33 / 50
第三章 ファイルステージ
第32話 絶望
しおりを挟む
あれから廃墟に逃げ込んだ亜里。亜里の背後から忍び寄る影が。無我夢中で走ってる亜里は全く気づいてない。颯負たちとも別れた事も。
亜里の背後から徐々にその影の手が。ガシッと捕まられた。
「いやあああ! 離して! 変態! やだ!」
「ちよっ、亜里落ち着いて……」
「その声は……雫?」
恐る恐る振り向いた。そこには、清楚な黒髪をした少女が。仲間の一人、雫だと分かると安堵の息が漏れた。
「良かった……雫ぅ!!」
本当に安心し、雫に思いっきり抱きついた。
「私もだよ……」
抱きついてきた亜里を突き飛ばした。
「きゃ! ……え?」
亜里はガラスが散らばった床に尻をつけ、雫を見上げた。暗いから表情が読めない。戸惑っている間、雫が亜里の上に重なるように足を挟んできた。楽しげな表情で亜里を見上げてくる。
「私ね……ずっと我慢してたの…」
「な、何を…?」
二人は同じ空間にいても一緒の思考とは違った。
一人の思考は戸惑い、不安。もう一人は、優越感に干しられていた。上に重なってる雫の顔が鼻が接触する程、近い距離になった。
「私ね、学校では隠してたの…けどここでは…」
そっと亜里の豊富な膨らみ部分に手を伸ばす。膨らみの先端部分をわざと触らない角度でゆっくりと揉みだした。
「いいよね?」
「へ? え? ちょっ………良くない良くない!!」
空いた手で雫の手を止める。その時、奥からカタンと物音が。
二人は石ように硬直した。ここで、やっと二人の思考が同じになった。ヒュンと何かが飛び出してきた。それは鋭い刃がある小型ナイフ。
それが、雫の背中にグサッと貫いた。
「――ガハっ!!」
亜里の上に重ねて乗ってくる。雫はまだ、ヒクヒク動いてるが、背中からは血がドクドクと噴き出している。
亜里は雫が乗って身動きが取れない。
「どこいった~」
男の声が。雫の下で藻掻いてる亜里の身体が硬直した。
男の声は若干、楽しんでいる。近づてきてる。冷や汗が…。心臓の音が加速する。足音が2つある。
雫の重みで全く動けない。闇から二人の男の姿が現れた。恐ろしい血相。もう、一人の男の手にチェンソーが握られてる。
「見つけた、良かった~」
チェンソーを持ってる男が中腰になって覗いてきた。不気味な顔をしてる。目がギラつき、獲物を狩るライオンのよう。
う、嘘でしょ…。
瞼を閉じ、死を覚悟した。その時、銃声と一緒に男が倒れた。困惑の最中、もう一人の男も。
「一体、誰が…」
言ってる束の間、チェンソーの刃が廻り出した。倒れてる男と亜里の頭上にある。
回転する度、速度が上げ男の肉を裂けた。びしゃと血が床や壁にごびりつく。その刃は回転を続け、ゆっくり亜里の元に。
「嘘でしょ!? 嘘嘘嘘嘘嘘嘘うっ……――」
§
颯負たち3人は元の場所に帰った。放心状態の明と蒼白してる玲緒を置く訳にはいかない。勿論、二人を家に帰らせたら、亜里たちを探す。
顔面蒼白した明たちを見て、三月たちは何よりも驚いた。三月たちにはありのままの言葉で説明した。説明すると、心苦しい。
三月からナイトが屋上にいると聞かれた。
屋上なら見つけられるかもと淡い期待をかね、屋上に向かった。思いっきり、扉を開けると、広々とした屋上。
落ちるか落ちないかの瀬戸際にナイトが銃を構えていた。
「何? 一応…助けたからね」
訳の分からない一言を言われる。颯負は肩で息をし、ナイトの隣に向かう。屋上から見ても、建物と建物がひしめき合って、颯負たちが歩いたきた道路すらも見えない。
しかし、颯負の目の力でははっきりに見えた。街を見上げた。
ふと、建物で見えなかった廃墟が。よく見えるように前に乗り出した。
隙間で少し見えたのは二人の無残なモノが。次に、駐車場付近で車の間に一人のモノが。
目の前がくらっとした。
視界が揺れ、地面に膝をついた。
俺のせいだ、あの時、気配に気付いてたのに対策も練らなかった。こうなる事を予想してたじゃないか。こんな力があるのに、また誰も守れなかった。
悲願と後悔の渦に呑みこむ。
ぐるぐると思考の中で、後悔がうずく。その隣では、ナイトは表情変わらず前を向いてる。
「まだ、終わってないけど」
そう言うのは、ナイトが静かに銃口を向けてる建物。建物がひしめき合っている間、ほんの隙間でしか見えなかい。
そこからここは、5メートル以上もある距離。
その建物は敵のアジトだと思うのが建っている。こちらと同じく、屋上に銃口の光るものが見えた。
「さっきから向けてるし、あのオッサン誰だろ?」
「知らないのか?犬飼だ」
颯負はムクリと起き上がり、前方を見上げた。確かに、隙間には敵の居地が見える。
屋上には2つの影。あの時、気配を消し矢野を撃った張本人。颯負の身体からまたモヤが浮かぶ。
「殺れ」
「はいはい」
ナイトが銃弾をひいた。その狙いは百発百中狙い通りに男の腕を撃った。この距離からだ。
「上手いな」
「当然しょ」
颯負が感心したふうに言うとナイトはさも当たり前といったふうで銃をバックにしまう。
亜里の背後から徐々にその影の手が。ガシッと捕まられた。
「いやあああ! 離して! 変態! やだ!」
「ちよっ、亜里落ち着いて……」
「その声は……雫?」
恐る恐る振り向いた。そこには、清楚な黒髪をした少女が。仲間の一人、雫だと分かると安堵の息が漏れた。
「良かった……雫ぅ!!」
本当に安心し、雫に思いっきり抱きついた。
「私もだよ……」
抱きついてきた亜里を突き飛ばした。
「きゃ! ……え?」
亜里はガラスが散らばった床に尻をつけ、雫を見上げた。暗いから表情が読めない。戸惑っている間、雫が亜里の上に重なるように足を挟んできた。楽しげな表情で亜里を見上げてくる。
「私ね……ずっと我慢してたの…」
「な、何を…?」
二人は同じ空間にいても一緒の思考とは違った。
一人の思考は戸惑い、不安。もう一人は、優越感に干しられていた。上に重なってる雫の顔が鼻が接触する程、近い距離になった。
「私ね、学校では隠してたの…けどここでは…」
そっと亜里の豊富な膨らみ部分に手を伸ばす。膨らみの先端部分をわざと触らない角度でゆっくりと揉みだした。
「いいよね?」
「へ? え? ちょっ………良くない良くない!!」
空いた手で雫の手を止める。その時、奥からカタンと物音が。
二人は石ように硬直した。ここで、やっと二人の思考が同じになった。ヒュンと何かが飛び出してきた。それは鋭い刃がある小型ナイフ。
それが、雫の背中にグサッと貫いた。
「――ガハっ!!」
亜里の上に重ねて乗ってくる。雫はまだ、ヒクヒク動いてるが、背中からは血がドクドクと噴き出している。
亜里は雫が乗って身動きが取れない。
「どこいった~」
男の声が。雫の下で藻掻いてる亜里の身体が硬直した。
男の声は若干、楽しんでいる。近づてきてる。冷や汗が…。心臓の音が加速する。足音が2つある。
雫の重みで全く動けない。闇から二人の男の姿が現れた。恐ろしい血相。もう、一人の男の手にチェンソーが握られてる。
「見つけた、良かった~」
チェンソーを持ってる男が中腰になって覗いてきた。不気味な顔をしてる。目がギラつき、獲物を狩るライオンのよう。
う、嘘でしょ…。
瞼を閉じ、死を覚悟した。その時、銃声と一緒に男が倒れた。困惑の最中、もう一人の男も。
「一体、誰が…」
言ってる束の間、チェンソーの刃が廻り出した。倒れてる男と亜里の頭上にある。
回転する度、速度が上げ男の肉を裂けた。びしゃと血が床や壁にごびりつく。その刃は回転を続け、ゆっくり亜里の元に。
「嘘でしょ!? 嘘嘘嘘嘘嘘嘘うっ……――」
§
颯負たち3人は元の場所に帰った。放心状態の明と蒼白してる玲緒を置く訳にはいかない。勿論、二人を家に帰らせたら、亜里たちを探す。
顔面蒼白した明たちを見て、三月たちは何よりも驚いた。三月たちにはありのままの言葉で説明した。説明すると、心苦しい。
三月からナイトが屋上にいると聞かれた。
屋上なら見つけられるかもと淡い期待をかね、屋上に向かった。思いっきり、扉を開けると、広々とした屋上。
落ちるか落ちないかの瀬戸際にナイトが銃を構えていた。
「何? 一応…助けたからね」
訳の分からない一言を言われる。颯負は肩で息をし、ナイトの隣に向かう。屋上から見ても、建物と建物がひしめき合って、颯負たちが歩いたきた道路すらも見えない。
しかし、颯負の目の力でははっきりに見えた。街を見上げた。
ふと、建物で見えなかった廃墟が。よく見えるように前に乗り出した。
隙間で少し見えたのは二人の無残なモノが。次に、駐車場付近で車の間に一人のモノが。
目の前がくらっとした。
視界が揺れ、地面に膝をついた。
俺のせいだ、あの時、気配に気付いてたのに対策も練らなかった。こうなる事を予想してたじゃないか。こんな力があるのに、また誰も守れなかった。
悲願と後悔の渦に呑みこむ。
ぐるぐると思考の中で、後悔がうずく。その隣では、ナイトは表情変わらず前を向いてる。
「まだ、終わってないけど」
そう言うのは、ナイトが静かに銃口を向けてる建物。建物がひしめき合っている間、ほんの隙間でしか見えなかい。
そこからここは、5メートル以上もある距離。
その建物は敵のアジトだと思うのが建っている。こちらと同じく、屋上に銃口の光るものが見えた。
「さっきから向けてるし、あのオッサン誰だろ?」
「知らないのか?犬飼だ」
颯負はムクリと起き上がり、前方を見上げた。確かに、隙間には敵の居地が見える。
屋上には2つの影。あの時、気配を消し矢野を撃った張本人。颯負の身体からまたモヤが浮かぶ。
「殺れ」
「はいはい」
ナイトが銃弾をひいた。その狙いは百発百中狙い通りに男の腕を撃った。この距離からだ。
「上手いな」
「当然しょ」
颯負が感心したふうに言うとナイトはさも当たり前といったふうで銃をバックにしまう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
旧校舎のシミ
宮田 歩
ホラー
中学校の旧校舎の2階と3階の間にある踊り場には、不気味な人の顔をした様なシミが浮き出ていた。それは昔いじめを苦に亡くなった生徒の怨念が浮き出たものだとされていた。いじめられている生徒がそのシミに祈りを捧げると——。


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ゴーストバスター幽野怜
蜂峰 文助
ホラー
ゴーストバスターとは、霊を倒す者達を指す言葉である。
山奥の廃校舎に住む、おかしな男子高校生――幽野怜はゴーストバスターだった。
そんな彼の元に今日も依頼が舞い込む。
肝試しにて悪霊に取り憑かれた女性――
悲しい呪いをかけられている同級生――
一県全体を恐怖に陥れる、最凶の悪霊――
そして、その先に待ち受けているのは、十体の霊王!
ゴーストバスターVS悪霊達
笑いあり、涙あり、怒りありの、壮絶な戦いが幕を開ける!
現代ホラーバトル、いざ開幕!!
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる