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第二章 ナミ側
第22.5話 怪しげな会話
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数分前の出来事
黒服の一人がお気に入りのコップに紅茶を注いだ。
美味しい香りが部屋中に渡る。
注ぎ終わると黒服はさっと主のナミから離れる。ナミはコップの取っ手を掴み口に運んだ。
ナミは一人で紅茶を楽しむのが日課らしい。電気がついた明るい部屋の中、テレビを前に置かれたソファーがギシッと軋む音が聞こえた。
チラッとそこに視線を落とす。そこには同じくゲーム主催者側のマネが居た。ナミの仲間、家族ともいえる。
全身白装飾の女。身長が八尺あり、さらりと腰まである黒髪に帽子で隠れた顔。
今はゲーム中なので、外の世界とこちらを行き来している。とても大変な役割なマネがナミの部屋にくるのはとても珍しい。
「マネ、どうしたの?」
「…終わ…った…ヨーロッパ……全地域…全…滅」
途切れ途切れに言う。
ナミはそっかぁといつもと変わらぬ表情で言う。
ナミは椅子から立ち上がり、マネが腰掛けてる隣に座る。腕の中には大量のお菓子を持ってき。
スナック菓子とチョコを同時に頬袋に詰める。ひとときの幸せのような幸せの表情。それを見たマネは言ってはいけない言葉を言う。
「ナミ……太…る…よ」
「もう、太ってますー」
ポリポリスナック菓子を頬袋に詰める。幸せの表情なので、それ以上マネは言えない。
「カミュ…寝てる…?」
「奥でね、マネも寝る?」
微かにチョコがついてる指先を舐め、もう片方の手で奥の部屋を指さした。
マネはブンブン首を横に振る。
マネはあまり喋るほうではないので部屋は静まった。ナミも会話を続けようとはしない。ポリポリと菓子を頬張る。
スナック菓子を咀嚼する音だけがやたらと響く。
それに気づいたのかナミはスナック菓子を握っていないもう片方の手を伸ばした。机に置いてあったリモコンを手に持ち、ピッと電源をつける。
「そういえば、あの男、この世界では覚醒遅かったんだよね見る?」
返答はない。ナミは返ってくる事はないと思い、映ってる映像を勝手に再生した。テレビに映ってるのは参加者たちのこれまでの行動が詳細に監視カメラで映っている。
「この男、特異点にしては遅いよねー」
新商品のスナック菓子の袋をパンとあけた。太ると言われながら、甘いものをやめられない。袋に手を突っ込みまた、頬張る。
そこで、ふとなにかに気づく。
「そうだそうだ、今、何回目だっけ?」
「丁度…5000……回目」
「もう、そんなになるのか~」
感心したナミを置いて、マナがソファーから立ち上がった。
「もう行くの?」
コクリと大きく頷く。艶のある長い黒髪をさらりと揺らしながら扉に向かった。
「もう……ちょっとで…完成…」
ポツリと言った直後、その場から姿形も消えた。部屋に残ったのは嵐が去った如く。
静まり返った部屋。
昔からこの静けさは嫌いだ。ナミはテレビの音量を上げた。その時、テレビに映ってたのは颯負が猿を殴る場面。
黒服の一人がお気に入りのコップに紅茶を注いだ。
美味しい香りが部屋中に渡る。
注ぎ終わると黒服はさっと主のナミから離れる。ナミはコップの取っ手を掴み口に運んだ。
ナミは一人で紅茶を楽しむのが日課らしい。電気がついた明るい部屋の中、テレビを前に置かれたソファーがギシッと軋む音が聞こえた。
チラッとそこに視線を落とす。そこには同じくゲーム主催者側のマネが居た。ナミの仲間、家族ともいえる。
全身白装飾の女。身長が八尺あり、さらりと腰まである黒髪に帽子で隠れた顔。
今はゲーム中なので、外の世界とこちらを行き来している。とても大変な役割なマネがナミの部屋にくるのはとても珍しい。
「マネ、どうしたの?」
「…終わ…った…ヨーロッパ……全地域…全…滅」
途切れ途切れに言う。
ナミはそっかぁといつもと変わらぬ表情で言う。
ナミは椅子から立ち上がり、マネが腰掛けてる隣に座る。腕の中には大量のお菓子を持ってき。
スナック菓子とチョコを同時に頬袋に詰める。ひとときの幸せのような幸せの表情。それを見たマネは言ってはいけない言葉を言う。
「ナミ……太…る…よ」
「もう、太ってますー」
ポリポリスナック菓子を頬袋に詰める。幸せの表情なので、それ以上マネは言えない。
「カミュ…寝てる…?」
「奥でね、マネも寝る?」
微かにチョコがついてる指先を舐め、もう片方の手で奥の部屋を指さした。
マネはブンブン首を横に振る。
マネはあまり喋るほうではないので部屋は静まった。ナミも会話を続けようとはしない。ポリポリと菓子を頬張る。
スナック菓子を咀嚼する音だけがやたらと響く。
それに気づいたのかナミはスナック菓子を握っていないもう片方の手を伸ばした。机に置いてあったリモコンを手に持ち、ピッと電源をつける。
「そういえば、あの男、この世界では覚醒遅かったんだよね見る?」
返答はない。ナミは返ってくる事はないと思い、映ってる映像を勝手に再生した。テレビに映ってるのは参加者たちのこれまでの行動が詳細に監視カメラで映っている。
「この男、特異点にしては遅いよねー」
新商品のスナック菓子の袋をパンとあけた。太ると言われながら、甘いものをやめられない。袋に手を突っ込みまた、頬張る。
そこで、ふとなにかに気づく。
「そうだそうだ、今、何回目だっけ?」
「丁度…5000……回目」
「もう、そんなになるのか~」
感心したナミを置いて、マナがソファーから立ち上がった。
「もう行くの?」
コクリと大きく頷く。艶のある長い黒髪をさらりと揺らしながら扉に向かった。
「もう……ちょっとで…完成…」
ポツリと言った直後、その場から姿形も消えた。部屋に残ったのは嵐が去った如く。
静まり返った部屋。
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