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第二章 ナミ側
第21話 起こすべき行動
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十二支の動物と激しい攻防戦の中、藤も参加する。
「佳奈、私、旗のとこ行ってくるね」
玲緒がこの終止符をうつ為に一人、行動する事を決意。それを聞いた佳奈は緊迫した顔でコクリと頷く。
「……道はあたしが開くから」
その言葉は仲間として何とも頼もしかった。
「そ、それならぼ、僕も…」
伊糊という男も玲緒に続く。
涙目で戦前で戦ってる女よりも弱々しい声。佳奈と玲緒は顔を見合わせ、コクリと頷いた。一人一人がようやくここで終止符をうつ行動に出る。目標は当然、黄金の旗。
旗を奪えばこれは終わると少なからず、信じていたのだ。佳奈が道を開かし二人は走って黄金の旗に向かう。
そんな時、伊糊はある人物を見つけた。同じ桜に所属してる男。フラフラした足取りで森から姿を現してくる。
「坂瀬くん、こんな所で何してるの?」
声をかけた。束の間、おぞましい冷たい風が男から吹く。
「伊糊か、旗を奪いに行くのか?」
暗闇で顔が見えない。仲間なのに、声を聞いただけで身体が縮こまる。この殺気たった風はなんだ? 恐怖でガチガチと顎がなった。
「伊糊! 早く行くよ!」
玲緒が叫ぶ。道草くってる間に玲緒は遠くにいた。
「そ、それじゃ」
フッと顔を合せないように背を向けた。あの、おぞましい風はなんだったんだろう。
―――
颯負の殺気立った冷たい風は動物たちの耳や鼻を伝って既にバレている。それだけではなく、逃げていた。颯負は黒いモヤを抑え切れず、暴れ回っている猿と虎を発見した。桜のエリアで少年少女を八つ裂きしてはいろんな殺しでひっかきまわしていた。
そんな姿を見て、ブチッとなにかの糸がきれる音がした。殺気を消し、歩み寄る。しかし、それでも尚、気づいたのは猿。
「オヤ?」
「ドウ…シタ?」
虎が喉声から低い唸りを上げた。
「ヘイ!you!ヒサシブリ!」
さっき別れた友達のように猿が触れ合ってきた。それとは正反対に虎は助走をつけ、警戒してる。
「ニンゲン…ナニモノ」
虎に問われた事に颯負は黒いモヤが勝手に出てきた。抑えられてた何かが爆発する。
「坂瀬颯負、お前に殺された原田菜穂の仇」
思えばこの男は生まれてきた時から覚醒していた。車に轢かれそうになった母を助けた際に「周辺視」身につけ、幼い頃から技・体・心を身についていた。その力は人間を遥かに越えたものとなったが、大人になるにつれ自分の身体で力を封じ込めるようになった。しかし、その力は予期せぬ事で開花する。
「佳奈、私、旗のとこ行ってくるね」
玲緒がこの終止符をうつ為に一人、行動する事を決意。それを聞いた佳奈は緊迫した顔でコクリと頷く。
「……道はあたしが開くから」
その言葉は仲間として何とも頼もしかった。
「そ、それならぼ、僕も…」
伊糊という男も玲緒に続く。
涙目で戦前で戦ってる女よりも弱々しい声。佳奈と玲緒は顔を見合わせ、コクリと頷いた。一人一人がようやくここで終止符をうつ行動に出る。目標は当然、黄金の旗。
旗を奪えばこれは終わると少なからず、信じていたのだ。佳奈が道を開かし二人は走って黄金の旗に向かう。
そんな時、伊糊はある人物を見つけた。同じ桜に所属してる男。フラフラした足取りで森から姿を現してくる。
「坂瀬くん、こんな所で何してるの?」
声をかけた。束の間、おぞましい冷たい風が男から吹く。
「伊糊か、旗を奪いに行くのか?」
暗闇で顔が見えない。仲間なのに、声を聞いただけで身体が縮こまる。この殺気たった風はなんだ? 恐怖でガチガチと顎がなった。
「伊糊! 早く行くよ!」
玲緒が叫ぶ。道草くってる間に玲緒は遠くにいた。
「そ、それじゃ」
フッと顔を合せないように背を向けた。あの、おぞましい風はなんだったんだろう。
―――
颯負の殺気立った冷たい風は動物たちの耳や鼻を伝って既にバレている。それだけではなく、逃げていた。颯負は黒いモヤを抑え切れず、暴れ回っている猿と虎を発見した。桜のエリアで少年少女を八つ裂きしてはいろんな殺しでひっかきまわしていた。
そんな姿を見て、ブチッとなにかの糸がきれる音がした。殺気を消し、歩み寄る。しかし、それでも尚、気づいたのは猿。
「オヤ?」
「ドウ…シタ?」
虎が喉声から低い唸りを上げた。
「ヘイ!you!ヒサシブリ!」
さっき別れた友達のように猿が触れ合ってきた。それとは正反対に虎は助走をつけ、警戒してる。
「ニンゲン…ナニモノ」
虎に問われた事に颯負は黒いモヤが勝手に出てきた。抑えられてた何かが爆発する。
「坂瀬颯負、お前に殺された原田菜穂の仇」
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