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第二章 ナミ側
第14話 カルタ
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モニターに新たな問題が出題された。同時に制限時間が20秒と準備されてる。
「死にたくなければ『猫に小判』を探せ!」
颯負が呆然と佇む者に言った。その直後、やっと我に返り叫びながら探し回った。まるで、
その姿は肌にしみついたシャツを無理やり脱がそうと必死な姿。これこそが『生きる』にしがみつく人間の姿だ。
「探した人は報告、皆で助け合うぞ!」
颯負曰くこの部屋にいる全員、必死だった。最中、それを無心で傍観してる少年がいた。『生』にしがみつくわけでもなく、只、死んだ肉の塊を見つめてた。
「あったぞ! こっちだ」
成人男性が指差す。場所は部屋の真ん中辺り。それを聞きつけた周りは急ぎ足でその台に乗った。
「邪魔だっ!!」
「お前こそ狭いんだから!」
狭い台の上で喧嘩しあう。
「そこ、喧嘩すんな! 助け合うって言っただろうが!」
颯負が叫んでも聞こえてない様子。台の上では喧嘩が続いてる。
「無理よ……」
菜穂がボソッと呟いた。
「皆、自分の命しか考えてない…あぁなるのが怖いのよ」
青ざめた顔で赤に染まった壁を見た。
台の上で押し合いの喧嘩で台から足を踏み外す者も。「あ、落ち……」
ザクザクッ
落ちた人物の身体に無数の鉄パイプが貫かれていた。
目玉をくりぬき、パイプからはウインナーの細切れ如く腸が飛び出している。
そこの台周辺も赤く染まった。鉄臭い匂いが部屋中に充満してる。
残り10秒
残り10秒となっても菜穂だけは台に乗らない。周りをキョロキョロしてる。
「待って、こっちにもあるけど!」
菜穂が叫んだ。そこは、颯負たちが乗っている台の反対側。確かに絵は猫が描かれてる。まさかと思い、自分が乗ってある台の絵を恐る恐る見た。古風な絵に墨が描かれてた。
「は? 本物はこっちだろ」
「信じて、このままじゃあ…」
残り5秒
「ランダムで入れ変わる…んな理不尽な…飛ぶぞ!」
全身の力を足に注いだ。そして、近くにいたフード少年と女の子を脇に担いだ。その子も勿論、周りの目は仰天した。一斉の注目を集めた中、思いっきりジャンプした。
何故飛んだかと聞かれると理由は簡単。生き残り者の理論から考えるとこのゲームのルールは2つ。
出題された問題の台を踏むこと、台から一歩たりとも足を踏み外すな。
単純で簡単に見えるが、死と合わせばとごも簡単じゃない。ここまで生き残ってないと理解できなかった。という事は間違った台を踏めば台から台に飛び移らないといけない。
残り3秒
「嘘でしょ、二人担いで飛べるなんて」
菜穂が呟いた。台の上でオロオロするしてる。
「菜穂ちゃん、そのまま!」
残り1秒
二人を担いだまま、菜穂のいる台の上に無事着陸。「皆も早く…」振り返った。束の間。
『タイムーアップ!』
台に残っていたのは3人。
天井からまた鉄パイプが飛び出し、3人の身体を貫いた。
お互いの肉が一本のパイプで繋がり、腕は曲がり、まるで串刺しされたあとのお団子みたいだ。
その辺りには血と血が混ざり、赤黒いものとなっている。数分間、無数の鉄パイプが降り、やがて何事もなかったように天井の穴は閉じっていった。
残ったのは無残にも等しい遺体。
「どうして……もしかしてランダムで入れ替わるの?」
菜穂が真っ青な顔で聞いてきた。
「そうみたい……次の問題でてるけどどうする?」
フード少年が冷めたふうに言った。フードから微かに見える瞳には涙のあともない。
それからは早かった。今までになかった団結力へと変わった。
『最終問題 クリア』
「やった、私たち、ここまで来たんだね!」
もう一人の少女が歓声を上げる。その声は何処か希望に満ちていた。
「うん、やっとここまで」
菜穂の顔にも安堵が漏れてる。
部屋の隅に扉が現れた。白い煙がモクモクと立ち込みながら。ようやくこの鉄臭い部屋から抜け出せる。先に扉を開けたのはフード少年だった。
「助けられなかった…」
この部屋で最初に死んだ二人組の側に寄った。顔と体の原型すらも留めてない。
「そんなことないよ、行こう」
菜穂が颯負に優しく手を差し伸べてきた。俺は菜穂の手をとり、一緒に扉を抜ける。ほぼ、初対面にも関わらず菜穂といると何故か心地よかった。
部屋を抜け出した後、残ったのはもう一人の少女。フフと笑って、こちらへ向かう。
「やった、生き残っぁ…――」
これが彼女の最後の言葉だった。
いきなり天井が下がった。一瞬で、俺と菜穂が部屋を抜けた瞬間に天井がプレスみたいに下がったのだ。
無理やり押し込まれた丈夫な骨の音とドロッとした赤い血溜まりが出てくる。
「そ、そんな…」
「嘘…」
俺と菜穂が戸惑ってる時に、フード少年が辺りを見渡した。
「各部屋3人って決まってる」
パサッとフードをとり、冷静にものを言う。その顔には驚いた顔も見えない。一本の廊下のサイドに幾つのドアノブのある扉がある。
白い扉に茶色のドアノブ。そこから、俺らと同じく3人の人間が前にいた。呆然としてる者や泣いてる者、怒ってる者まで。
「本当だ、各部屋に3人…」
「死にたくなければ『猫に小判』を探せ!」
颯負が呆然と佇む者に言った。その直後、やっと我に返り叫びながら探し回った。まるで、
その姿は肌にしみついたシャツを無理やり脱がそうと必死な姿。これこそが『生きる』にしがみつく人間の姿だ。
「探した人は報告、皆で助け合うぞ!」
颯負曰くこの部屋にいる全員、必死だった。最中、それを無心で傍観してる少年がいた。『生』にしがみつくわけでもなく、只、死んだ肉の塊を見つめてた。
「あったぞ! こっちだ」
成人男性が指差す。場所は部屋の真ん中辺り。それを聞きつけた周りは急ぎ足でその台に乗った。
「邪魔だっ!!」
「お前こそ狭いんだから!」
狭い台の上で喧嘩しあう。
「そこ、喧嘩すんな! 助け合うって言っただろうが!」
颯負が叫んでも聞こえてない様子。台の上では喧嘩が続いてる。
「無理よ……」
菜穂がボソッと呟いた。
「皆、自分の命しか考えてない…あぁなるのが怖いのよ」
青ざめた顔で赤に染まった壁を見た。
台の上で押し合いの喧嘩で台から足を踏み外す者も。「あ、落ち……」
ザクザクッ
落ちた人物の身体に無数の鉄パイプが貫かれていた。
目玉をくりぬき、パイプからはウインナーの細切れ如く腸が飛び出している。
そこの台周辺も赤く染まった。鉄臭い匂いが部屋中に充満してる。
残り10秒
残り10秒となっても菜穂だけは台に乗らない。周りをキョロキョロしてる。
「待って、こっちにもあるけど!」
菜穂が叫んだ。そこは、颯負たちが乗っている台の反対側。確かに絵は猫が描かれてる。まさかと思い、自分が乗ってある台の絵を恐る恐る見た。古風な絵に墨が描かれてた。
「は? 本物はこっちだろ」
「信じて、このままじゃあ…」
残り5秒
「ランダムで入れ変わる…んな理不尽な…飛ぶぞ!」
全身の力を足に注いだ。そして、近くにいたフード少年と女の子を脇に担いだ。その子も勿論、周りの目は仰天した。一斉の注目を集めた中、思いっきりジャンプした。
何故飛んだかと聞かれると理由は簡単。生き残り者の理論から考えるとこのゲームのルールは2つ。
出題された問題の台を踏むこと、台から一歩たりとも足を踏み外すな。
単純で簡単に見えるが、死と合わせばとごも簡単じゃない。ここまで生き残ってないと理解できなかった。という事は間違った台を踏めば台から台に飛び移らないといけない。
残り3秒
「嘘でしょ、二人担いで飛べるなんて」
菜穂が呟いた。台の上でオロオロするしてる。
「菜穂ちゃん、そのまま!」
残り1秒
二人を担いだまま、菜穂のいる台の上に無事着陸。「皆も早く…」振り返った。束の間。
『タイムーアップ!』
台に残っていたのは3人。
天井からまた鉄パイプが飛び出し、3人の身体を貫いた。
お互いの肉が一本のパイプで繋がり、腕は曲がり、まるで串刺しされたあとのお団子みたいだ。
その辺りには血と血が混ざり、赤黒いものとなっている。数分間、無数の鉄パイプが降り、やがて何事もなかったように天井の穴は閉じっていった。
残ったのは無残にも等しい遺体。
「どうして……もしかしてランダムで入れ替わるの?」
菜穂が真っ青な顔で聞いてきた。
「そうみたい……次の問題でてるけどどうする?」
フード少年が冷めたふうに言った。フードから微かに見える瞳には涙のあともない。
それからは早かった。今までになかった団結力へと変わった。
『最終問題 クリア』
「やった、私たち、ここまで来たんだね!」
もう一人の少女が歓声を上げる。その声は何処か希望に満ちていた。
「うん、やっとここまで」
菜穂の顔にも安堵が漏れてる。
部屋の隅に扉が現れた。白い煙がモクモクと立ち込みながら。ようやくこの鉄臭い部屋から抜け出せる。先に扉を開けたのはフード少年だった。
「助けられなかった…」
この部屋で最初に死んだ二人組の側に寄った。顔と体の原型すらも留めてない。
「そんなことないよ、行こう」
菜穂が颯負に優しく手を差し伸べてきた。俺は菜穂の手をとり、一緒に扉を抜ける。ほぼ、初対面にも関わらず菜穂といると何故か心地よかった。
部屋を抜け出した後、残ったのはもう一人の少女。フフと笑って、こちらへ向かう。
「やった、生き残っぁ…――」
これが彼女の最後の言葉だった。
いきなり天井が下がった。一瞬で、俺と菜穂が部屋を抜けた瞬間に天井がプレスみたいに下がったのだ。
無理やり押し込まれた丈夫な骨の音とドロッとした赤い血溜まりが出てくる。
「そ、そんな…」
「嘘…」
俺と菜穂が戸惑ってる時に、フード少年が辺りを見渡した。
「各部屋3人って決まってる」
パサッとフードをとり、冷静にものを言う。その顔には驚いた顔も見えない。一本の廊下のサイドに幾つのドアノブのある扉がある。
白い扉に茶色のドアノブ。そこから、俺らと同じく3人の人間が前にいた。呆然としてる者や泣いてる者、怒ってる者まで。
「本当だ、各部屋に3人…」
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