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第二章 ナミ側
第28話 約束の答え
しおりを挟むハッと約束のことを気づく。
「ナミ約束、覚えてるよな?」
ナミは一瞬、そんなのあったねという呆気顔をした。次にフッと不敵に嗤う。
颯負が問いかけた直後、辺りは静かになった。誰もが颯負とナミを注目する。ナミはポイといままで片時も捨てなかったマイクをあっさりとそこら辺に捨てた。次に両手を腰にあて颯負の目を見つめる。本当に黙っていたら、純粋な子供なのに、ゲームを回す主催者側となると子どもでも怖くみえてしまう。
「いいよ、何聞きたい?」
「…まず、1人になったら神になれるのか?」
「全然違いまーーす!!」
思ってない返事が返って、どよめきが広がった。その反応を見て、ナミはクスクス笑う。冗談かと思った。強く問いだそうと、一歩前に出た。
その瞬間、ナミはクスクス嗤うのをやめ、颯負たちに背を向け、ゆっくりと白いプレートの上を歩いた。
「あなたたちには器になってもらう、あの方の為に」
声色が変化し、鋭い口調となった。
それまで感じられなかった威圧が感じられた。颯負は戸惑いながらも、また問いた。
「お前は何者だ、何処からきた、仲間は何人いる?」
ナミは顔だけ振り向き、ジッとこちらを見据えてる。この空気はおもぐるしい。ツゥと冷や汗が頬を伝った。
緊迫した空気が流れた。それは数分間続き。ナミが途端、パァと笑った。
「ナミはナミだよ!」
それだけ言うとフッと真顔になった。
「このゲームには3人の主催者側がいる。ナミたちはパラレルワールドから旅してきた。この世界は丁度5000回目」
ナミの口から衝撃的な言葉が飛び交う。辺りは静まり返り、混乱の渦にいた。
もっと聞きたい事があったが、言葉が詰まり上手く話せない。沈黙が生まれた。頭の整理もままならない。
その時、上空から甲高い悲鳴。腐った生ものの匂いや塊が空から降ってきた。雲の隙間から人が降ってくる。
プレート内に落ちて無事な人もいるが、そのまま真っ逆さまに落ちていく人も。どうして、空から人が降ってくるんだ!?
困惑した。
当然、主催者側のナミも目を見開き驚いている。演技ではない。そう直感した。
すると、プレートの上に1人の男が落ちた。
「痛ってぇ…!」
男の周りには煙が舞い、うっすら影だけが見える。その上にもう1人の男が落ちてくる。男は立ち上がり腕を広げた。
「へい!カモン!」
「な、死んでも嫌だ!」
「受け止めなきゃ死ぬぜ~?」
空から落ちてきた男をまるでブーケのようにしっかりと受け止めた。
「きゃあハハ♡」
そこで興奮するんじゃない三月。
状況と事態が読めない。どうなっている。
捨てた筈のマイクを片手にナミがある1人の少年を睨みつけた。
『カイト、これはどういう事?』
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