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第二章 ナミ側
第15話 迷路
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ふいに2人の少女が歩み寄ってきた。
「あなたも選択で?」
三つ編みした少女が一歩前にでて颯負に言う。選択とはあの時、送られてきたメールのことだろうか。
「あぁ、君たちも?」
コクリと頷いた。スッと白い手が差し伸べてきた。
「あたいは佳奈、よろしく」
求められてきた手は握手だと分かると颯負はフッと笑い、少女の手を覆うように握手した。
「これ、誰が何の目的でやってんだろ」
菜穂が顎に手を置き、ポツリと言う。確かにといった空気になった。
「それは今から分かることだと思います……あ、私は鈴木 和奈と申します…」
佳奈の後ろで隠れてたもう一人の少女が戸惑いに答えた。
その時、パッと壁にとりついたテレビがついた。
一斉にテレビに注目する。画面に映ってたのは女子小学生。にしては、髪の毛は白で赤い燃えるような瞳。パッと見、西洋人の顔つき。
結えていた簪が揺れると共にニコッと笑った。
『おっはーー! ナミだぉ! 朝早くからごめんね~』
と、仲良い友達っぽく触れ合ってくる少女に一同はざわざわする。
『第一ラウンドクリアーおめ! んじゃ、この先の廊下を進んだらレッスン1 終了ね』
少女がホイホイ薄暗い廊下を指差す。動くたびに金色の簪が揺れている。
わけが分からない状況下で少女から発する「レッスン」という言葉にピクッと眉を上げる。ひらひらと手を振って画面をきろうとしてる。
さよならする少女を逃さんと颯負はテレビに近づいた。
「全部お前が仕組んだことなのか? 一体なんの目的でやっている」
しんと静まり返った。ナミという少女はハァと溜息をもらす。やれやれといった感じで。
『目的とかあとだから、今はレッスンを終えることが先じゃない? ナミはこの先で待ってるね、何人くるか楽しみだな』
不敵に笑ったのを最後にプッと再び液晶画面が真っ黒になる。
薄暗い廊下から俺らを招きいれようとする風の音が聞こえる。廊下は薄暗く、豆電球がチカチカと足元を照らしてるだけ。薄暗い廊下はひんやりとして、静けさがます。
一同は少女、ナミの言葉通りに廊下を歩く。
「何処出身?」
「宮崎県だよー」
佳奈と菜穂が楽しげに会話してる。あの部屋では見せなかった笑顔をしてる。
「へー好きなん?」
声のした方向をバッと振り向いた。フード少年が颯負の横にいたのだ。どうやら、それほど菜穂を見つめてたらしい。俺は取り敢えず「違う」と言うと少年はふぅんと残念な顔をした。
「そういや、同じ部屋だったのに名前言ってなかったな、俺は坂瀬颯負だ」
「………ナイトって呼ばれてる」
スッと颯負から離れた。呼ばれてるという言葉に疑問を持ったがあまり、深くは聞けなかった。
「待ってこの先、危険よ! 止まって!」
一人の少女が甲高い声をあげた事がきっかけで颯負たちの足を止めた。が、そのまま前を歩く者もいる。
「へ? あれ? あれって超有名占い師宇月 玲緒じゃない?」
佳奈が少女を珍しいものでも見るかのような目で指差した。
「わぁ、本当だね」
その手を下に向ける菜穂。足を止めなかった者たちがゾロゾロと颯負たちを横切り前を歩いて行った。
すると、薄暗い廊下の先から歩いて行った人たちの叫び声が轟いた。
「ほら……ほらね! 私は忠告した、聞かなかった人が悪い!」
まるで自分を自分で慰めるかのように言った。叫び声と少女の怒声にも似た声が廊下で反響している。
「な、何が起きたの…?」
菜穂が少女に問いた。少女はフンとさも当たり前といった顔で吐き捨てるように口にした。
「あそこから、あらゆる罠がはってある。忠告した私を無視した罰ね」
叫び声がピタッと止んだ。静寂な時が進む。
颯負たちは、来た道を戻ったがそこにはなかった筈の壁があり、戻ることが不可能。仕方なく前に進んだ。
忠告の廊下へと進むと、道が広くなり、広場といったエリアに辿り着いた。扉が幾つもある。ザッ・迷路という感じだ。
颯負たちは真ん中の扉に向かい歩いっていった。壁や天井、足元まで小さなボタンがある。豆電球が点々と照明してるので若干、薄暗い。
ナイトと目がパチッとあった。分かってるといった顔でコクリと頷く。ナイトにも見えてるようだ。髪の毛と同等の小さいボタンは恐らく罠だ。
「皆、気をつけろ、あっちこっちに罠がはってある」
颯負の声がたらと廊下に響いた。それに敏感に感じたのは和奈。
「あっちこっちにはってあるってどうやって歩けばいいんですか!?」
和奈が酷く怯えた表情でジリジリと後退した。
カチッ
嫌な音がした。
「え?」
後退した足元からスイッチ音が聞こえた。後方からヒュンとバットが空振りする音が聞こえる。
「な、何……何事!?」
菜穂が慌てた様子で声をあげた。
「えと…えと、ごめんなさ……」
和奈が真っ青でその場にしゃがみこむ。言った側で罠にハマってしまった。薄暗い廊下の先からヒュンヒュンと空振りする音が近づいてきた。
それは氷の大きさと同じくらいの鉄球が降り掛かってきた。
「皆、走れっ!」
颯負はしゃがみ込んだ和奈を抱え、来た道を戻る。後に続いて菜穂も玲緒も颯負の後を追った。
「あなたも選択で?」
三つ編みした少女が一歩前にでて颯負に言う。選択とはあの時、送られてきたメールのことだろうか。
「あぁ、君たちも?」
コクリと頷いた。スッと白い手が差し伸べてきた。
「あたいは佳奈、よろしく」
求められてきた手は握手だと分かると颯負はフッと笑い、少女の手を覆うように握手した。
「これ、誰が何の目的でやってんだろ」
菜穂が顎に手を置き、ポツリと言う。確かにといった空気になった。
「それは今から分かることだと思います……あ、私は鈴木 和奈と申します…」
佳奈の後ろで隠れてたもう一人の少女が戸惑いに答えた。
その時、パッと壁にとりついたテレビがついた。
一斉にテレビに注目する。画面に映ってたのは女子小学生。にしては、髪の毛は白で赤い燃えるような瞳。パッと見、西洋人の顔つき。
結えていた簪が揺れると共にニコッと笑った。
『おっはーー! ナミだぉ! 朝早くからごめんね~』
と、仲良い友達っぽく触れ合ってくる少女に一同はざわざわする。
『第一ラウンドクリアーおめ! んじゃ、この先の廊下を進んだらレッスン1 終了ね』
少女がホイホイ薄暗い廊下を指差す。動くたびに金色の簪が揺れている。
わけが分からない状況下で少女から発する「レッスン」という言葉にピクッと眉を上げる。ひらひらと手を振って画面をきろうとしてる。
さよならする少女を逃さんと颯負はテレビに近づいた。
「全部お前が仕組んだことなのか? 一体なんの目的でやっている」
しんと静まり返った。ナミという少女はハァと溜息をもらす。やれやれといった感じで。
『目的とかあとだから、今はレッスンを終えることが先じゃない? ナミはこの先で待ってるね、何人くるか楽しみだな』
不敵に笑ったのを最後にプッと再び液晶画面が真っ黒になる。
薄暗い廊下から俺らを招きいれようとする風の音が聞こえる。廊下は薄暗く、豆電球がチカチカと足元を照らしてるだけ。薄暗い廊下はひんやりとして、静けさがます。
一同は少女、ナミの言葉通りに廊下を歩く。
「何処出身?」
「宮崎県だよー」
佳奈と菜穂が楽しげに会話してる。あの部屋では見せなかった笑顔をしてる。
「へー好きなん?」
声のした方向をバッと振り向いた。フード少年が颯負の横にいたのだ。どうやら、それほど菜穂を見つめてたらしい。俺は取り敢えず「違う」と言うと少年はふぅんと残念な顔をした。
「そういや、同じ部屋だったのに名前言ってなかったな、俺は坂瀬颯負だ」
「………ナイトって呼ばれてる」
スッと颯負から離れた。呼ばれてるという言葉に疑問を持ったがあまり、深くは聞けなかった。
「待ってこの先、危険よ! 止まって!」
一人の少女が甲高い声をあげた事がきっかけで颯負たちの足を止めた。が、そのまま前を歩く者もいる。
「へ? あれ? あれって超有名占い師宇月 玲緒じゃない?」
佳奈が少女を珍しいものでも見るかのような目で指差した。
「わぁ、本当だね」
その手を下に向ける菜穂。足を止めなかった者たちがゾロゾロと颯負たちを横切り前を歩いて行った。
すると、薄暗い廊下の先から歩いて行った人たちの叫び声が轟いた。
「ほら……ほらね! 私は忠告した、聞かなかった人が悪い!」
まるで自分を自分で慰めるかのように言った。叫び声と少女の怒声にも似た声が廊下で反響している。
「な、何が起きたの…?」
菜穂が少女に問いた。少女はフンとさも当たり前といった顔で吐き捨てるように口にした。
「あそこから、あらゆる罠がはってある。忠告した私を無視した罰ね」
叫び声がピタッと止んだ。静寂な時が進む。
颯負たちは、来た道を戻ったがそこにはなかった筈の壁があり、戻ることが不可能。仕方なく前に進んだ。
忠告の廊下へと進むと、道が広くなり、広場といったエリアに辿り着いた。扉が幾つもある。ザッ・迷路という感じだ。
颯負たちは真ん中の扉に向かい歩いっていった。壁や天井、足元まで小さなボタンがある。豆電球が点々と照明してるので若干、薄暗い。
ナイトと目がパチッとあった。分かってるといった顔でコクリと頷く。ナイトにも見えてるようだ。髪の毛と同等の小さいボタンは恐らく罠だ。
「皆、気をつけろ、あっちこっちに罠がはってある」
颯負の声がたらと廊下に響いた。それに敏感に感じたのは和奈。
「あっちこっちにはってあるってどうやって歩けばいいんですか!?」
和奈が酷く怯えた表情でジリジリと後退した。
カチッ
嫌な音がした。
「え?」
後退した足元からスイッチ音が聞こえた。後方からヒュンとバットが空振りする音が聞こえる。
「な、何……何事!?」
菜穂が慌てた様子で声をあげた。
「えと…えと、ごめんなさ……」
和奈が真っ青でその場にしゃがみこむ。言った側で罠にハマってしまった。薄暗い廊下の先からヒュンヒュンと空振りする音が近づいてきた。
それは氷の大きさと同じくらいの鉄球が降り掛かってきた。
「皆、走れっ!」
颯負はしゃがみ込んだ和奈を抱え、来た道を戻る。後に続いて菜穂も玲緒も颯負の後を追った。
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