い部屋の中、満月の銀金色の光をあたり、蓮姫はいた。
「蓮姫……?」
ヒビの呼び掛けに気づいておらず、蓮姫はずっと満月に両手をあげていた。
まるで、なにかを欲しがるよう。その顔は見えない。ヒビからみえるのは蓮姫の後ろ姿だけ。
「月……が導く。妾を……呼ん……でいる」
ポツリポツリと途切れ途切れに口を開いた。
途端、蓮姫の立っている範囲だけが銀色に光りだした。
まさか、これが儀式!? 慌てて、仲介に入るも、見えない結界によってはぶかれる。
銀色の光と満月の月の光が交互に照らし合わせ、薄暗かった部屋の中が金色に輝き放つ。
誰が来てもおかしくないのに、誰もこない。ここを通る女中たちの足音もしない。
まるで、時が止まったようだ。
いつもの明るい蓮姫から感じない空気にいたたまれなく、ヒビは大声をだした。
「蓮姫っ!!」
ビクリと蓮姫の肩が唸った。ゆっくりと恐る恐る、ヒビのほうへと振り向く。
「な、なんじゃヒビ……大声をだして」
漫画で書いたような丸い瞳が振り向いた。今さっきまで威厳とした圧迫空気はない。
普段の無邪気な子どもに戻っている。
「蓮……姫?」
「な、なんじゃい!」
口を金魚のようにパクパクし、怪しげに見つめてる。ヒビの心はすぅと消えるように不安がかき消え、安堵に代わった。
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