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第一章 カイト側
第2話 神様
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蔦の天辺には生還者たちがゾロゾロと集まっていた。まだ、残っていた力を出しきり、ようやく、登りつめた。
手のひらを見ると、すり傷と蔦の棘が何本も刺さってる。加え、体力の消耗が激しい。深呼吸をするが、疲れた身体には全然効かない。
遠方から俺の名を呼ぶ者が駆け寄ってきた。
「心也くん!」
「ささちゃん……」
小顔が心也の顔を覗いてきた。心配面してる。
「ささちゃん早かったね」
ハハッと笑いながら言った。ささは痛い所を捕まれた顔をした。
「ごめんなさい……」
「いや、いいんだ」
フラっと腰を上げるとささが支えてくれた。
すると、ふとカイトの言葉が脳裏に浮かんだ。
〝カイトといって神様です!〟
〝一人しか存在できません〟
あんな身なりでも自分の口から神と言っていた。もしかすると、あの時の爆発と地震、このゲーム全て、神が企てた…かも。
それに、一人しか存在できない、という事は一人しか生き残れないという事。
このゲーム全て神が関わり生き残ったら神になれるのではないか……。
「心也くん!」
ささの声でハッと我に返った。隣を見ると、不安げな面持ちをしたささが見つめてた。
すると、上空を人差し指で指さした。上空にはいつの間にか映像が浮き出ている。画面奥には勿論、カイトが映ってた。
『第一ラウンドクリア、おめでとうございます!』
ニコッと唇の骨格だけを上げただけの笑みを見せた。
そして、また指をパチンとならす。
その直後、上空から建物がフワッと浮き出た。その建物は支えなしに空に浮き、透明から色が完全についた。
その建物は観光でよく見かける日本の城。積み重ねられた石垣だった。
『制限時間は二時間をきりました。あとの一時間、頑張ってくださいね』
プッと落ちた。まだあるのかよと思った。キリキリと腹部分が痛い。が、同時に好奇心が唆られた。
辺りを見渡した。知らない顔ぶればかり。ふと、ジャージを着こなした男性が目に入った。同じプレートで一緒だった男性だ。
一人で黙々と準備体操をしている。これに登る気満々で、もうやる気みたいだ。
それと同じく我先にもう、石垣に登っている輩もいた。
体力はもう完全に底をきっているが、あの快感にまた浸りたくなって、ささの腕から離れた。
「ごめん……体力ないから先に行くね」
笑顔で優しくそう言うと、ささから背を向いた。これで離れるだろうと考えが馬鹿だった。
ささは背を向いた俺の袖を掴んできた。
その場から一歩たりとも動けない。仕方なく後ろを振り向いた。
俯いてるので顔を見れない。心也は無理やり離れようと力を込めた。が、最近の女の力は強いらしい。袖が伸びるのも気にしないで、引いてる足に渾身の力を込めたが、ピクリとも離れてくれない。
さきに石垣に登っていった輩が滑り落ち、プレートに落ちてくる。
体の骨が砕かれる音と潰れた生肉が生々しく聞こえた。すぐそこには内蔵が飛び出し、腸が出ている奴も。また一人、また一人と落ちてくると白いプレートが赤い美術アートに変わっていく。
あ、これは凄いなと関心したが、こんな所でダラダラしてる場合じゃない。今すぐ、ささから離れてあの快感を……。と思い、優しく言った。
「……皆、もう登ってるよ」
「嫌だ嫌だ!」
突然、ささが声を上げた。
んな、思いっきり足手まといじゃん。
「もう力もない~、エネルギーが欲しい!
オチ◯ポ欲しい!」
そんな声が何度も空に響き渡った。最初、何を言われたのか完全に思考力が止まった。
きっと、口を庵ぐりにしていた筈。そんな俺を他所にささは地面に膝をうち、俺のズボンのファスナーを躊躇もなくバッと足元におろした。
間違いなく、これは肉棒を要求してる。この女、まさか痴女だとは。
ささの行動にストップをかけたいが、健全な学生が我慢できるわけでもない。猶予となくパンツが下ろされそうになった時、後ろから声がした。
「ヒューゥ」
拍手をしながら男性が歩み寄ってきた。ニタニタ笑い、俺たちの光景に拍手の喝采を送ってくる。どこかで見覚えのある男だ。
目の下の黒子を見た瞬時にはっきりした。
「お前は…確か性犯罪者者の犬飼 帝斗…」
男はケラケラ笑って歩み寄ってくる。それを止めるように俺は睨んだ。
「どうしてここに?」
「いや~ちょっと脱獄したら爆発起きるわ空に文字浮かぶわで、それより、嬢ちゃん、俺のは?」
男は自分の息子に手を伸ばして言った。途端、ささは四つん這いで男の下半身に一目散。
「いいんれすか? いいんれすか?」
ご主人様にお許しを貰う犬のように見上げた。
さっきまで心也に寄り詰めていたのに、今や一切振り向いてくれない。
ささがハァハァと荒い息をしながら、男のファスナーに手を伸ばした。
しかし、その前にその行動を止めたのは男。
「今は時間がない、あとでやろうね」
ニタァと不敵な笑みを浮かべた。
ささはシュンと肩を落としたがパァと子供のように笑った。
「約束ですよ!」
そんなやりとりをしている間、時間が刻一刻と進んでいた。もう、おそらく10分は過ぎてる。
ここから、頂上まで登りきるには体力のない俺には到底無理だ。そんな時、思ってない奴が策をねた。
でも、同時に嫌な予感をした。
手のひらを見ると、すり傷と蔦の棘が何本も刺さってる。加え、体力の消耗が激しい。深呼吸をするが、疲れた身体には全然効かない。
遠方から俺の名を呼ぶ者が駆け寄ってきた。
「心也くん!」
「ささちゃん……」
小顔が心也の顔を覗いてきた。心配面してる。
「ささちゃん早かったね」
ハハッと笑いながら言った。ささは痛い所を捕まれた顔をした。
「ごめんなさい……」
「いや、いいんだ」
フラっと腰を上げるとささが支えてくれた。
すると、ふとカイトの言葉が脳裏に浮かんだ。
〝カイトといって神様です!〟
〝一人しか存在できません〟
あんな身なりでも自分の口から神と言っていた。もしかすると、あの時の爆発と地震、このゲーム全て、神が企てた…かも。
それに、一人しか存在できない、という事は一人しか生き残れないという事。
このゲーム全て神が関わり生き残ったら神になれるのではないか……。
「心也くん!」
ささの声でハッと我に返った。隣を見ると、不安げな面持ちをしたささが見つめてた。
すると、上空を人差し指で指さした。上空にはいつの間にか映像が浮き出ている。画面奥には勿論、カイトが映ってた。
『第一ラウンドクリア、おめでとうございます!』
ニコッと唇の骨格だけを上げただけの笑みを見せた。
そして、また指をパチンとならす。
その直後、上空から建物がフワッと浮き出た。その建物は支えなしに空に浮き、透明から色が完全についた。
その建物は観光でよく見かける日本の城。積み重ねられた石垣だった。
『制限時間は二時間をきりました。あとの一時間、頑張ってくださいね』
プッと落ちた。まだあるのかよと思った。キリキリと腹部分が痛い。が、同時に好奇心が唆られた。
辺りを見渡した。知らない顔ぶればかり。ふと、ジャージを着こなした男性が目に入った。同じプレートで一緒だった男性だ。
一人で黙々と準備体操をしている。これに登る気満々で、もうやる気みたいだ。
それと同じく我先にもう、石垣に登っている輩もいた。
体力はもう完全に底をきっているが、あの快感にまた浸りたくなって、ささの腕から離れた。
「ごめん……体力ないから先に行くね」
笑顔で優しくそう言うと、ささから背を向いた。これで離れるだろうと考えが馬鹿だった。
ささは背を向いた俺の袖を掴んできた。
その場から一歩たりとも動けない。仕方なく後ろを振り向いた。
俯いてるので顔を見れない。心也は無理やり離れようと力を込めた。が、最近の女の力は強いらしい。袖が伸びるのも気にしないで、引いてる足に渾身の力を込めたが、ピクリとも離れてくれない。
さきに石垣に登っていった輩が滑り落ち、プレートに落ちてくる。
体の骨が砕かれる音と潰れた生肉が生々しく聞こえた。すぐそこには内蔵が飛び出し、腸が出ている奴も。また一人、また一人と落ちてくると白いプレートが赤い美術アートに変わっていく。
あ、これは凄いなと関心したが、こんな所でダラダラしてる場合じゃない。今すぐ、ささから離れてあの快感を……。と思い、優しく言った。
「……皆、もう登ってるよ」
「嫌だ嫌だ!」
突然、ささが声を上げた。
んな、思いっきり足手まといじゃん。
「もう力もない~、エネルギーが欲しい!
オチ◯ポ欲しい!」
そんな声が何度も空に響き渡った。最初、何を言われたのか完全に思考力が止まった。
きっと、口を庵ぐりにしていた筈。そんな俺を他所にささは地面に膝をうち、俺のズボンのファスナーを躊躇もなくバッと足元におろした。
間違いなく、これは肉棒を要求してる。この女、まさか痴女だとは。
ささの行動にストップをかけたいが、健全な学生が我慢できるわけでもない。猶予となくパンツが下ろされそうになった時、後ろから声がした。
「ヒューゥ」
拍手をしながら男性が歩み寄ってきた。ニタニタ笑い、俺たちの光景に拍手の喝采を送ってくる。どこかで見覚えのある男だ。
目の下の黒子を見た瞬時にはっきりした。
「お前は…確か性犯罪者者の犬飼 帝斗…」
男はケラケラ笑って歩み寄ってくる。それを止めるように俺は睨んだ。
「どうしてここに?」
「いや~ちょっと脱獄したら爆発起きるわ空に文字浮かぶわで、それより、嬢ちゃん、俺のは?」
男は自分の息子に手を伸ばして言った。途端、ささは四つん這いで男の下半身に一目散。
「いいんれすか? いいんれすか?」
ご主人様にお許しを貰う犬のように見上げた。
さっきまで心也に寄り詰めていたのに、今や一切振り向いてくれない。
ささがハァハァと荒い息をしながら、男のファスナーに手を伸ばした。
しかし、その前にその行動を止めたのは男。
「今は時間がない、あとでやろうね」
ニタァと不敵な笑みを浮かべた。
ささはシュンと肩を落としたがパァと子供のように笑った。
「約束ですよ!」
そんなやりとりをしている間、時間が刻一刻と進んでいた。もう、おそらく10分は過ぎてる。
ここから、頂上まで登りきるには体力のない俺には到底無理だ。そんな時、思ってない奴が策をねた。
でも、同時に嫌な予感をした。
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